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つくれるようにならないレシピ〜ポテトサラダ編〜

今日はポテトサラダを作っていきたいと思います。
少し前に、巷でポテトサラダ論争が巻き起こっていましたがご存知でしょうか。ポテトサラダは買うのか作るのかの論争です。私的には断然作った方が美味しいと思うので作る派なのですが、実際家で作るとなると、やはりけっけう大変だなという気持ちもわかります。ですので、時間に余裕があれば作ってみたらよいですし、時間がないなら買えばよいと思います。つまり、そんなことはどっちだっていいんです。他に考えなきゃいけないことが山程あるのです。例えばお風呂の栓のサイズとか。

ではまずは食材から

ジャガイモ 中くらいのを4個
玉ねぎ 1/4玉
きゅうり 1/2本
ハム 3〜4枚
ケッパー 適量
粒マヨネーズ 適量
マスタード 適量
お酢 適量

まずはジャガイモを洗います。ジャガイモはメークインでも、男爵芋でもかまいません。滑らかなポテトサラダが好きな人はメークインを、ゴツゴツしたポテトサラダが好きな人は男爵芋を使うとよいと思います。ちなみに私はメークイン派です。ジャガイモを洗ったら、皮ごと鍋にいれ、たっぷりの水を注ぎ火にかけます。茹でている間に水分が蒸発してしまうので、水はたっぷりいれます。下味用の塩をしっかり入れて、始めは強火で火にかけ、沸騰したら火を弱めてポコポコするくらいの火加減にします。

それと並行して、別の鍋で茹で卵を作ります。茹で卵は水から入れて沸騰したら弱火で10分です。タイマーのかけ忘れには御用心。こちらもポコポコするくらいの火加減です。ボコボコさせてはいけません。あくまでポコポコくらいの火加減です。

ジャガイモを茹でている間に、玉ねぎをみじんぎりにします。なぜ玉ねぎを入れるかというと、食感を出すためです。コレがあるとないとでは、食べた時のリズム感がぜんぜん違います。コレがないポテトサラダは、指揮者のいないオーケストラのようなものです。抑揚のない平坦な味わいのポテトサラダになってしまいます。みじん切りにした玉ねぎは、水にさらして辛味を抜いておきます。ちなみに、玉ねぎを切ると涙が出てしまうのは、玉ねぎの細胞内にある硫化アリルという成分が原因ですが、ちょっとしたことで涙腺が崩壊してしまうのは歳のせいです。

次に、きゅうりを輪切りにしたら、塩揉みをして余分な水分を抜いておきます。
ハムは、大きすぎず小さすぎずの食べやすい大きさに切っておきます。

続いてケッパーをみじん切りにします。これは、なければ入れなくても良いのですが、入れた方が断然味が良くなります。深みが出るというか、こなれた感じが出ます。若手俳優ばかりが出演する映画でも、ベテラン俳優が一人いるだけで画面に締まりが出るような、そんな感覚ですね。

そろそろ、卵が茹で上がります。素早くお湯を捨てて、水にさらしながら、まだ熱いうちに殻にヒビを入れておきます。コレをしておくと、するりと気持ち良いくらいに殻が剥けます。殻を剥いたら卵の存在感が残るように、フォークなどで粗めに潰しておきます。細かくしすぎないのがポイントです。

そろそろジャガイモに火が通ったでしょうか。竹串や、爪楊枝を刺して確認しましょう。力を入れずにスーッと刺さればオーケーです。

ジャガイモに火が入ったら、ここからはスピード勝負です。熱いうちに皮を剥いてバットにうつし、やはりジャガイモの存在感が残るように、フォークかマッシャーを使い粗めに潰します。冷めてしまうと、余分な粘りが出てしまうので熱いうちに潰すのが鉄則です。人生には粘りが必要な時がありますが、ポテトサラダに粘りは必要ありません。粘るのは納豆か土俵際だけでじゅうぶんです。

ジャガイモを潰し終えたら粗熱が取れるまで冷ましておきます。その間に洗い物をしたり、かるく一杯ひっかけてもいいですね。料理は楽しくリズムよくです。

いよいよ仕上げに取り掛かります。ボウルに水気をしっかり絞った玉ねぎとキュウリを入れます。ここで水気が残っていると水っぽくなってしまうので、しっかし水気を絞ります。下拵えした材料をすべてボウルに移し、マヨネーズを入れます。ここでマヨネーズを入れすぎると、完全にマヨネーズの味になってしまうので、ジャガイモの味がちゃんと感じられる程度に、様子を見ながら入れていきます。

そこに粒マスタードとお酢を少し入れて、味を整えます。このお酢がポイントです。酸味を少し効かせる事で、軽い仕上がりになります。酸味をうまく使えるようになると、料理の腕がぐんと上がります。カラオケでいうところのビブラートです。

調味料を全て入れたら、優しく混ぜていきます。ここであまり強く混ぜ過ぎてしまうとジャガイモから粘りがでてきて、せっかく熱いのを我慢して皮を剥いたのが台無しになってしまいます。目指すのは味はしっかりしつつも軽い仕上がりです。あくまで、優しく、優しく混ぜていきます。

味見をしてみます。マヨネーズとジャガイモのバランスは最適か、食感は心地よいか、酸味は尖りすぎていないか、さまざまな角度から味を分析して、自分の舌に心地よい着地地点を探します。あまり味見をしすぎると味がわからなくなるので、2〜3口で味を決めたいところです。何回も同じ字を書き続けると、その字があっているのかどうかわからなくなりますよね。それと同じように味覚のゲシュタルト崩壊が起こるのです。

味が決まったらお皿に盛り付けて、仕上げにブラックペッパーを一振りして完成です。さっそく、しっかり冷えた白ワインを片手に実食です。

「うんうん、悪くない。」なかなかよい感じです。ジャガイモの味もちゃんと感じられるし、酸味も程よく軽い仕上がりです。玉ねぎとキュウリの食感が心地よく、口の中でリズムが弾けて、賑やかで楽しい気分になってきます。

白ワインにもばっちり合うし、私はやっぱり、ポテトサラダは自分で作る派です。



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