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【小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり】

今日は『小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり』
についてお伝えしていきます。

戦国武将の武田信玄が
語ったとされる格言です。

自己の満足のために行う善行(小善)は
それが善意から発したものであっても
結果として人を傷つける大悪を
生み出す事があります。

一方で
本気で相手のことを考えて行う善行(大善)は
時として厳しく、情け容赦のない態度(非情)と
誤解されることがありますが
努力すれば次元の異なる
良い結果を生むという事でもあります。


分かりやすく言えば

「小善」
誰からも好かれようと
ご機嫌取りになって
八方美人に振る舞う事です。

会社では上司が
嫌われないように
部下に意見ばかりを聞いて
自分の決断は避けようとします。


「大善」
「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす」

「かわいい子には旅をさせよ」

のように愛の中に厳しさを
取り入れていく事です。

会社では上司が部下に対して
確固たる信念を持って
キツイ試練になる事を
あえて挑戦させます。


「アメとムチ」にも近いです。
※支配や指導の方法で
 甘い扱いをして譲歩する一方で
 厳しく締めつけること。

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陰陽の観点では
陽が「小善」「アメ」
陰が「大善」「ムチ」
と解釈する事も出来ます。


大方の認識は
「大善」で対応する事が
好ましいとされているでしょう。


例えば
私が道場で剣道の稽古を
教えているとします。

私の場合、試合に勝つための
小手先の技は殆ど教えません。

剣道を通じて
周囲や社会に対して
寄与、貢献出来るような
人間形成を教えます。

もちろんある程度技術的な
基本技と応用技は教えますが
そこにのめり込ませない
ように工夫します。


防具を装着した稽古ばかりではなく
ランニングや筋力強化を
取り入れて持久力や忍耐力を
養うトレーニングをします。

自分が実践してきた事もありますが
生涯通じる内容だと思います。

ものすごく地味でキツイ練習で
正直言うと楽ではありません。


試合に勝つだけなら
試合形式を中心とした稽古で
十分だと思われるかもしれません。

しかし、実際に試合で勝つ人ほど
泥臭くてしんどい稽古を
繰り返し鍛錬しています。


イチローさんや大谷翔平選手が
試合形式の練習だけしている
はずがありません。

見えない所で毎日毎日
自分を追い込んで
積み重ねています。

一流の選手こそ基本に忠実で
甘い誘惑を断ち切っています。


中にはヘラヘラして
遊びまくっているように
見える人も実際は陰で
猛努力しています。

見せてないだけです。

そういった方はメリハリが出来て
時間管理を上手に調整しています。


関東や九州に遠征に行った時に
自分の未熟さや実力のなさを
しみじみと痛感しました。

自分ではそこそこ稽古していると
思っていたのですが
関東や九州勢剣士達の
稽古内容を見て驚愕でした。

稽古量はもちろんの事ながら
先生の指導も相当厳しかったです。


だから試合でも圧倒的に強く
社会に出てもタフさが
身に付いていると感じました。

強くなって試合で勝ちたい
という目標であればあるほど
とことん限界まで追い込んで
突き詰める必要があります。

気楽な稽古でも勝てる
という甘い幻想は
抱かない事です。


「大善」「ムチ」が上手く適用する
「前提」としては

「心から信頼関係が築けている」

「本気で魂を込めて最後までやり抜く覚悟がある」

「多少の犠牲は承知の上で貢献する意志がある」

etc


「自分軸」と「主体性」を持って
取り組むことが不可欠です。


ドМの人は
「大善」「ムチ」を
好むでしょう。

個人的にも
「大善」「ムチ」が
理想的だと実感しています。

日本人一人一人が
「大善」「ムチ」で
挑めばとてつもない力を
発揮する事は間違いないです。


しかし、それぞれ状況も異なり
全て「大善」「ムチ」で
対応する事は限界があります。

「大善」「ムチ」が
苦手な人に対しては
「小善」を活用します。

「小善」がダメだと
決めつけるのは
勿体ない事です。


長期的な視点で捉えれば
「小善」は無意味です。

そこで発想を柔軟にして
短期的に結果を出させてから
じわじわと中長期に
移行させていく事です。


多くの人はインスタント的に
手軽に実践して結果が出る
爬虫類脳を刺激する文言に
惹かれていきます。


「楽して手軽に5kg痩せれる」

「声がけするだけで女性と仲良くなれる」

「今すぐ手っ取り早く月収30万円が稼げる」

etc


露骨に恐怖や欲望を煽って
誘導する事は良くないですが
小さな結果を出す事に
集中するのはありです。


「楽して手軽に5kg痩せれる」は
マイナス5kgではなく
1日300gの減量等にして
ハードルを下げます。


「声がけするだけで女性と仲良くなれる」は
いきなり声がけするのではなく
服装や髪型を整えたりして
準備から行っていきます。


「今すぐ手っ取り早く月収30万円が稼げる」は
30万円ではなく最短で
1000円稼げる事から
始めていきます。


目標を最小単位に
「分離」「分解」
していく事です。

その意味で「小善」をする事で
小さくても達成感を味わえて
自信が付いていきます。


注意する観点は
短期的欲求を満たす事に
フォーカスしているので
ハードルを上げていく事です。

生易しい空想を続けていては
いつまで経っても
目標には到達しません。


「小善」は

「継続力」

「行動力」

「忍耐力」

が伴わない人向けの
一時的な応急処置です。


お金を貸す事に関して
「小善」をすると
取り返しのつかない事態になる
可能性が十分にあります。

特に中の良い友人や知人が
お金を貸してほしいと
依頼してきた時は要注意です。

相当危ない状況です。

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万が一1度でも
お金を貸してしまえば
泥沼化していきます。

何かしらの御恩があったとしても
そこは非情になる事です。

例え少額であっても
後々にとんでもない金額に
膨れ上がっていきます。


お金の問題は感情が入ると
IQが下がっていくので
恐怖や不安で煽られると
適切な判断が出来なくなります。

冷静に落ち着いた状態で
対処するように
心掛けておきます。


「金の切れ目が縁の切れ目」
※金銭によって成り立っていた関係は
 お金が無くなると消滅してしまう事

実に的を得た表現です。


陰陽のバランス感覚は大切です。

とは言え人生において
長期的な視点で俯瞰すれば

「小善」は控えて
「大善」で歩むほうが
必ず得するように
なっています。


「大善」は本質に深く迫り
根本的なところを探究していく
考え方でもあります。

焦らず長期戦に持ち込んで
じわじわと充足感を
味わっていきましょう。

今日も読んでくださって
ありがとうございます。


追伸
あなたの
「小善」「大善」を
教えてください。

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