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映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』を観た

ポワロじゃなくポアロだってよ

『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』を観た。

 これまでのシリーズは全部鑑賞済みで、劇場で観るのは二作目。過去作はアガサ・クリスティの原作を何となく把握していたけど、今回は『ハロウィーン・パーティ』と言うタイトル以外は全然知らなかった。ただ、調べた所によると、多少登場人物が重なるぐらいで、舞台・トリック・犯人も全然違うみたい。それが原因で、原作ファンの方々は「なんでやねん!」ってなってるとか。そりゃそうよね。補足すると、本作は『死の猟犬』と言う短編集内の『最後の降霊会』にも影響を受けてるんだとか。だから、ハイパー熱狂的な域まで達すると「うひょひょ〜!」ってなるのかもしれない。まあ、製作陣に作者の曾孫が居るぐらいだしね。

 その上で、素人の自分は結構楽しめた。まず、時間がちょうど良い。本作は、過去作と比較するとホラー・スリラー演出が過剰なほど多い。その分、多少疲れるし、もはやギャグっぽく見えてしまう。そんなストレスがギリ溜まる前に、良い塩梅でまとめてくれた印象。次に、展開も分かりやすい。どんでん返し的な衝撃は受けないものの、全員が納得出来るような落とし所に思えた。ちょっと力技な気もするけど。あのトリックって、別作品からの引用なのかなー。そして、全体の雰囲気が素敵。制作側としてもあの街並みを堪能してほしい思惑があったみたい。確かに、神秘的な印象の表側に対して、水害による老朽化問題みたいな裏側が潜むベネチアは、本編の登場人物たちとリンクしているようにも感じる。役者陣も魅力的だったなー。ただ、舞台がロンドンからベニスに移ったら、ファンが怒るのもそりゃ無理ないよなー。全然違うもんなー。

 そんな感じで、結構楽しめました。むしろ、前の二作より好きだったかも。ただ、再三にはなるけど、原作ファンが怒る事は理解してあげたくなる作品でした。あの終わり方、また次に続くのかなー。

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