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エッセイ♯3『心を整えてくれるBGM』


アニメやドラマ、映画の中に流れるBGM。今では、劇伴音楽のコンサートも開かれていて、作品の世界観にどっぷり浸れる。

元々、ヒーリングミュージックに興味があり、眠れない時によく聴いていた。自然の音に耳を傾けると、心地よく、眠りのサポートをしてくれる。

そこから、劇伴音楽に興味を持ち、作品の中で流れるBGMが好きになった。

BGMを聴くと、ある場面を思い出したり、登場人物の感情や気持ちを音だけで表現していることに感動した。

ふと涙がこぼれたり、胸が締めつけられたり、自分の感情が揺さぶれたり、音楽の力ってすごいなぁと思う。

作品の世界観に合わせて、戦闘シーンは、ダイナミックで力強かったり、しんみりとしたシーンでは、ゆっくり静かな音楽だったり。

音だけでさまざまな表現できるのだと、心惹かれるばかりである。

会社員の頃、仕事を頑張りすぎて、心も体もヘトヘトになっていた時期があった。疲れから、落ち込みやすかったり、すぐにイライラしたり、気分の波が激しい状態。そんな不安でいっぱいな私にとって、音楽はかけがえのない存在だった。

仕事が終わり、すぐ家の中へ駆けこんだ。すがるように音楽の世界に逃げ込み、なんとか心を落ち着かせようとしていた。

BGMをきくと、自分の中にある、どうしようもない感情や気持ちを、音楽があたたかく包み込んでくれて、抱きしめられている感覚になった。

その音楽の優しさに、自然と涙が溢れてきて、毎日泣いていた。心が苦しいと、こんなにも涙が出るんだと自分でもびっくりした。

当時の私が自分の気持ちに素直になれる時間は、音楽を聴いている時だけだった。

辛い、苦しい、怖い、この気持ちを溶かしてくれた。「今日も頑張ったね、お疲れさま!」と言われているよう気がした。繊細で優しい音楽に何度も救われていた。

今でも、不安を感じる時はBGMを聴いている。音楽にじっくり耳を傾けていると、不安に染められている心が落ち着いていくのがわかる。

だから、いつか不安な夜を過ごす方に、気持ちが落ち着く、安心できるBGMをつくることができたらいいなぁ、と作曲の勉強を始めたのである。




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