【活動記録】 右手にロジックを、左手に未来を。
こんにちは。
今日は週末に行われた《間借りカレー》の出店サポートの記録です。
私が運営に関わるコミュニティスペース 門仲enn のメンバー2人が主催で、私がフリーでバリスタをしているのと、2人が飲食店で働いた経験があまりないというのもあり、コーヒー担当兼、全体のサポートという役割で関わることとなりました。
時系列とともにじぶんの目線から振り返り、どんなスタンスで関わり、サポートをしようとしていたのかを書きました。
◎はじまり=8/16=
今回はレンタルスペースのプラットフォーム主催の間借りカレー特集。
登録されているレンタルキッチンを間借りして出店する個人や団体を募り、各スペースで同時多発的に開催する、というものでした。
メンバーのいぶきちゃんから私にオファーがあったのが8/16です。
この時点で、いぶきちゃんとむっちゃんが応募済み、出店することは決まっていて、私にコーヒーを出してほしい旨とその理由が添えられていました。
同日、門仲ennでたまたま会っていたむっちゃんからも、短く話がありました。むっちゃんはスパイスカレー教室を自分でされていて、今回のシェフです。
調理は全く問題ないが、自分たちは飲食店で働いた経験もそれほどないのでサポートに入ってもらえると助かる、ということでした。
その時点で私が、2人の意図とイベント詳細をほとんど知らず、返事をするための事前情報がなかったのと、むっちゃんといぶきちゃんがそもそも具体的な話ができていない状態だと聞いて、
少しだけ考えていぶきちゃんに、
3人で1度 Zoomで話さない?と伝えました。これが8/19の話です。
(今回、出店のための事務的なやりとりはいぶきちゃんが全面的に引き受けてくれていました)
◎かかわりかたを決める=8/20=
素晴らしかったのはいぶきちゃんの行動速度です。
私とむっちゃんの間でやりとりし、翌日のZoomミーティングに取り付けました。これには私も驚きました。
逆に言えばこれで驚くくらい、3人それぞれがお互いをよく知っている関係ではないんですね。
おなじコミュニティのメンバーで、会って話もしているけど、そこまで特性やキャラクターを知っているわけではない。
Zoomでいろいろ聴いていくと、
この時点で決まっていたのは、会場だけ。
メニューや仕込み数などの具体的なことは何も決まっていません。
それに加え、間借りカレーはやりたいのだけど、そのやりたいの奥にはなにがあるのか、2人がまだわかっていない状態に私からは見えていました。
結局このときの【わからない】は、情報が不足しているためのことも多く、実際に試作をし検証して活きた情報を得る必要もあって、試作日程が決まりました。
会って話したほうが速いし確実というのもあって、動機のききとりの続きはそのときにやることに(じぶんの中で)して、ミーティングは終了。
それでも2人の考えをある程度聞くことができたので、私も【じぶんとして】2人にどういうスタンスをとるのかを8割方決めることができました。
◎試作DAY=8/27=
平日、朝10時に業務用パッケージを下見し、その後むっちゃん宅へ。
ここである程度しっかり方向性を決めておいたほうがいいだろうなと感じていました。前回のZoomで得た情報をもうすこし細かくきいていきます。
詳細は省きますが、なにを目指すのかを中心に。
基本のところですが、ここを確認するタイミングは今しかないと思っていました。平日はフルタイムで仕事をしている2人にとって、残り時間に対して決まっていることが少ない、つまりどのくらいの作業量になるかが読めないのがいちばん危険だからです(この時点で本番まで2週間ちょい)
質問を変えたり、資料を使ったりして、時間をかけてしっかりとやりました。ここがいちばん大事だと考えていたからです。
じぶんたちの想いや、来てほしいお客さんのイメージ、なにを提供してどうなってもらいたいのか、何を得たいのかを言語化し、3人で確認します。
こういった、ふだん考えていないことに切り込むやりとりは、私は慣れているけど、2人はもしかしたらキツかったかもしれません。
こういうときの私は
右手にロジックを、左手に未来を、そしてポケットに楽しさを携えています。
つくりたい未来あるよね
ということを見せ続けてそれに向かって何をするかを決めていく作業の見極めや具体的にしていくことなどを、いっしょにやっていきます。
相手にとっては、わからないことを考えるので苦しいのですが、これは耐えるべき苦しみというか、避けてとおれないんですよね。
ひとりで、あるいは当人たちだけでは考えるのが難しい(あるいは、時間がかかる)ものだから、サポートが必要になります。
何度か別の記事でも書いていますが、
現場で求められていることはいつでも、
【自らが得意なことであり、他のメンバーには難しいとされていること】
なんですよね。
こういう役割を担うことは以前もありましたが、コーチングの手法を学んで実際にセッションを重ねるようになり、やりとりに奥行きが出たと感じています。
というのは、コーチングが徹底した個別対応だからかもしれません。
相手に焦点を当て続け、彼らが向かう方向を照らして援護射撃を引き受けるみたいな感じ、答えを教えるのでなく、本人が自ら進めるサポートを徹底するというのは本っ当におもしろいんですね。
「やりたい」
という希望を言うことができない、圧で口を塞がれてきた日本人には本当に有効だとおもいます。いったん、それをじぶんの外に出させてあげることができる。
多くの人が、教育のせいと口を揃えて何もしませんが、私も半分はそうだと思っていますが、あとの半分はもっと複雑だとおもっているので。。。
もっとたくさんのひとに「やりたい」を形にしてみてほしいし、できるだけじぶんの力でそれをやってみてほしい。
危なかったらすぐ助けるし、失敗したらいっしょにやり直すから、って覚えたてのラテアートに挑戦する新人にかける言葉のようですが、そんなイメージで関わりたいとおもっているんですね。
話がそれましたが
今回は、コーチングとティーチングとのあいだのようなやりとりでした。
私がもっている専門性(飲食のノウハウ)が活きること(間借りカレー)にふたりが挑戦しているためです。(情報の提供や、教える要素がある)
左手で未来という絵を見せてモチベーションを保ち、ロジックのハンマーで思い込みを叩き割り、具体的なプランを練っていきます。
そして、苦しさが苦痛になりそうなら、ポケットからちょいちょい楽しさを出して、あきらめることを防いでいく。
結果を求めるためのコミュニケーションなんですよね。
(多くの企業研修にコーチが招ばれるのもここが求められるからでしょう)
とはいえ、もしかしたら2人はそんなにそれを必要としていなかったかもしれないし、いらん世話だった部分もあるのかもしれない。
でも、それは考えても仕方がないし、自分から本気で関わらなければ、時間がもったいないし、結果としてお互い得られるものが少ないでしょう。
この翌日に投稿した私のフェイスブックの投稿から引用します。
「間借りカレー」をうまくいかせようと思えば、いっぱい口をだして、いっぱい手を出して、それでもしかしたら儲かるかもしれないけど、それってなんの意味があるの?っておもうんです。
私がコーチングをやっているのは
魚をあげたいわけでも、魚のとりかたをおしえたいわけでもなくて、
魚の取りかたを考えたり深めたりを、じぶんでやりたい、って思えるモチベーションの部分のサポートが、じぶんのやりたいことだからです。
試作は順調に進み、食べて落ち着いてからスパイスコーヒーの初めての抽出と試飲をしました。
(ここは単純にバリスタの技術提供の場面なのでいつもどおりです)
試作の結果を踏まえて各自がやることを確認して解散。
私としてはここでチームの基礎ができたように思います。
ここからの3人のグループチャットはどんどん活発になっていきました。
とにかく、思いついたことを言えることが大事、具体的にすることができるかどうかは3人で揉む、という流れができていきます。
◎2度目のずーむ=9/2= 本番まで10日
試作結果をもとに、原価やオペレーションなどを想定しメニューや食数を決める必要もあり、2度目のZoom会議をしました。
ここは、ほんとうにやる、を想定して疑問や問題点をあらいだす場面。
事前に議題を共有し、私はまず視聴のみで参加、
「ふたりだけで話せること」を先に話してもらいました。
話は変わりますが「せっかく自分に頼んでくれたのだから」という気持ちが私はつよくて、じぶんの場合はこうなる、ということを知ってもらう努力をしていきたいとおもっているんですね。
(これを書いているのも、まさにそのためなんですが)
仕事でも、それ以外でも、合う人を探していきたいからなんですが、これには、ある程度恐れずにじぶんを出すことが必要になります。
このときのZoomでは、
「今考えてもわからないことを話している時間が長いと思う」
「やってみないとわからないことで、やってみれることはひとりのときにやってみて共有しよう」
という部分を伝えるのにとても勇気が要りました。
急かしたいわけではないけど、核心に向かっていないトピックで時間が過ぎるのは誰のためでもないので、ここは対話のプロとして切るところは切っていきます。
でも右手のロジックハンマーは恐怖でぶるぶる震えた状態です。
というのは
こんなこと言ったら嫌な感じだよなってじぶんもおもっているし
そんなに付き合いが長いわけではないから相手の地雷ポイントだってわからない。
ただ、それを越えていけるようになりたいというじぶんの目標や、必要なことだからという割り切りがギリギリ勝っているだけで、私も超こわいです。笑 昔インドで猿に追いかけられたときくらいこわいです。
本番前の最後の週末にリハーサルをすること、その段取りは基本2人だけで進めることなどを決め、この日は終了しました。
◎リハーサル=9/6= 本番まで6日=
リハーサルは門仲ennで行われました。
このときの2人は、すごく頼もしく変貌していました。
それをみて、心からああよかった、と思いました。
というのは(震えながら)きびしいことを言ってしまったあとにやっぱ言わなきゃよかったなーってだいたい思うので、やっぱりよかったと。笑
計量したり、所用時間もきちんと測って、役割分担もはっきりしていて、失礼かもしれないけど見違えるってこういうことか?と思いました。
理系のむっちゃんらしい進めかたには何かうれしくなるような感覚さえありました。
この時点で「(じぶんが)何もする必要がない」状態だと認識しました。
ただいるだけでいい マスコット的な感じです。
2人は2人だけで当日までの準備を進めていきました。
普段はきっちり会社で仕事をしながら。
大変なのは間違いない。でもそういう言葉は一切聞くことがなかったし、そこに意志の確認ができた部分もありました。
素直にかっこいいなと思いました。
◎本番=9/12、13=
2人と、周囲のひとの協力があって、お店は盛況でした。
私はスパイスコーヒー体験を担当。
楽しませてもらいました。
2日間とも盛況で、常に誰かお客さんのいる状態。
目抜き通りではない場所で、予想以上の結果ではないでしょうか。
当日もいろんな方々がいろんな形で応援してくれた結果もあると思います。
「あなただから」
という言葉は、万国共通、老若男女を満たす言葉ですが
私も誰かと何かをやるとき、
そのひとだから頼みたいポイントをしっかり考えて、それに寄って、いっしょにやる想像をしていきます。
今回、先にそれを伝えてくれたのはいぶきちゃんでした。
「chieさんのコーヒーは、新しい発見があったり、自分で選ぶ楽しさを感じられたり、きっと素敵な空間にしてくれると感じるから、手伝ってほしい」
自分が大事にしていることを、理解してもらえていると感じてすごく嬉しかった。
やっぱりたのしいことに、ひとは寄っていくとおもっていて。
たのしくするということそのものを、やっちゃいけない理由ってないじゃないですか。
特にいまは、「ものを与えてもらえる」よりも「じぶんがやってみることができる」ことが好まれて受け入れられやすい流れがあるし、その根底にあるのって正しさでなくたのしさだとおもうんです。
わあーーーー
っていうあれ。
やってみた者だけがたどりつく感動のようなもの。
これが未来のじぶんをどれだけ守ることになるか。
こういう考えかたをするようになったのは、
ひとって言えなかったり言わなかったりするだけで、やってみたいことや試したいことを持っている、と信じている部分が私はあって、
「やりたいことがない」ということへの違和感は、こちらの記事でも書きましたが、これって、誰かに説明したり、認めてもらう前提で考えているからじゃないかな、と。
誰にも言う必要が本当はなくて、じぶんだけが知っていればいい、という前提に変えて考えてみてほしい、っておもっているんですね。
(やりたいこと自体はなくても全然いいとおもうんですけど)
体験と感情とモチベーションはセットなので、
たのしさやあたらしさを利かせた体験をつくっていきたいんです。
まさにスパイスのように。
今回は、間借りカレー出店サポートにあたり、私がどう考えて関わったか、という記録を書きました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
あくまでも私からの目線であり、2人にはそれぞれのストーリーがあると思います。
最後に2人の許可を得て写真を。
企画から実行まで、力強いバックアップをしてくれたみなさん、お越しになったお客さまたち、会場のオーナーさん、本当にありがとうございました。
むっちゃんいぶきちゃん、ほんとうにおつかれさまでした。ありがとう。
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フリーのバリスタ/COOK/コーチとしても活動中です。
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