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医療大麻ってどうなの?【内科専門医が解説】

その人の好きなものや生活スタイル、食事や趣味まで。できるだけその人をたくさん知る。そして病気ではなく、その『人』を診る。現代の日本のような”治療=西洋医学”ではなく、自身の自然治癒力を高める栄養療法なども用いた【バランスメディカル】の重要性を伝える『病気にさせない内科医』るり先生。問診や血液検査などにより疾患の原因を追究し、その原因に対する根本的治療を行っている。2021年から栄養療法を開始 ライナスポーリング博士の提唱する分子整合栄養医学を医療に取り入れた観点からのバランスメディカルを展開する。がんや糖尿病、リウマチ疾患、精神疾患まで幅広い患者を治療している。

今日はよく聞かれる医療大麻について、
医師の立場から解説したいと思います。


まずポイントは、
昨年12月に法律が改正されたこと。

75年ぶりの法律改正

これまでの法律(大麻取締法)が
一部緩和され、一部が強化された形です。
緩和されたのが、医療や産業目的の大麻の使用。
強化されたのが、嗜好目的の大麻の使用。

医療目的の大麻の利用が緩和されたことで、
国内でCBD成分の医薬品が使用可能になりました。

一方で嗜好品としての使用は【麻薬及び向精神薬取締法】において、取締られるようになりました。

『麻薬ってそもそもなに?』とあまり区別がついていない人も多いと思うので、麻薬を取り締まる法律を以下にまとめました✍🏻

ダメ絶対!とされる覚醒剤やその他のドラッグ。
このように少しずつ取り締まられる法律が異なります。
覚醒剤。あへんのケシや大麻草など植物から作られるものが多いですが、覚醒剤はメタンフェタミンなどの化学物質を基に人工的に作られているもの。
覚せい剤は戦時中、軍需工場労働者の疲労防止や特攻隊員へ「ヒロポン」の名で売られていたことも日本人としては知っておいた方がいい事実かもしれないですね。

Wikipediaより


医療用麻薬はどこに入るのか。
4番目の【麻薬及び向精神薬取扱法】に含まれます。医師なら誰でも麻薬を処方できるのわけではありません⚠️。医師がモルヒネなどの「医療用麻薬」を処方するには、都道府県知事の許可である【麻薬施用者免許】が必要で、私も取得し、麻薬を処方していました。

医師の中でも、これらの法律をしっかり理解している人、また覚醒剤と麻薬、大麻の違いを理解している人は少ない印象です。
きちんと他のドラッグなども含めたこれまでの歴史やストーリーを理解した上で、医療用麻薬についても使うべきだと思います。

話を戻して、上記の危険性を比較した報告が以下。

ここで見逃してはいけない、かつ心に留めないといけないのは現代規制されていないアルコールやタバコが先ほど登場したものたちよりも、危険であるという結果。
アルコール….ぶっちぎりですね。

ダメ絶対!なものはダメ絶対。

しかしそれ以外に規制はされていなくても、
身体に害を及ぼすものがすぐ身近にあることを
忘れないようにしないといけないと思います。

アルコールやタバコ
添加物だってそう。
規制されてないけど危険なものはたくさんです。

CBDブーム

日本でもここ最近百貨店などでもCBD製品を見るようになりましたよね。
そんなCBDブームのきっかけは2017年にWHOが「CBDは乱用、あるいは依存可能性を示唆する作用を示さない」と、安全性を認めたことが大きな要因でしょう。
その頃から、研究は急激に進み、このような法律の改正や緩和が世界中で進みました。
海外の学会でもCBDの話題はかなり多いです。会場も満席。いつも注目度の高さを感じます。

世界最大アンチエイジング学会(A4M)にて

日本でも、医療目的の大麻の使用が緩和されたことはかなり前進した点だと思います。(世界的に見れば、まだまだ遅れてはいますが)

以前からCBDの有用性は、私個人も講演会や勉強会などでもこのような海外での知見も踏まえて伝えており、実際に患者さんにも使用していますが、とても良い効果を出しています。💯  

CBDの有用性

医療目的の大麻の使用が緩和され、まずは難治性てんかんの治療薬であるエピディオレックスの使用が始まるでしょう。この薬については、5歳のシャーロットちゃんが有名です。
TEDでのプレゼンもご覧ください(https://youtu.be/ciQ4ErmhO7g?si=zXUTxJg0GWJyJX7B)

CBDの作用機序にはまだまだ不明の点も多いのですが、身体の中のエンドカンナビノイドシステムを整える働きがあります。

このシステムは食欲、痛み、免疫調整、気持ちのコントロール、運動機能、身体の成長や老化、認知と記憶などに関わっており、全身のあらゆる臓器に存在します。

このシステムが乱れると


頭痛
疲労感
筋肉の痛み
気持ちの落ち込みやイライラ
肌荒れや肌トラブル
記憶力の低下
不眠症


といった様々な症状を起こすとされています。そのためCBDの補充は、これらの症状の改善にも非常に有用でしょう。

CBDを使用すると多くの患者が麻薬系の鎮痛剤や他の鎮痛剤の使用、睡眠薬などを減らすことができたというような論文が世界では多く出てきています。

私の患者さんでは、睡眠に特に効果がある方が多いです。それこそ中には長年内服していた睡眠薬をやめられた方もおられます💯

CBDは本来身体の中にある成分(内因性カンナビノイド)であり、副作用も上手に使えば非常に少ないです。しかし元々飲んでいる薬との飲み合わせや、開始量などを間違えると、トラブルが出てくるでしょう。不安な方や初めての方は医師への相談をおすすめします✍🏻

まとめ

テレビでは様々な情報が流れています。
正しい知識は、自分で取りにいかないと入ってこない時代になっています。
正しい知識を持って、正しく怖がり、有用なものを正しく使っていきましょう。

今回は法律面の辺りを重点に記載しましたが、またCBDについての詳しい話も今度記載しますね👩🏼‍⚕️

悩みに応じて、どのように使うのが良いのかなど
気になる方は気軽に聞いてください✍🏻🤍

Have a nice day🤍

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