マガジンのカバー画像

【特集】詩人グレース・ヒバード

15
19世紀末から20世紀初頭に活躍した、アメリカの女性詩人グレース・ヒバードにまつわる作品をまとめたマガジンです。
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

【翻訳】詩人グレース・ヒバード その2 ~日本の蝶々の唄~

【翻訳】詩人グレース・ヒバード その2 ~日本の蝶々の唄~

日本の蝶の唄
Japanese butterfly song

死を経て私は
白い翅の蝶に生まれ変わる、
 我が花嫁ティスィは星のよう。
きゃしゃな翅では昇れそうにない
 桜の上にひろがる空までも
 このままなら、美しいティスィのもとにも。

もしも私が星なら、
風吹く空を敏速の翅で舞い上がり
 こちらに来てくれようか。
もしも私が小さな白い雲なら、
我が花嫁を隠せるだろうに
 見上げる者たちの目

もっとみる
【翻訳】詩人グレース・ヒバード その1 ~異教の少女、太陽に祈る~

【翻訳】詩人グレース・ヒバード その1 ~異教の少女、太陽に祈る~

異教の少女、太陽に祈る
A Pagan Girl's Prayer to the Sun

(紀元前500年のこと)

太陽よ、我が民が幾年も崇めてきた御神よ。
今や海に沈みそうになるも
空にとどまる赤き火の球、
そのままであらんことを、我が祈りをお聞きになるために。

闇の地を光で照らし、
花、虹に色彩をもたらし、
あふれんばかりの光で
蓮の杯を充たされるお方よ、我が悲しみを聞きたまえ。

輝け

もっとみる
【祝・生誕187年】グレース・ヒバード アメリカを西漸・横断した女性詩人

【祝・生誕187年】グレース・ヒバード アメリカを西漸・横断した女性詩人

皆様、ごきげんよう。弾青娥です。

女性詩人ローレンス・ホープの翻訳を数々投稿する日々が続いております。が、そのなかで、著作が和訳されていない英語圏の女性詩人を新たに探してみたいと思い、徒然なるままにWikipediaで探してみたところ、幸運にも、グレース・ヒバード(Grace Hibbard)という女性詩人を知るにいたりました。

その著作をInternet Archiveでささっと読んでみたと

もっとみる