夏のズッキーニはちと違う

ズッキーニは、まさに今が旬のお野菜です。

きゅうりのイボイボを取り去って、スマートにしたような見た目なので、きゅうりの仲間かと思われがちですが、実はカボチャの仲間です。

そもそもズッキーニは、イタリア語で小さいカボチャという意味で、さらに言えば、日本名では「つるなしかぼちゃ」といいます。これはどう転んでもカボチャのお仲間ですね。

最近では季節を問わず、通年スーパーに並んでいるズッキーニですが、やはり夏のズッキーニは佇まいからして一味違う感じがします。

いつものズッキーニはどことなく、アウェー感を感じながら、少し顔色も濁っていて、居心地が悪そうに陳列されている印象です。一本一本ビニールに包まれているズッキーニはなんだか息苦しそうで、少しでも酸素を節約しそうと、声をひそめているようにも見えます。

それが夏のズッキーニになるとどうでしょう。青々とした鮮やかな緑色をしていて、いつもよりもひとまわり大きくて、まさに威風堂々としています。「我々は今が食べ時だ」と、声を大にして主張しているようにも見えてきます。ビニールに包まれることなく、ザルにどっかと乗せられた鮮やかな緑のズッキーニは、生命力が溢れていて、特に使う予定もないのに、ちょっと一本買っておこうかなって、ついつい買い物かごに入れてしまいます。

そんなこんなで、とりあえずズッキーニを買ってみたものの、どうやって食べようかと悩んだ時にオススメな食べ方があります。

ズッキーニのレモンバターソテーです。
フライパンひとつで、ズッキーニを焼くのと同時にレモンバターソースまでできてしまう、お手軽メニューです。

作り方は至って簡単です。フライパンにオリーブオイルをうすくひき、1cmの輪切りにしたズッキーニに塩を少ししっかりめにしてソテーします。両面に美味しそうな焼き色がついたら、バター入れます。バターがとけて芳ばしい香りがしてきたら、そこにレモン汁をキュッと絞り入れて、さっと全体に絡めたら出来上がりです。ズッキーニをお皿に盛り、フライパンに残ったレモンバターソースを上からかけたら完成です。そこに刻んだミントなんかを散らした日には、もうそれはレストランのクオリティです。

バターの芳ばしい香りと、ズッキーニのトロッとした食感と、さわやかなレモンの酸味が後を引く味わいで、夏のズッキーニの魅力を存分に楽しめます。

夏のズッキーニはちと違う。

そう感じた方はお試しください。

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