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算命学余話 #G111 「守護神#22 庚×夏」

 政治家の失言をあげつらうマスコミ報道が後を絶たちません。先週は上川外務大臣が女性を応援する文脈で「女性の生む力」発言をしましたが、ここぞとばかりマスコミが批判的に取り上げたため撤回を余儀なくされました。私は、「生みたくても生めない女性への配慮」を掲げて弱者の味方を気取る報道にも、「女性の力」を表現するのに下半身を挙げなければならない女性大臣の語彙力とセンスのなさにも、鼻白む思いがしました。
 男性が男性器の長さや大きさを基準に優劣を競う習性があるからといって、女性までが女性器で優劣を測る必要は全くありません。そんな価値基準は、元より男性にはあっても、女性にはないはずです。外務大臣は、恐らく昭和の男性ばかりがひしめく職場に長年勤めたせいで、男性原理でものを考える習慣が身に付いてしまったかと思われます。或いは「結婚して子を産み育てるのが女の幸せ」といった、これまた昭和な旧い価値観が世代的宿命として脳に刷り込まれていたのかもしれない。この旧い価値観もまた、男性から見て都合のいい優劣の基準であるのに、それに気付かない政治家に一国の大臣、しかも海外向けの職責を担う外務大臣を任せるのは、適任とは言えないかもしれません。

 かといって、マスコミの取り上げ方も非常に稚拙で、自分より上位にある人間の小さな欠陥を捉えて揚げ足とりしているようにしか見えません。上位の人を自分達の低みにまで引きずり降ろすのがそんなに楽しいのか、とやはり不快になりました。炎上させて稼ごうとする姿は、最近逮捕されたどこかの選挙妨害政党と変わりません。こうやって能力のある人材を、自分達の低級なルサンチマン慰撫のため、且つ炎上商法のために引きずり降ろして、結果的にこの国の人材を乏しくしている。それが今の政治に跳ね返り、国民生活を苦しくしているのではないのか。だとしたらマスコミはこの責任を厳しく問われて然るべきではないのか。ヤクザ風に言えば「この落とし前どうつけるつもりやワレ?」と、国民の一人である私はドス声で言いたいです。両者とも、国を良くするために行動しているとは到底言えず、報道を聞いているだけでストレスになって免疫力が下がる思いです。勿論、こんなものは「良きストレス」ではありません(前回『余話#110』参照)。

 ところで、この「生む」失言については、数量政策学者の高橋洋一氏が面白い指摘をしていました。大臣の発言は口頭だったので、報道各社が活字にする時「生む」にするか「産む」にするか逡巡があったというのです。英語が堪能な大臣の感覚からすれば、英語の「プロデュース」の意味で使っているはずだから、「女性の出産」という意味は連想させない。しかし漢字の「産む」にするとずばり「出産」の意味に直結するから、そう書けば失言という報道が成り立つ。ところがマスコミ各社は保身術も長けているため、「曲解報道だ」との批判を避けるために「産む」という文字は早々に取り下げて代わりに「生む」を当て、更にその後平仮名の「うむ」に変えたそうです。政権に対する忖度と、自社の報道の炎上商法意図を視聴者に隠すためでしょうか。いずれにしても姑息です。高橋氏は「漢字で書けよ」と嘲笑しておられましたが、私も同感です。
 昨今の報道字幕は、大卒が一般的となった日本人にはたとえ書けなくとも読めはする漢字をわざわざ平仮名にするので、その知能の低い表示に苛立たされます。二字熟語の片方が漢字で片方が平仮名二文字、という座りの悪い表記に皆さんは不快を覚えませんか。年次でコロコロ変わる常用漢字の範囲かどうかなど、いらぬ配慮です。今も昔も多くの漢字の読み書きのできる人が頭の良いであることに変わりはなく、書けなくても読めるようにするには、なるべく多い回数を目に触れさせればいいわけです。その学習機会を奪う報道は、炎上商法にまんまと引っ掛かるよう視聴者に愚かであってほしいと、意図して平仮名を並べているのでしょうか。それとも、日本の国力を削りたいどこかの国が、外国人の日本語解読のハードルを下げるために漢字や特殊読みを排除したく、その勢力の言いなりであるマスコミがわざと平仮名を多用しているのでしょうか。最近はアナウンサーのイントネーションもおかしく、AIを装った外国人が喋っているかのよう。どちらにせよ実に不愉快ですが、皆さんはそうでもないですか。

 もう一つ時事ネタを。カスハラことカスタマーハラスメントが話題になっていますが、マスコミはその具体的事例の数々や緩い対処方法を取り上げるばかりで、事態の根っこには触れません。根っこを正さないと根治はしないのに。真実はこうです。「カスハラする人はずばり知能の低い、医学的には「境界知能」に該当する脳みその持ち主である」。
 医学的見地によれば、「IQ(知能指数)というのはほぼ遺伝で決まるもので、平均を100として、70以下が知的障害という区分になる。日本人の平均は105であり、世界トップレベルだが(今後移民を入れれば下がるでしょう)、IQの差が20~30離れると会話が通じなくなる。世界の平均値100から20~30を引いたIQ70~85を「境界知能」と呼び、70以下の知的障害ではないから健常者として一般社会に暮らしているが、各種ハラスメントやクレーマーとしてトラブルを起こすのはこの境界知能の持ち主である」とのことです。

 少し前に『ケーキの切れない非行少年たち』が話題になりましたが、白昼堂々通行人の目の前で貴金属店強盗をしたり、監視カメラが常時監視していることに考えが及ばす死体を遺棄したりといった、ちょっと考えればすぐ捕まることは判るし、捕まれば一生犯罪者として苦しい人生を強いられることになるのに、そこまで思考が辿れず安易に犯行に及ぶ若者は、医学的診断によれば境界知能者に当たるのです。
 しかしこうした明確な犯行ではなくとも、日常的な嫌がらせやいじめ、迷惑行為もこれに該当し、パワハラやセクハラ、モラハラ、モンスターペアレントやクレーマー、ネットで誹謗中傷を書き込む輩、店で店員をどなりつける客なども、概ね境界知能者だということです。普通の知能の人は、こういう行為はみっともないし、得るものより失うものの方が多いし、仮にやってしまうと後々気分がモヤモヤして後悔することが「予測」されるので、腹が立っても自重するのが常です。更に賢い人ならば、問題解決のために理性的且つ有効な対策を以って事に当たるから、カスハラ的な言動や態度など及びもつかない。
 従って、カスハラその他の下品な迷惑行為を防止するには、「その行為者は知能が低い、知的障害ギリギリだ」という揺るがぬ真実を突き付ければ良いのではないですか。バカをバカと言って何が間違いなのでしょうか。真実を認識するからこそ改善も望めるのに。「バカと人に言ってはいけない」ではなく、「医学的にバカだと人から見做される行為は慎みなさい」と世論を誘導するのが、マスコミの正しい役目なのではないですか。前者と後者、どちらが知的だと皆さんはお考えですか。それとも知性主義なんて鼻持ちならないと敬遠しますか。カスハラが世間に溢れて自分も餌食になったり、逆に加害者になって悦に入ったりする人生をお望みですか。算命学的には下道な人生に当たるのですが。

 ようやく算命学に戻って参りました。今回の余話は、久しぶりに守護神の続きです。庚金の夏生まれです。上述の長い前振りと全然脈絡がないですが、まあ庚金は官(名誉)の星ですから、真っ当な庚金であれば、カスハラなどという下品な行為は不名誉極まりなく、自分にも周囲にも許さないでしょう。しかし、もし真っ当でない庚金であれば、その歪んだ名誉や正義感が、自分と対立する相手を敵と見做して激しい攻撃を加えることが予測されます。それがカスハラに該当することは十分あり得ます。あなたやあなたの周囲の庚金は、果たしてどちらのタイプでしょうか。守護神を見てみましょう。

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