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オリジナル小説「アスタラビスタ」

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人を殺めようとした紅羽を止めたのは、憑依者と呼ばれる特殊体質の男だった。キャラが憑依し合うヴィジュアル小説!
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#投げ銭

アスタラビスタ 7話part1

アスタラビスタ 7話part1

「遅かったじゃん! おみおみ~!」

 道場の真ん中で大きく手を振る赤毛の彼女は、先日と変わらず元気な様子だった。隣にいる晃は、申し訳なさそうにこちらへ頭を下げた。

 彼らへと歩みを早める雅臣は、明らかに不機嫌そうだった。

「俺たちよりも先に予約を取ったのは、お前らだったのか」
 雅臣の口調は、もはや怒りに近かった。

「そうよ。私たちが貸し切りで予約を取ったの。本当は晃と憑依時の確認をしよう

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アスタラビスタ 3話 part6

アスタラビスタ 3話 part6

「ここは区営体育館だ。武道場は地下一階。第一武道場は畳だから、俺たちは板張りの第二武道場を一般公開で使う」

 雅臣と私が訪れたのは、彼らのマンションからほど近いところにある区営体育館だった。とても新しいとは言えず、外壁は所々剥がれていたが、温水プールもあり、設備は充分整えられているようだった。

「い、一般公開ってなんですか?」

「要するに団体貸し切りじゃないってことだ。この券売機で券を買えば

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アスタラビスタ 3話 part5

アスタラビスタ 3話 part5

 手に持っていた書類を机に置き、立ち上がった雅臣は清水を見下ろして言った。

「清水。疲れてるところ悪いが、圭と一緒に組織まで行って、薙刀と防具を持って来てくれないか?」

 頼まれた清水は口を開けたまま「う、うん」と頷いた。しかし、返事はしたものの首を傾げ、雅臣が何を考えているのか理解しきれていないようだった。

 私も何が起きているのか分からなかった。突然で脈絡もなく、察することもできない。す

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アスタラビスタ 3話 part4

アスタラビスタ 3話 part4

「ただいま。紅羽連れてきたぞ!」

 結局私は彼らのマンションへと来てしまった。

 圭は履いていたスニーカーを乱暴に脱ぎ捨て、部屋の中へと入って行った。私も続いて靴を脱ぐ。屈んで自分の靴を揃えると、脱ぎ捨てた圭のスニーカーが目に入った。靴が玄関に散らばっているのを知っていて、このまま部屋の中へ入っては、私の品格が問われるような気がした。仕方なく奴の靴に手を伸ばす。触ると生温かかった。

 気持ち

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アスタラビスタ 3話 part3

アスタラビスタ 3話 part3

 大学に面した大通りを、私たちは並んで歩いていた。圭は大学の正門を出てすぐに私の腕から手を離し、私に歩調を合わせた。

 大通りのどこからか、クラクションの音がする。鳴り止まない車の走行音をうるさく感じるようになったのは、つい最近だ。昔は雑音に耳を傾ける暇も余裕もなかった。だが今の私は、まるで感覚が敏感になっているかのように、昔見えなかったもの、聞こえなかったものを感じるようになった。

 それが

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アスタラビスタ 3話 part2

アスタラビスタ 3話 part2

「圭……?」

 笑顔で大げさに手を振っているのは明らかに圭だった。病的なまでに痩せている身体。深緑色のシャツから覗く、浮き出た鎖骨。小柄な身長。なぜ彼がここにいるのか見当もつかなかった。

 私は何も悪いことはしていない。ただ大学に来て講義を受け、帰宅しようとしていただけ。なのに彼と遭遇してしまったことに焦りを感じた。

「一緒に帰ろうぜ!」

 圭は正門から私に叫ぶ。大きな声とその目立つ身振り

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アスタラビスタ 1話 part7 1話完結

アスタラビスタ 1話 part7 1話完結

 静けさに包まれる。胸の上に手を置くと、もう動悸は治まっていた。自分の身体なのに、なぜ自分の意思でコントロールできないのか。まるで誰かに身体を支配されているかのようだ。

「俺の電話番号とメールアドレスを書いておいたから、何かあったらいつでも連絡して。夜中でも大丈夫だから。遠慮しなくていい」

 リビングから彼の声がした。電話番号とメールアドレスという単語を聞いて、私は驚いた。どうして私に教えるの

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