土星の裏側note
中国古代占星術、算命学を学ぶ人のための一考察として執筆中の短編読本です。算命学の基礎は学習済みだけれどもその先を知りたい、という中級者・上級者を対象に綴っています。技術的な話が半分、日常の役に立ちそうな思想上の考察が半分といった内容です。旧い順からU番号、R番号、G番号で、それぞれ120回まで通し番号が付いています。無料で読める冒頭部分と副題から、本編の内容が判るようになっています。
皆さん、こんにちは。土星の裏側の宇宙人です。 『算命学余話』の購読プラットフォームは現在「土星の裏側note」だけですが、膨大なバックナンバーの掲載方法として「マガジン」なる機能を先週から試運転中であります。複数の記事をひとまとめにして雑誌状にくくり、お目当ての記事を探しやすくすると共に、まとめ買いのお値段をつけることができる、という機能のようです。宇宙人は昭和生まれなのでこうした作業は理解が遅い。しかし口を糊するためにやらねばならぬ。 「土星の裏側note」にバックナ
今回は、前回と絡めて冲動の話から散法について論じます。 冲動はすべての十二支に必ずあるもので、その十二支から六つ先の相手、時計に直すと180度正対する位置のものが冲動相手となることはお話しました。冲動の関係は「正面衝突」を意味し、散法の中でも最も激烈な衝突現象を起こします。 しかし冲動を筆頭とする散法は、本当に災いしか意味しないのでしょうか。いいえ、算命学は基本的に良し悪しを論じないので、散法が悪いとも冲動が怖いとも何とも言っておりません。はっきりしているのは「散法は
前回の余話#G111では余談として、北方寒冷地を司る「印」の冷ややかな物の見方について触れました。こうした見方を頭ごなしに否定せず「知性」として認めることもまた、善悪を論じない算命学の特徴かもしれません。同じフェイズの話として、今回は「官」を考察してみます。副題は「不名誉も名声のうち」です。旧い読者の方は、どこかで聞いたフレーズだと記憶を探っておられるでしょう。初期の算命学余話#U30の副題が「借金も財運のうち」でしたから、これとそっくりです。 宿命に「財運あり」と出てい
前回の余話では「男性的な直線思考」と「女性的なループ思考」に触れましたが、この点を算命学的に説明すると、男性(陽)は「外側への発展」を、女性(陰)は「内部の維持」をそれぞれ意味しています。 これを人間の体に譬えるなら、生まれたばかりの赤ん坊はその後摂取した栄養を成長のために使い、すくすくと大きくなります。大人になるためには急いで「発展」しなければならず、生命維持以上の養分摂取ができなければ少なくともサイズ的には大人になれません。故に人間の成長期には直線的ともいえる猛烈な推
先日記事で紹介したソ連映画祭に行ってみたら、会場に古そうなCDが平積みになっており、「ご自由にお持ちください」と書いてあるので一枚もらってきた。「小さい秋」と題されたシンプルなジャケットには、往年のモスクワ少年合唱団が歌った聖歌や民謡がラインナップされている。日本の唱歌も数曲入っており、来日公演かなにかの録音であるらしい。非売品が余ったものかな。少年とはいえプロの技術があるから有難く聴いてみる。 ううむ、素晴らしい歌声だ。ロシアの聖歌はアカペラだから、伴奏つきより声がよく
まず繰り返しのお知らせから。フォークNに掲載中の『算命学余話』は6月19日が購入最終日です。その後は閲覧しかできなくなり、閲覧も8月21日までで運営自体が終了するので、読みたい方は急ぎ購入し、すぐに読むなりどこかにコピーを保存するなりして対策を採って下さい。今後『算命学余話』は「土星の裏側note」に全面移転する予定ですが、件数が多いので時間がかかります。折しも宇宙人が動けなくなる酷暑が近づいており、移転作業は難航が見込まれます。皆さま、ご留意を。 さて先日紹介した『文
早朝ラジオを聴いていると、定額減税などという手間ばかりかさんで効果の薄い政策よりも、消費税を一律まるっと8%なり5%なりまで下げた方が、国民の消費意欲が上がり、モノが売れることで税収もアップし、労せずして国庫は豊かになり、賃金も上がって、景気は回復する、という至極まっとうな理屈をどの経済学者も言うので、宇宙人もその意見に賛成なのだが、もう何年も同じ話を聴き続けているにも拘らず消費減税は一向に実現しない世の中に、宇宙人は頭をねじらせている。財務省が何某かの理由でどうしてもこの
今日は暑いな。でもまだ29℃だ。こんな気温で参っていては先が思いやられる。宇宙人は例によって夏は土星の裏側の避暑地へ引っ込むので、運勢鑑定は7月から秋までお休みするよ。ブログやnoteの記事も電波情況によっては休止になる。ご用のある方はお早めに。『算命学余話』は6月19日までフォークNで購入できます。読者の方からnoteのマガジン機能を使って『余話』の便利な掲載・購読が可能だと助言されたが、荷物(=記事)が多いので引っ越しには時間がかかる。加えてこの暑さで集中力が低下してい
前回の「余話 #U24玄」で導入に使った苫米地氏の話がうまく算命学の理論に結びつかなかったようなので補足します。本来女性にないはずのY染色体が母体に見つかったという話です。 苫米地氏の肩書は「認知科学者」ですが元の英語はcognitive scientistで、この認知というのは訳語にすぎず本来は「関数」という意味です。まだ日本語の訳語が「計算言語学」とか「機能脳科学」とか色々ある段階なので、和訳自体が定着してもいない新しい分野ということです。 なぜ新しいのかというと、
先月末に土星裏(ブログ)で告知した通り、『算命学余話』を公開していた自炊書籍プラットフォーム「フォークN」が運営を終了する。既に新規記事は掲載できないし、6月19日には読者による購入もできなくなる。その後しばらく閲覧だけはできるものの、8月21日には完全終了。宇宙人にとっては三度目の店舗の喪失だ。 一度目は「パブー」であった。こちらは今も運営中かもしれぬが、数年前に一度消滅しかけて、その後経営母体が変わるという連絡が来たのでほっとしていたのも束の間、その新しい経営母体が「
(※『算命学余話』はプラットフォーム「フォークN」が運営終了するため、当面はこの「土星の裏側note」でのみ公開を続けます。) 世間では胡散臭い人物と思われている認知科学者の苫米地英人は、その風貌から宇宙人とも呼ばれているが、同じく宇宙人と呼ばれる私は親近感とはいわないまでもそのユニークな発言を傾聴している。頭のいい人なのはちょっと話しぶりを見れば判るが、傲慢でも謙虚でもなく等身大であり、愛想笑いもしないが人の意見に賛成の時は日本人らしく首を縦に振っている。人を中傷してま
早瀬耕著『未必のマクベス』でその知的な人物群像に感銘を受けた宇宙人は、この作家の真骨頂であるSFの一つ『グリフォンズ・ガーデン』を読んでみた。30年以上前の作品だが、AIなど今どきの話題を先取りしていて少しも古びていない。しかしSF好きというわけでもない宇宙人には、やはり人物の醸す知的思考や会話の方が目を惹く。例えばこんな主人公の見解: ――ぼくが『スター・ウォーズ』を途中までしか観られなかったのは、映画監督に腹を立てたからだった。遥か過去に時代設定をして、宇宙の彼方の
前回の余話では「侮光(ぶこう)」という専門用語に触れました。侮光は火性にのみ該当する現象で、太陽などの強い火が近くにある場合、弱い火がいくら輝いても強い光に呑み込まれてしまうという意味があります。仮に太陽が二つある場合でも、強い地支に支えられた太陽によって弱い地支に支えられた太陽は侮光されます。宿命内に侮光がある場合、侮光の現象を抑えるためには、強い太陽の地支を冲動など強力な衝撃で揺さぶるのが効果的です。 といっても冲動を意図的に操作することはできないので、後天運で巡って
昨今のSNS投資詐欺で騙された人々の具体的な被害手順を見聞きするに、はてどこかで見覚えのある風景だと思ったら、ブルガーコフの長編小説『巨匠とマルガリータ』の前半の山場のシーンだ。「20世紀の小説の最高傑作」と称される当作品は、ソ連当局により社会的に抹殺された恋人を救うため、現世に降り立った大悪魔と契約する女性を主人公に据えた幻想小説であるが、あまりに傑作すぎてソ連国内では禁書となった問題作だ。勿論今では自由に読めるし、いい和訳もある。 前半は大悪魔とその子分が織りなすハチ
政治家の失言をあげつらうマスコミ報道が後を絶たちません。先週は上川外務大臣が女性を応援する文脈で「女性の生む力」発言をしましたが、ここぞとばかりマスコミが批判的に取り上げたため撤回を余儀なくされました。私は、「生みたくても生めない女性への配慮」を掲げて弱者の味方を気取る報道にも、「女性の力」を表現するのに下半身を挙げなければならない女性大臣の語彙力とセンスのなさにも、鼻白む思いがしました。 男性が男性器の長さや大きさを基準に優劣を競う習性があるからといって、女性までが女性
宇宙人の苦手な夏に向かって蒸し暑くなってきた。箱から小型扇風機を出し、ブランケットを代わりに詰めて片づける宇宙人。扇風機はエアコンが苦手な宇宙人の頼みの綱なのだ。勿論摂氏40℃の盛夏には太刀打ちできないが、30℃前後までならこれで十分。しかし早くも五月から冷房漬けの生活習慣の世間がエコとか脱炭素とか嘯いているのは、ちゃんちゃら可笑しいのだ。 厳密に言えば扇風機とてエネルギーを消費しているのだから、本気でエコるなら団扇が正解なのだが、エアコンのエネルギー消費に比べれば文字通