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母の泣く顔が辛かった幼少期の話

父はすごい浮気症で
新婚時代から 既に愛人がいたそうです。

妻である母は当然怒るし、父を責めますが...
ずっと暴力で抑え込まれていました。

今でこそ DVという言葉も出てきて
世間でも色々と救済の手が差し伸べられますが

あの頃は 放置されている時代でした。

母は、階段の下に座って泣いていました。
両手で顔を覆い、エーンエーンと子供みたいに。

ただ悲しくて泣いているのか、
父に階段から突き落とされた後なのか知れず。

幼かった私は理由もわからずに、
泣いている母の側に行って 頭を撫でました。
友達にするみたいに、ヨシヨシと言いながら。

「外へ出て話ししようや!!」

父がそう言って、夜遅く母を家から連れ出すと
私は母が帰ってくるまで心配で仕方がなく、
ずっとゴクンゴクン唾を飲み込んでいました。

2つ上の姉は、普通にテレビを見ていました。
「キーハンター」という番組を
メロンパンをかじりながら見ていました。
「食べへん?」と言って 半分ちぎり
私に差し出してくれても、そんな気分じゃなく
私は母が帰るのをひたすら待ち続けてました。

その頃の私の願いは ただ一つ。

お母さんが殴られませんように

幼稚園でする七夕の行事でも、私はその願いを短冊にピンクのクレヨンで必死に書きました。
今だったら児童相談所に通告されます(笑)

幼稚園に行きたくなかった理由の一つに
そういうのもあったのかな、と思います。

行って 帰ってきて 母に会えるのが
小さい頃は 奇跡のように感じてました。

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