Dried98

大学院博士課程中退の猫の下僕。 防災関係が専門だったはずなのに、いつの間にか教育・学習…

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大学院博士課程中退の猫の下僕。 防災関係が専門だったはずなのに、いつの間にか教育・学習支援関係に転身。#教育情報化 #EdTech に興味ある "教育の素人"な"教育愛好家"

最近の記事

学校教育関係者のためのAI×教育(5)+α

前回(4)までは、ユネスコ資料を中心に、AIについての簡単な知識と論考をまとめていきました。 今回の(5)から、『AIと教育を理解する:新たな実践と利得-リスク評価』という、ユネスコ資料の第3章を中心とした本題へと入ります。 1.「AIと教育を理解する」第3章の冒頭では、教育現場へのAIの導入の歴史がさらっと書かれてあります。 私も(1)〜(4)で、既に現在の日本の学校教育現場には、知らず知らずのうちに、AIを活用したサービスが導入されている旨を記しました。 ※ユネスコ資

    • AIと教育に関する北京コンセンサス(2019)

      はじめに「北京コンセンサス」とは、2019年に北京で開催された、UNESCOの国際会議で示されたものです。 ChatGPTなど生成AIについて、日本政府は、2023年5月11に『AI戦略会議』を開催しました(初回なんで顔合わせを兼ねて僅か40分!) この中で、教育に関して申せば、どうも(閣僚はもとより、自民党PTや内閣府などは、)UNESCO(2021)の「AIと教育」に関するこの3観点をご存知ないのではないか?というくらいに時代遅れで低質な話を議題の一つに持ち出しているよ

      • 学校教育関係者のためのAI×教育(4)

        前回(3)、前々回(2)と、ユネスコ資料の中で、「AI とはなにか?」を知るための第2章について述べていきました。 今回は、第2章後半の内容(下の目次の2.4〜2.7まで)について述べていきます。前回、第2章の前半を記した(3)はこちら。 資料の目次はこちら。 0. 前説(シンギュラリティとは?)AI というと、 「人間にとって置き換わる機械」 「人間を滅ぼす可能性のある機械」 「人間を堕落させる機械」 といった話が、日本国民には幼い頃より、漫画やアニメ、SF小説やSF映

        • 学校教育関係者のためのAI×教育(3)

          (2)では、UNSECOの資料の第1章『はじめに』と第2章の『政策担当者のためのAIエッセンス』のうち、2.1『AIの学際的性質』を紹介しました。今回は、第2章を2.2から、さらに読み進めます。 1.『AI技術についての簡単な説明』第2章は、『AI技術についての簡単な説明』(AIとはなにか)です。 社会の各業界には、それぞれの専門用語があります。AIに関しても、 研究ーITエンジニア業界の用語がふんだんに出てきます。 教育政策担当者や学校教育関係者が「AIの専門性が深い」

        学校教育関係者のためのAI×教育(5)+α

          学校教育関係者のための AI×教育(2)

          (1)でお伝えしたように、 UNESCO(2021)の、 https://unesdoc.unesco.org/ark:/48223/pf0000376709 こちらの資料。 目次はというと、和訳(仮訳)するとこんな感じです。(長いです) まずは、「1. はじめに」ですが、書き初めは、懸念から始まっています。 1. AIと日本の学校教育での最近の流れスマートフォンのパーソナルアシスタント(Siriとか、OK Googleとか)や、カスタマーサポートのチャットボット、娯楽

          学校教育関係者のための AI×教育(2)

          学校教育関係者のための AI×教育(1)

          はじめに2023年の2月頃から、 「ChatGPTの登場による学校教育への影響」 「ChatGPT使って授業しちゃうぜ」 といった話が、SNS上で、学校なり教員界隈でチラホラ出て参りました。 さらには、3月・4月に入りますと、大学においても 「学生の皆さんへ」 ということで、発表が続々と出され、 「ChatGPTと適切にお付き合いしましょう」 「あん?ChatGPT使ったらあきまへんで」 などと、マスコミに取り上げられるようになりました。 学校教育関係者にも、様々な意見があ

          学校教育関係者のための AI×教育(1)

          「ごんぎつね」で煮た何かはなにか?

          はじめに7月30日は、「権狐」(ごんぎつね)の原作者、新美南吉の109回目の誕生日でした。 新美南吉研究で有名である愛知県半田市の「新美南吉記念館」では、お祝いの行事が開催されたようです。 奇しくも、そんな日に、Twitter界では「ごんぎつね」がトレンド入り。 きっかけは、次の文春さんの記事でした。 新美南吉は、29歳で咽頭結核が原因で夭逝するのですが、臨終の間際に、 と語ったとのこと。 奇しくも、誕生日にTwitterにおいて、さまざまな解釈が飛び交いました。 「ご

          「ごんぎつね」で煮た何かはなにか?

          STEAM化ごんぎつねーごん生存ー復刻

          小学校4年生の国語で習う、国民的物語「ごんぎつね」。 兵十氏が「ごん」を火縄銃で撃ち Bad End で終わる悲哀なストーリーで… という感覚に陥りがちとなりますが、よく読んで見ましょうね。 こだわりの「ごんぎつね」ラストシーン。 (フルストーリーを読みたい方は、青空文庫でどうぞ。こちら) ラストシーンの描写は、 「ごん」が撃たれる    ←記述されている 兵十氏が「火薬を詰めた」 ←までは記述されている ですが、 「弾を込めた」 とは、一言も書いてないんですよ! です

          STEAM化ごんぎつねーごん生存ー復刻

          学校教員のための「教育DX」のお話

          ちらほら聞こえてきた、「教育DX」という言葉。 私ごときのどこの馬骨で、ごんぎつね好きなおっさんが語るのも、誠に誠におこがましいことなのですが、「教育DX」についてお伝えいたしたく。 8,000字超えた駄文となりますが、お付き合いください。 ちなみに、記事のトップに使用した図の元は経団連の『学びのDX』です。 直近ですと、「教育DX」について話を聴ける(無料の)機会は… なんだか、リンクの連携(Facebook側に問題あり?)が上手くいかないので、画像を貼っておきますが

          学校教員のための「教育DX」のお話

          【ルールメイキングPJの現状に感じる危惧】

          経済産業省『未来の教室』事業とNPOカタリバと「note」が連携して、 #みらいの校則 というキャンペーンを始めた。 (このルールメイキング Project には賛成なのだが、課題を感じたので、やや辛口で、問題提起したい。このProjectが成功するためにも) 1.そもそもの主意 「学校の校則を自発的に考えてもらおうよ」 という話が、そもそもに始まった理由は、 「『おかしいと思ったことは考えて、自分たちで良くして行こう』ということができない児童生徒が増えている。ルールメ

          【ルールメイキングPJの現状に感じる危惧】

          ごんぎつね朗読 沖縄語ver.

           そろそろ、小学4年生では、国語の授業で「ごんぎつね」を学習します。 学習する際には、なぜだか「朗読」が課されます。  おそらく、標準語で読むのでしょうが、日本は各地に「方言」が存在します。 「方言で『ごんぎつね』を読んだら、どうなるのだろう?」 ということを思いつきまして、方言変換してみます。  方言変換に関しては、「恋する方言変換」さまを利用したしました。 原文は、こちら。 「ごんぎつね」の舞台となっている、愛知県半田市立岩滑(やなべ)小学校のページです。 では、ぐん

          ごんぎつね朗読 沖縄語ver.

          終わる世界?

          コロナ禍で、休校や、変則的な分散登校やら、学校も大変のようです。 本日は首相も小学校訪問とか。 GIGAスクール構想で、家庭への端末持ち帰りも学校設置者(公立学校の場合、お住まいの市町村区の教育委員会)によって、対応は様々なようで。 できましたら、「持ち帰り前提」での対応をお願いしたいものです。 なんてことを思っておりましたらね、なぜだか、某アニメの某シーンを想起しちゃいまして…。 文科省(CV:三石琴乃) 「いい、教育委員会君。ここから先はもうあなた一人よ。全て一人で

          終わる世界?

          「現代的諸課題と『ごんぎつね』」

          ちょっと本日は短めに。 「社会に開かれた教育課程」というものを実現しようね、というのが、現行・移行の学習指導要領なわけですが、実際に「ごんぎつね」のシーンにあるものを、現代に置換したらどうなるかを考えると、実社会と連携した学習になるのかな?と思います。  ちなみに「ごんぎつね」は様々な示唆に富みます。  関係する法律はなにか、その対応・相談をする連絡先、事務手続きはいかにするか。  児童生徒向けのみならず、大人向けに考えてみると、いやはや、とんでもなく深い話になりそうです

          「現代的諸課題と『ごんぎつね』」

          中華人民共和国の教育産業規制について

          昨日あたりから騒がれ始めていた、中国でのEdTech含む、教育産業規制の話。新華社が出したので、和訳っぽくしてみた。 日本の教育業界、教育・学習支援産業も見習うべきところもあるよなぁと(学校の出す無意味な宿題規制、怪しげな業者排除、科学的な論拠のある教育っていう点は特に) シェアしたい方は、勝手にどうぞ。 原題: 中国共産党中央委員会総局と国務院総局が「義務教育段階の学生の宿題と校外学習の負担をさらに軽減することに関する意見」を発表 先日、中国共産党中央委員会総局と国務

          中華人民共和国の教育産業規制について

          「1800の顧客、100万の顧客、1000万以上の顧客」

          昨日(2021/6/19)の「学びの個別最適化を考える1日」イベント。 個別最適化とは?という定義をすることが目的ではなく(学術的や商用的、世界各国の教育行政においても、様々な定義なり考え方があるので…)、その周辺に存在する、現在の教育行政の流れから、どう「個別最適化」の近未来を考えるか?というイベントでした。  昔取杵柄の業者視点でも拝聴していると、新規ビジネスのネタが、いろいろと思い浮かぶ7時間の超ロングランのイベントでした。 【感想1】  気になった点は、教育再生実

          「1800の顧客、100万の顧客、1000万以上の顧客」

          OECD Digital Education Outlook 2021 Highlights

           2021.06.08. にPISAでお馴染み、OECD Education から、上記のような書籍が公表されました。  日本円で¥5,800-。おそらく日本で最も早く英語版を購入したかも、私。  ただいま、読み進めておりますが、このCOVID19禍での世界での教育デジタル化の動きや、いかにして EdTech を学校教育に組み込んでいくのか、2030年に至る、Digitalisation × School Education を考えるための良書です。  今回は、AI(人工知能

          OECD Digital Education Outlook 2021 Highlights