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ローマの日々 [Daily Romans]

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ローマ人への手紙を日々少しずつ、ゆっくり味わい、瞑想する旅をします。
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#ローマ人への手紙

8.ローマ 1:5 恵みを受ける

8.ローマ 1:5 恵みを受ける

贖われ、イエス・キリストを主と告白し、さらには神の福音を宣べ伝えるために召されたパウロは、非常にはっきり、すべての民族にこの神の福音を伝えなければならないと理解していたのです。

パウロが本当に恵みを自覚していたのは、自分が使徒として召されるには決してふさわしい者ではないと分かっていたからです。それは、パウロが以前はキリストの教会を迫害していたからでした。

そんな人物が、神に愛されるなどというこ

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7.ローマ1:4 神としてのイエス

7.ローマ1:4 神としてのイエス

"神の子" には二面性があります。一つは人間として、もう一つは聖なる霊としての面です。

イエスの母マリアは、身ごもる前に神の使いに告げられていたことがありました。「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。それゆえ、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれます。」(ルカ1:35)

神を見る視点のある人だけが、イエスの完全な神性を見ることができるのです。「神を見る視点のある人」とは

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6.ローマ 1:3 神の子

6.ローマ 1:3 神の子

神の約束のすごいところは、この世に対して神が「神の子」を与えることです。もしそれが神ご自身の約束ではないなら、起こり得ないことです。

確かなことは、人間が神に対してそれを求めたのではない、ということ。神が定めていたのは、ダビデの子孫としてこの世に生まれてくる子が神の子だ、ということでした。

人間の側からすると、至高で至聖の神が肉の弱さを持つ人間になるなど、ありえないと思ってしまいます。もちろん

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5.ローマ 1:2b 預言者と聖書

5.ローマ 1:2b 預言者と聖書

どうしたら、神の約束を知ることができるでしょうか?

神ご自身が御心を明らかにしてくださったのは預言者を介してでした。その経緯も含めて証として文書にまとめられたのでした。イスラエルが預言の内容の真実さを、実際に起きたことを見ながら検証できるためです。特に、神の民についての預言が本当だったかどうかが明らかになるように、でした。

聖書を信じる、というとき、盲信してはいけないし、歴史上の出来事から預言

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4.ローマ 1:2 約束された福音

4.ローマ 1:2 約束された福音

パウロは自己紹介でイエス・キリストのしもべ、次に神の福音をのべ伝えるために召されて選び出された、と言いました。福音(ふくいん)とはどういう意味でしょうか?もしその意味がはっきりしないままでは、福音にふさわしい生き方もできません。

"福音" の意味は、 ”良い知らせ”。その内容があらかじめ神によって約束されていたことでした。

良い知らせとして伝えられた事柄は、たまたま起きたものなどではなく、神が

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3.パウロ、福音を伝えるために選び出された 1:1c

3.パウロ、福音を伝えるために選び出された 1:1c

パウロの自己紹介の3つ目は、(原典では)「神の福音のために選び出され」です。

選び出された、というのは、他とは区別された、他とは違う者という意味。

他のものとは全く違う神に召しだされたのですから、パウロ自身、他の人たちとは違う点があって当然。何が違っていたかといえば、なにより、キリストに属する者とされていたのと、さらに、生きる目的が、神の福音を伝えるために特別に備えられた使徒だ、ということです

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2.ローマ 1:1b パウロ、召されて使徒となった

2.ローマ 1:1b パウロ、召されて使徒となった

パウロの二つ目の自己紹介は、「使徒として召された」です。(原典の語順に従っています)

イエス・キリストがパウロに現れた時、パウロがイエスを呼び出したのではなく、イエスご自身がパウロに呼びかけたのでした。そのあとで、アナニヤが主の命を伝えに遣わされます。パウロが悔い改めてイエス・キリストと御言葉を信じ、バプテスマを受けるためでした。 (使徒9:1-19; 22:3-16; 26:9-18).

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ローマの日々 第 I 部 (1) 序

ローマの日々 第 I 部 (1) 序

第I部 [1:1-17]「福音の信仰による義人は生きる」
(1) 1:1-7 あいさつ・福音の核心

パウロの「ローマ人への手紙」は、ローマに住んでいる「聖徒たち」に向けて書かれたものです。

第一部は、この手紙が書かれた目的と手紙全体のテーマが簡略にまとめられています。すべての人が神と共にいきいきと生きるために神ご自身がなさったキリストの贖いを伝えている手紙。

当時の手紙の書式に従って書き始

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”ローマ”の日々

”ローマ”の日々

ローマ人への手紙は、新約聖書の中でパウロ書簡の最初に置かれているとおり、クリスチャン生活にとって非常に重要なものです。私たちがキリストの大命令に従って、すべて命じられたことを行うためにも、基本的な理解を持つ必要があります。

手紙の第 I 部(1章1-17節)は、この手紙のテーマと目的を提示している部分です。ハバクク書からの引用で「義人は信仰によって生きる」を基本的な土台として、ユダヤ人を始めギリ

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