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2021年8月 活動報告

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【eel & dragon】
消防団による、うな重の差し入れで始まった葉月。何ともありがたい。
写真はボケてしまっているが、味は全くもってボケてなどおらず、旨い。しかも二段ウナギになっており、最高であった。ごちそうさまです。

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そして屯所に掲示されている、団員の名前が記された木札。僕も追加していただいたのだが、こういう遊び心というか、心遣いが嬉しいよね。

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【革】
シカの皮も利活用しようということで、捕獲後には丁寧に皮剥ぎがされ、腐らないよう塩をまぶし、ある程度の量が溜まったら、なめし業者さんに送る。

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こんな感じで綺麗な革に仕上がってくるので、あとは作品に合わせて切ったり貼ったり。

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お手軽でウケが良いのが、キーホルダー。左上のオレンジのは、僕が前に作らせてもらったやつ。しかし手順の記憶が曖昧だったので、改めて教えていただくことにした。

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長方形に革を切り出して、色の違う二枚の革を貼り合わせて、

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ミリ単位で印を付けて切り込みを入れて、

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編み編みして、

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三つ編みにして、

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金具を付けたら完成。

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仕上がりは、まだまだ粗削り。フチの部分がギザギザしてたりすると悪目立ちするので、商品として出すには、完成度を高める必要がある。
基本的に僕が作っていくことになったので、解体などの仕事が無い時に、手仕事としてストックを製作していけると良いね。とりあえず数をこなして、慣れていきたい。

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【メンタリング】
メンタリング(英語:mentoring)とは、[中略] 指示や命令によらず、メンター(mentor)と呼ばれる指導者が、対話による気づきと助言により、[中略] 自発的・自律的な発達を促す方法である。 [出典:Wikipedia]

要するに、二者面談だね。
大槌町の協力隊制度は、サポート態勢を色々と考慮してくれている。月イチのメンタリングというのもその一環で、1~2時間、フランクにお話しする感じだ。
自発的に身の上話をしないタイプの僕からすると、ありがたい場である。聞かれれば普通に喋るんだけどね、困ってても人を頼れない性格は幼少期からなので、根が深い。必要な時は出さないと、と心掛けてはいるものの。

カナダ時代も福井時代も北海道時代も、捌け口がSNSやブログしか無く、思うままに書き込んでしまった結果、心証を悪くしたり事態が悪化してしまったり。という苦い経験があるのだ。良くないね。

※写真は、麺 足りん具

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【大槌ジビエソーシャルプロジェクト】
MTG、すなわち卵かけご飯が何度か。オンラインだったり、

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月イチの、リアルで顔を合わせるやつだったり。

※訂正:MTGは「ミーティング」の略であり、「卵かけご飯」はTKGでした。お詫びして訂正いたします。

結局その、大槌ジビエナントカって何なの?という声がめちゃくちゃ多い。というか、会う人みんなに聞かれるくらい、町民の皆さんにすら理解されていない。
ということもあって、簡潔に紹介する動画が作成された。僕も3変化くらいして、ちょこっと映っている。

カタカナが多いから、余計に意味がフワつくのかもね。和訳すると、大槌鹿肉補完計画、ということだよね。


【夏休み】
を10日間ほど取って、東京の実家&第二の故郷である福井県大野市和泉地区に帰省するか。
と思っていたのだが、ナントカ事態宣言の状況を鑑み、やめておくことに。結局カレンダー通りに仕事をしていた。改めて年末年始にでも、のんびり行ければ良いね。

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代わりと言っては何だが、岩手県内在住の人を対象にした、GoTo的な制度を。町内の人は、更に割引されるということなので。
と思っていたのだが、岩手県独自の緊急ナントカ宣言により、キャンペーンが中止となってしまった。改めての機会に、のんびり伺えると良いね。

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【盆火警戒】
お盆の期間中は毎晩、消防団の出動があるとのこと。
東北の文化なのか、仏壇の飾り付けなど準備をしっかりし、迎え火・送り火・そのあいだ毎日の盆火を玄関先で焚き、親戚の家々に何軒もお参りするなど、風習・伝統を残しているようだ。素晴らしいことである。

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パトロール中も、ちらほらと火が見られた。火事は無く、何より。
燃やすものも、大槌の場合は松だが、周辺の地域では違ったりするらしい。文化だね。

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【狩猟免許更新】
先月末に講習を受け、無事に新しい免状が届いた。
初めての取得は福井県、3年目の更新は東京都、そして今回6年目は岩手県で。これが無いと、密猟になってしまうよ。

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【シカ遺骸回収・処理】
田舎では、道路や用水路などで、こうして息絶えていることがある。MOMIJI代表が依頼を受けて処分することもあるようだが、今回は都合上、僕が対応することに。
ハエが数百と集り、ウジが無数に湧いて蠢き、謎の甲虫が体内からたくさん這い出てきて、顔を背けたくなるような腐臭が凄かった。これを引きずり出し軽トラに載せ、隣町の焼却施設まで運搬するわけである。
殺虫スプレーを丸々一本ぶっかけて虫を追い払うも、蛆虫くんには効かず。服や体に付いた臭いは洗濯・お風呂まで消えないし、目を閉じるとほら、あの蠢動が…

これもまた、有害鳥獣問題の一部であるわけだ。このまま野生生物の数が増えすぎたら、皆さんのお宅の玄関先とかで、こうなってるかもしれない。都市部にも進出していくかもしれないし。
環境問題・社会問題だから、一人ひとりに関係しているわけだよね。というわけで、みんなシカ肉を食べようぜって話。

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【SNS】
Facebook等では、なるべく平日毎日、現場からの情報を発信している。MOMIJI代表による狩猟の様子や、僕による解体など。こちらも登録・ご覧いただければ幸い。そしてシカ肉を食べたくなって、ご購入いただければ更に幸い。

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【解体】
その解体は、飲食店用や小売用に、200gのパックなども作るようになってきた。だが、これもなかなか難しい。
例えばロース一本で650gだったら、3パック作れると思うじゃん?でも実際に切るのは目分量の一発勝負なので、240g・220g・190gみたいになって、2パックになってしまったりする。多い分には削って切り落としに回せるものの、せっかくの部位が安くなってしまうわけだし。切り過ぎて200を下回った時は、あちゃー、って感じだし。

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単純にロース丸々・内モモ・外モモ、といったブロックで出す分には簡単なのだが。まだまだ時間もかかるし、慣れが必要。

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また、チョップ肉というのを作ることもある。通常、ロースとアバラは別々に解体するのだが、0才のバンビちゃんが捕獲された際には時々、こうしてロースと骨を繋げた状態で切り出す。若鶏やラム肉と同じで、非常に柔らかく、美味なのだ。高級なコース料理で出てくる感じだよね。

ただし、これは手間もかかるし数も確保できないので、現時点では一般販売していない。あしからず。ご自分で解体する際には、こういうオシャレな方法もあるよ、ということで。

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【イノシシ】
が捕獲された。大槌町はシカで溢れているが、イノシシの目撃情報も出ており、徐々に侵攻してきているようだ。この子が町内で2頭目らしい。
シカが産むのは1回に1頭だけど、イノシシは5,6頭ほどだから、爆発的に増える恐れがある。早期発見・早期対策が肝要だね。

西日本の方なんかだと逆に、イノシシが多くてシカは皆無という地域もあるし、両方それなりにいる地域もあるし、棲息状況はそれぞれだ。

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パッと見、シカと言われても分からない。しかし短足だし、肉付きが良いからか重い。これで30kgくらい。シカなら15~20kgくらいのサイズだから、倍ほどもある。
商品にはならないが、解体をすることに。もちろんイノシシなんて初めて捌くけど、同じ四肢動物である以上、だいたい構造は一緒なはずだ。細かい部分で違いがあったり、肉の質感や膜がしっかりしており解体しにくい感じはあった。

イノシシもいけたし、そろそろ「解体士 見習い」から「解体士 Lv.2」くらいになってるかね。

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【ふるさと科】
大槌町の学校は小中一貫教育になっており、特別な教育課程として、全学年に同科があるとのこと。町内の方々を講師として招き、多種多様な仕事や活動などを学び、ざっくり言えば人間力を鍛えられるということだろう。

で、MOMIJI代表が小学3年生に、ハンターの仕事を紹介。みんな熱心に聴き入り、良い反応を示し、しっかり理解していた。
普段は使用しないが、くくり罠の実演も。鹿のツノ・鹿の足・イノシシの足・クマの毛皮・猟銃の空薬莢などにも触れてもらった。

子どもたちは3グループに分かれ、ローテーション制でピーマンの収穫・牛舎の見学もしたとのこと。こういう経験ができるのは、良い環境だね。

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ちなみに、わなを使用しない理由は、肉質に影響するからというところが大きい。写真は、囲いわなで捕獲されたシカの背ロースだが、手前の黒ずんでいる部分がお分かりになるだろうか。暴れてぶつけて、打ち身になってしまったのである。口にしたところで問題は無いだろうけど、見た目は悪いし味は落ちるし商品にはできないので、切り落として廃棄となってしまう。

罠だとストレスも溜まって、やはり質に影響が出る。囚われたまましばらく放置になるというのも、倫理的問題があるわけで。銃で即死させるのが、最も良い状態の肉を得られるし、せめてもの敬意にもなるのではなかろうかね。

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【ケガ】
刃物を扱う仕事である以上、生傷は絶えない。それでも最近は切っていなかったのだが、月曜の朝イチなんかは寝惚けているので、スパッといってしまった。
指一本がちょっと使えなくなったくらいで、日常生活が不便だなどと、とかく我々は騒ぎがちだが。パラリンピックを見たら、そんな己の矮小さを思い知らされるよね。

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【雑務】
その他、細かい仕事でも紹介しておくか。
業務用の冷蔵庫・冷凍庫は、温度チェックを毎日。異常があったら、在庫の鹿肉が全部おじゃんになるじゃん。

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時々、中のモノを全て出して清掃もする。
Q. 冷蔵庫の中にいる動物って、なーんだ?

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ゾウ?そんなものは入らない。シカなら、いるかもな。

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解体所の金属探知機も、動作を毎日チェック。
弾の破片とか残ってるような異常があれば、肉を見たら明らかに分かるけど。異物混入の事案に至ったら、営業停止とかになるかもしれないじゃん。

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金属を検知すると、本能的に嫌悪を感じさせるアラームが鳴る。朝が来ない窓辺を以下略。

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産業廃棄物用の冷凍庫。満タンになって中身を取り出そうとすると、たいていカチコチにくっ付いており、苦労する。シカのツノ&てこの原理で剥がしたりするのだが、内壁に穴を開けてしまったため、アルミテープで補修。

まあ、こんな細かいことまで記述しなくても良いな。

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【おこぼれ】
沿岸部の町なので、海鮮系を諸々、いただけることがある。助かるね。

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【へアカラー】
してみたよという、どうでもいい情報も最後に載せておくか。やったのは上旬だが。初めてセルフで染めてみたけど、意外と違和感ないもんだ。
人生ずっと黒髪か坊主で、北海道にいた2年ほど前に、何度か染髪した程度。今後は色々と試してみようかね。





☆★僕のほか7名の隊員の活動報告は、こちらから。観光・ジビエ・震災伝承・農業の各分野で、大槌町のために奮闘中★☆

☆★大槌鹿肉の購入は、MOMIJI株式会社の事務所、もしくはネット通販(ポケットマルシェ大槌孫八郎商店)で。ツノ等を活用したタペストリー類は、raviliss[ラビリス]でどうぞ★☆


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