最近の記事
Beyond the Verbal Communication|妄想の脳内世界をダイレクトに描き出す。鈴木友唯の非言語コミュニケーション
ここ数年、「言語化」という言葉をよく目にする。まるで現代社会において、“思考を言語化すること”が必須スキルのように声高に語られている。自分の思考を言語化できないやつは思考が浅い、物事をインプットするための感受性が弱い、自分の想いを人に伝える能力が低い、というような。面白い映画を見たときに、それを「言語化」することで、その感動を自分のものにする。理不尽な扱いを受けたときに、それを「言語化」することで、怒りの理由を受け入れる。もちろんそれは必要とまでは言わないけど、あったら便利
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Toward the Other Side of Stereotype. Gender Action Series:Vol.1 Yuka Yamaguchi | いつもなじめない女、山口祐果の数奇な運命
「多様性と調和」をコンセプトに掲げ、「世界中の人々が多様性と調和の重要性を改めて認識し、共生社会をはぐくむ契機となるような大会」となる予定である東京2020。 しかしながら、世界経済フォーラム(World Economic Forum/WEF)が公表している「ジェンダーギャップ指数」を見てみると、日本のランキングは153カ国中121位。男女の格差の大きさが数値化され、ランキングになると、本当にこの国は「先進国なのか」と首を傾げたくもなる。いや、首を傾げてるのは男性だけで、
In our blood, it runs. : DRAWING AND MANUAL Local Action Series: vol.2 Kosuke Nakaya | 地+血+知
第二次安倍内閣発足後の2015年、アベノミクスの一環として掲げられた施策のスローガン「地方創生」。よく耳にするけれど、どういうことかと訊かれると具体的な返答に困る、人もいるのでは。 日本が直面する「人口減少」「過疎化」「少子高齢化」。日本の人口は2060年には1億人を割る8674万人になると言われており(2020年4月統計では1億2596万人、前年より30万人減少)、その影響で地域経済は縮小、2040年までに全国で計896の自治体が消滅すると言われています。反して、東京の人口
DRAWING AND MANUAL Local Action series vo.1 : Yuichiro Fujishiro | LOCOVISION #01 後編
DRAWING AND MANUAL所属ディレクター藤代雄一朗が企画・ナビゲートする地方創生トークイベント「LOCOVISION」。2020年7月に行われた第一回のイベント書き起こしの後編です。(前編はこちら / 中編はこちら) 目次 「地域とお金」 「地域に必要な映像」 「いま地域に必要な映像とは?」 LOCOVISIONを始めたきっかけ 質疑応答 「地域とお金」 「地域に必要な映像」 藤代:ありがとうございます。時間もですがそのままいっちゃいましょうかね。この後の2つ
DRAWING AND MANUAL Local Action Series: vol.1 Yuichiro Fujishiro | LOCOVISION #01 中編
DRAWING AND MANUAL所属ディレクター藤代雄一朗が企画・ナビゲートする地方創生トークイベント「LOCOVISION」。2020年7月に行われた第一回のイベント書き起こしの中編です。(前編はこちら) 中編:目次 「旅シリーズ」 「ディレクターとクリエイティブ・ディレクターの出会い」 鎌田さんからみる映像ディレクターとしての柘植さん 「残る作品、感動の共有」 「旅シリーズ」藤代:次の話題の「旅シリーズ」って書かせてもらっているところのお話も。今、柘植さんお話しし
DRAWING AND MANUAL Local Action Series: vol.1 Yuichiro Fujishiro | LOCOVISION #01 前編
DRAWING AND MANUALでは、『「つくる」、のその先へ』をタグラインに、日々のクリエイティブワークで得た知見の共有、疑問の探究を、自社で運営するマルチスペース「FACTORY」で開催するトークイベントや、金沢ブランチから展開する「RE·D」というブランドの商品・サービス開発など、様々な角度で発信しています。 その活動の一つ、「地域の情報発信」という切り口で、様々なコンテンツの作り手に話を訊いていくというコンセプトの元、所属ディレクター藤代雄一朗が企画・ナビゲート
Louder Than Words : DRAWING AND MANUAL Documentary Series vol.2 Masaki Miyamoto 後編 | 観ること、感じること
いわゆるマイノリティと呼ばれる人たちを撮影し、映像に映し出すことで光を当てることをライフワークとしている宮本正樹の仕事について訊く、DRAWING AND MANUAL ドキュメンタリーシリーズ 第二弾、後編です。 (前編はこちら) クライアントワークからプライベートワークへ 宮本は、クライアントワークにおいては監督だけではなく、取材や事前交渉、ロケーションコーデディネートからスタッフィングまで、いわゆる「制作業務」全般を行う希有な監督である。その分、クライアントワーク
Louder Than Words : DRAWING AND MANUAL Documentary Series vol.2 Masaki Miyamoto 前編 | 語ること、語らせること
突然ですが、青年期の私のドキュメンタリー体験といえば、「ザ・ノンフィクション」。それまでの日本のドキュメンタリーは歴史的事象や人物、事件や事故を追う分析系が主流で、2000年以降に始まる「プロジェクトX」や「情熱大陸」といったいわゆる現場系ドキュメンタリーへの潮流となります。その狭間、1995年に始まった「ザ・ノンフィクション」は主題は同じくしているものの、毛色の異なる、いわゆる日の当たらない社会の歪みで生きる人たちの生活を、日曜の昼過ぎに淡々と流していました。そこには当たり
286 games, 850 hours, 60TB and 1 camera : DRAWING AND MANUAL documentary series vol.1 Kazuo Tsujimoto episode#2 見えないものを映すということ
選手の苦悩に焦点を当て厳しいプロの世界の裏側を鮮明に描き出しつつも、翌年への展望へと導いた前作「FOR REAL ー遠い、クライマックス。ー」。自身初の長編ドキュメンタリー映画制作で自らの作品の方向性を考え始めたという辻󠄀本が次作で描きたかったのは、選手ひとりひとりの心の奥。 チームの一員という気持ちで「前年から持ち越した関係値と撮影フォーマットがあったので、映画の全体像を俯瞰でみる余裕があった。2018年は今まで見せてこなかった舞台裏を見せられたので、さらに深く、今度は目
286 games, 850 hours, 60TB and 1 camera : DRAWING AND MANUAL documentary series vol.1 Kazuo Tsujimoto episode#1 超密着ドキュメンタリー
前回は、一般的になぜ今の時代に「ドキュメンタリー」という映像手法がフィットしていて、確実に共感を得るのか5つのキーワードを軸に映画作品を取り上げながらお話ししました。 今回はドローイングアンドマニュアル制作のドキュメンタリー作品を紹介するシリーズ 第一弾として、2年間286試合850時間を一台のカメラで追い、60TBをも超える素材から2つの長編ドキュメンタリー映画を完成させたディレクター 辻󠄀本和夫に超密着ドキュメンタリーの現場について訊いてみます。 辻󠄀本 和夫(つじも