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クボタのエッセイ 第一部

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クボタの800文字エッセイの第一部です。 2022年の4月から毎日投稿するつもりだったのに、ズボラがゆえにグダって9月に終わってしまいました。 ぶっちゃけ第二部から読んでほしい(…
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2022年7月の記事一覧

鴨鍋つゆ

自宅キッチン棚で、鴨鍋つゆが眠っている。
パッケージに描かれた鴨のイラストと目が合う度、プレッシャーを掛けられている気がする。
鴨くん、ごめんなさい。
他の鍋つゆは食い切ったのに、この鴨鍋つゆに関しては、使わないまま冬を越し、春を越し、遂には夏まで来てしまった。
そもそもこの鴨鍋つゆ、美味しく食べるまでのハードルが高いのだ。
何故なら、鴨と冠されている通り、鴨肉が必要不可欠なのである。
思い返して

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禁煙チャレンジ

喫煙して10年以上になる。
今年32歳になる年齢なので、半分とまではいかないが、人生の3分の1以上は煙草と共に居る。
純情な感情だ。
I Love Youさえ言えないでいる、My Heart。
そんな生涯を送ってきているオレだが、遂に重い腰を上げ、禁煙しようと思う。
今まで「禁煙したいわ~」と言うだけ言って全然やる気のないファッション禁煙を繰り返してきたが、今回はガチだ。
理由は、言わずもがなコロ

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HOWEVER

ここの文章にもすでに書いたことがあるが、マンションの近隣住民の歌声がうるさく、数ヶ月前から悩まされていた。
夜中でもお構いなしにカラオケしやがる。
加えて、その曲名が分からないことにも腹を立てていた。
せめて答えを教えてほしい。
そう思っていた。
地獄イントロドン。
そこで、オレは歌が聞こえてくるたびに、耳を澄ませ、曲を当ててから、クレームを入れてやろうと心に決めた。
そんな決意から二ヶ月ほど経過

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生真面目な性

昨年だったか一昨年だったかのある日、後輩たち飲んでいた。
オレ以外のメンバーは、懇意にしている生意気な歳下の後輩が一人、どんな質問にも真面目且つ妙に格好付けて答えるおじさんの後輩が一人、と言った感じだ。
独身男性が膝を突き合わす他愛も無い飲み会だったと思う。
その中で、おじさんに対し、生意気な後輩がイジり始めた。
「え、ぶっちゃけですけど、一番直近でセックスしたのいつですか?」
下卑た良くないイジ

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折れ鼻のメガネ似

コロナによる在宅期間がそろそろ終わりを迎えるので、遂に髭を剃った。
人生の中でも最長だったと思う。
これだけ髭を伸ばした機会も初めてなので、気付くことが色々あった。
髭の状態でハンバーガーを食うとめちゃくちゃ汚くなること。
モシャモシャで全体が痒くなること。
とにもかくにも色々だ。
ただ、その気付いた中でも、一番の収穫はオレがNORIKIYO氏に結構似ていると言うことだった。
嬉しい。
NORIK

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かからない

コロナ陽性となってから、一週間以上が過ぎた。
高熱が治まったにも関わらず、咳や息苦しさが未だに続いており、このウイルスの恐しさを身に沁みて感じている。
ただ、そんなウイルスの本当の恐しさはこれより先にあるのではないか、と言う考えが湧いてきた。
それは実際に身体へ起きる後遺症そのものではなく、コロナに罹ったことがない人たちへマウントを取ってしまう自己の暴走だ。
この自己の暴走こそが、我々コロナ罹患者

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ファンタジー近所

近所や地元の話をしている時に、すぐ「あ、じゃあ◯◯インターから降りてさ〜」とか「環状◯号線を抜けてさ〜」とか言って来るヤツらはマジで何なんだ。
いつも困る。
こちとらペーパードライバーだぞ。
運転するヤツの目線で、話し掛けてくるな。
そもそもまず自宅周辺の地理をテーマに話せば絶対に知っているだろう、と言う大前提そのものがおかしい。
基本的に、オレは家と学校や職場の往復しかしてこなかったタイプの人間

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外部の剣道師範

中学で剣道部に入っていた時の話だ。
その日、オレは登校してからずっと身体の火照りを感じていた。
おそらく風邪による発熱症状だ。
「これじゃあ部活は出来ないな」と判断したオレは、帰りのホームルームが終わった後、すぐに職員室へと向かった。
顧問に早退を伝えるためだ。
しかしながら、室内を端から端まで探しても、全然見つからない。
そこで、(すでに部活動場所に居るのかもしれない)と踵を返し、体育館へと向か

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デュエルスタンバイ出来なかったよ

『遊戯王』カードのど真ん中世代だ。
小学生の頃にアニメ放送が始まり、御多分に洩れずオレも夢中になっていた。
劇場公開時なんて、忙しい母親に「映画館へ早く連れて行け」とひたすら駄々をこね、困らせていた。
ノベルティの「青眼の白竜3体連結」をゲットした喜びは、今でも覚えている。
ただ、オレはそんな『遊戯王』カードについて、コンプレックスも持っている。
そのコンプレックスについて端的に説明すると、『遊戯

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味?なインタビュー

高熱も下がって何日目かの今日、遂に気付いた。
コロナウイルスが流行し始めていた頃、しばしば話題になっていた味覚障害が自分にも起こっている。
ニュースで知った時は、そう言うこともあるんだなあ程度にしか思っていなかったが、なるほど、こう言うことだったのか。
気付くまでにえらく時間がかかった。
熱が下がった後であれば戻るはずの食欲が失われ続けている原因を辿り、ようやく気付けた。
では、何故こうもタイムラ

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ウイルスと駄文

コロナ陽性になってから書いたここ数日間の文章が、全然読めたもんじゃない。
中身もオチも弱く、本当に納得が行かない。
体調の悪い中、何とか日課を満たすためだけに書かれた忌まわしき駄文たちだ。
そう考えると、急に自分が子どもを愛せない駄目な親になったかのような錯覚をする。
産み育て愛で包む覚悟すら無いくせに、毎日の行為が当たり前になっている性獣、学名ニホンオトナモドキ。
それゆえ、避妊もしなかった文章

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『水のまにまに』と言う本についての話だ。
この本は、ある女性作家の作品で、政治家となって地方の発展を進める自身の姿を軸とした半自叙伝だ。
郷土である富山県の澄んだ水の様子と移り変わる時代の流れを重ねて、本書のようなタイトルにされたのだと思う。
こちらの著者名は、申し訳ないがてんで思い出せない。
まあ、そもそも存在しないのだから、思い出しようも無いだろう。
そう、ここまで色々と書いているが、こんな本

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ウラシマ効果

コロナ陽性になって、二日目。
体温は若干下がったものの、まだまだ身体中が熱い。
おまけに、今、最も辛いことが、咳だ。
鼻水が後鼻漏で垂れて来て、就寝中、喉に張り付く。
その違和感や痒みから尋常じゃないほど咳き込んでしまい、喉がめちゃくちゃ痛い。
満身創痍だ。
一足先に陽性となった同居人の彼女はと言えば、すでにある程度回復し、リモートワークに勤しんでいる。
元々陰性だったはずのオレの方が消化した有給

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高熱キンタマ老人

同居人である彼女が検査の結果、コロナ陽性となり数日が経った。
オレは陰性だったが、しっかり伝染ってしまった。
昨日までは、(オレ、タフ過ぎるっしょ!ヤバいっしょ!)なんて思っていたのに。
今朝になって、高熱、鼻水、多少の咳、悪寒、関節痛と風邪界の五老星みたいな症状が出始めた。
辛過ぎる。
彼女が一足先に回復していることが、不幸中の幸いと言った所か。
そもそも家族にコロナ陽性者が居て、感染を防ぐこと

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