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【意味がわかると怖い話・34】イマジナリーフレンド

5歳になった息子。
幼稚園で新しく友だちが出来たのが嬉しいようで毎日その子の話をしてくれる。

「ケティっていう子でね。いつも僕を笑わしてくれるんだよ」

息子が俺に嬉しそうに話してくれたことを妻に伝える。
しかし妻が俺に教えてくれた。
ケティなんて子はいないのだと。

そんなばかな、あれほど楽しそうに、しかも具体的な友だちとのリアルなやりとりが?

全て息子の妄想なのか??
俺は混乱した。

妻は言う。
想像と妄想の中で生きているのだと。

確かに俺もどこかで聞いたことがある。
幼児期の子どもは大人には見えない空想の友だちを作ることがあるということを。

まあ一過性の事であり、それほど心配することでもないだろうと俺は考えた。

しかし妻は違った。

妄想と虚言に囚われているのだ!!
と強く主張し大声をあげ叫んだ。

俺は息子よりも妻のことが心配だ。
今日も妻は一人地下室にこもっている。

俺は彼女の待つ地下室の鍵を開け食事を届けに行く。

【ネタバレ】
男には息子も妻もいない。
男こそが妄想と虚言に囚われているのである。
男は女を地下室に監禁し、自身の妻であると思いこんでいる。
監禁された女がいくら男を非難しようとも、妄想に囚われた彼には何も響くことがないのである。

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