「現代的諸課題と『ごんぎつね』」
ちょっと本日は短めに。
「社会に開かれた教育課程」というものを実現しようね、というのが、現行・移行の学習指導要領なわけですが、実際に「ごんぎつね」のシーンにあるものを、現代に置換したらどうなるかを考えると、実社会と連携した学習になるのかな?と思います。
ちなみに「ごんぎつね」は様々な示唆に富みます。
関係する法律はなにか、その対応・相談をする連絡先、事務手続きはいかにするか。
児童生徒向けのみならず、大人向けに考えてみると、いやはや、とんでもなく深い話になりそうです。
1. 住宅地で野生のキツネを見かけたらどうするか
・自治体へ通報
・鳥獣保護管理法(環境省)保護対象のため駆除はできない
・エキノコックスなどの観点(厚労省)(保健所)
2.キツネが耕作地やゴミを荒らしているがどうすれば良いのか
・自治体/保健所などへ連絡
・鳥獣保護管理法(環境省)
・鳥獣被害防止特措法(農林水産省)
3.河川で網を使った漁法で魚を取りたい
・水産資源保護法
・都道府県内水面漁業調整規則
・内水面漁場管理委員会による指示
・第5種共同漁業権と遊漁規則
4.葬儀について
・不審死の場合、警察へ連絡
・死亡診断書の発行手続
・自治体への死亡届など
・葬儀の手配
・金融機関などへの届け出
・相続に関する話(税務署などへ)
5.物品(いわし)の販売・および窃盗/冤罪/傷害について
<販売>
・食品衛生法により、いわしを売る場合、魚介類販売業の許可が必要。
(魚介類の行商販売は「店舗を設け」ていないので、魚介類販売業に該当しませんが、別途条例に基づく、魚介類等行商の許可が必要)
<窃盗・傷害>
・警察への通報
・被害届
・裁判
6.身に覚えの無い不審物(栗・マツタケ)の取り扱い
・特定商取引法
・不審物/拾得物として警察署への通報
・消費者相談センターなどへの相談
(送りつけ商法などの詐欺の疑いもある)
※令和3年7月6日に改正法施行です。詳しくは下記。
7.宗教勧誘への対処
・「神さまの仕業だよ」(by:加助)だけでは宗教法的には違法
とは言えない。そこから加助が母を亡くし、身に覚えの無い
不審物に対して精神的に不安定な兵十に何らかの勧誘活動を
執拗に繰り返した場合、違法性が問われかねない。
・警察/弁護士への相談
8.銃の所持について
・銃刀法(警察庁)
・鳥獣保護管理法(環境省)
・鳥獣被害防止特措法(農林水産省)
9-1.野生動物の遺体の処理(ごんが死んだ場合)
・自治体/保健所へ連絡
・猟銃使用での捕獲の場合、鳥獣保護管理法違反など
9-2.野生動物の捕獲・飼育(ごんが生存している場合)
・鳥獣保護管理法(環境省)
・動物愛護管理法(環境省)
・都道府県知事許可
いろいろと出てきますね。
今後、過疎化による里山の植生の変化などにより、地方部においては野生動物との共存のために知っておかなくてはならない話ともなりそうで、環境に関わる法律や条例自体も「STEAM化」の中に含まれることでしょう、
という話になりそうです。
調べ学習にも最適ですし、里山保全、自然動物との共生社会、なんて、今、バズってる、SDGs や ESD にも、「現代的諸課題」として繋げることもできそうです。
『ごんぎつね』Extendな話としても、非常に面白そうだなと。
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