弁護士との作戦会議
夫から離婚したい理由と婚姻費用を請求する理由についての書面が上がってきて、事実関係確認のために、反論をまとめて弁護士に送り返した。
夫からの言い分と、私の反論を見た弁護士は「とりあえず、奥さんは“離婚を望んでいない”“ダンナさんが出ていってしまって困っている”というスタンスで調停に臨んだ方が良いと思う」と提案してきた。私は「それで勝てるのであれば、お任せする」と、その提案を飲むことになった。
まずは、離婚するにしても、夫が有責配偶者だということを調停員に認めてもらうことが重要だという。
有責配偶者とは、婚姻関係が破たんする原因をつくった責任のある配偶者のことだ。今回、夫が失踪したので、夫の同居義務違反を指摘し、これをもって有責配偶者であると調停員に訴える。
有責配偶者は婚姻費用を求めることができないので、これを認めてもらうと今後の戦い方がだいぶ変わってくることになる。
婚姻費用を棄却できれば、支出額を抑えることができるため、調停を長引かせることができるからだ。
弁護士は「ダンナさんが婚姻費用を請求してくるということは、金銭的に困っていると推察される。調停を長引かせたら根を上げて訴えを取り下げてくるだろう」という、兵糧攻め作戦でいくという。
原則的に、有責配偶者から離婚を請求することはできないということになっているので、今のところ、私のほうからも離婚の意思を示しさえしなければ、婚姻関係が維持されたままになるだろうとのこと。
こちらが「離婚するつもりはない」と言って時間を稼ぎつつ、婚姻費用を請求して来た根拠(夫の収入や、夫が立ち上げて代表取締役社長をしている会社の経営状況などの資産状況)をしっかり精査し、相手の出方を見ながら戦っていくことになった。
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