今しか感じられない気持ちと記憶の居場所

今しか感じられない気持ちと記憶の居場所

最近の記事

日陰の向日葵

何故か僕の周りにはアーティストが多い。 絵を描いていたり、音楽をしていたり、様々なアーティストが僕の周りに溢れている。 みんないきいきしていて活発で、自己をなんとか表現するため日々勤しんでいる。 みんなかっこよくて、且つ自分も負けられ無いって気にさせてくれる。僕にとってある種の活力剤みたいなものだ。 そんな僕のアーティストの中でもう10年近く会ってない友人がいる。小学生の頃の友達だが当時はとても明るくて、よく休み時間に話したりしていたが、現在彼女は鬱病とパニック障害にかかっ

    • 分岐

      季節は瞬く間に巡っていく。 ついこの前に新年を迎えたと思えばもう四月も後半に差しかかろうとしている。出会いと別れの季節。 思い返せば色々な経験をした。好きな人の為にバカにもなれたし傷ついたりもした。ここ2週間ほどあの子とは連絡を取っていない。取れてないのか意図的に取ってないのかと言われるとどちらもだ。そー言えばいつも僕発信で連絡をとっていた。 自分の気持ちを誤魔化すかのように別の女の子とも遊んだりしたけど最終的にスタートラインに戻って来ている。下書きをなぞっては消して。 違

      • チェックポイント

        1度棚のものを全部ひっくり返して、ひとつずつ整理していく。ゆっくりと時間を掛けて。 全部の思い出が蘇ってくる。楽しかった事やしんどかったこと。 なにがなんだか分からなくなってくるけど少しずつ、丁寧に、心のどこかにしまっていく。 思い返してみればいつも与えられる側は無くしてからでしかありがたみに気付けないし、与える側はそのうち限界がくる。寂しいものだ。 人は臆病だから、嫌われるのを怖がる。 人は臆病だから、他人への優しさで自分を美化する。 僕自身もそうなのかもしれない。 優し

        • "大人の味の"ボロネーゼ

          僕は良くパスタを作る。 作り始めたきっかけはパスタが単純に好きだからだ。 あと少しばかりパスタを作れる男はカッコイイと思ってる節もあった。ちょっとだけ。ほんまに。 そんな僕の1番得意なパスタはボロネーゼだ。 あの挽肉と野菜の旨味に赤ワインで長時間煮込んだコクがたまらなく好きだ。時々上にチーズを掛けて炙ってやったりもする。 3色食べても飽きないし、一生同じものしか食べれないと言われたら迷わずボロネーゼと答えるし(絶対に言い過ぎ)ボロネーゼをミートソースパスタなんて言われた時に

        日陰の向日葵

          水と油

          僅かに感じる陽の光と真夏のアブラゼミの鳴き声みたいなやかましい音とそれに重なるiphoneの振動に目が覚める。朝だ。 いつもの様に起き上がってすぐに青いパッケージに手を伸ばして1本取りだし口にくわえ火をつける。 静かな朝。 ジリジリと赤く光る灰の先がなんとも心地良い音を奏でている。 半分吸った辺りでようやく立ち上がり、これまたいつもの様にお湯を沸かしコーヒーを淹れた。 1口すすった濃いめのホットコーヒーを口でくゆらせ、湯気かはたまた煙か分からない空気を吐いた。 いつもより心地

          水と油

          冷焰

          深夜、1人で家に帰り静かな部屋の中、間接照明だけが光るその部屋の中にあるソファーに腰掛けた。 すると何かがそっと姿を消したような、最後の残り火が消えたような。そんな気がふとした。 それはさっきまで当たっていた焚き火の煙が服に着いた匂いがそう感じさせたのでは無く、心の中の何かがざわめいた。 違和感。 直ぐにその正体を突き止めるべく答えを模索した。「やっぱり...」 確信には繋がらないものの、今の僕の心にはそれはとても大きな不安と絶望を感じさせた。 時刻は朝の4時を指したところ。

          「10:45 am 起床」な日

          今日はこれと言って予定も無かったからとりあえずお昼ご飯にパスタを作って食べた。 昨日教えてもらった眞名子 新と言うシンガーソングライターの曲を聴きつつ、ボーッとラックを眺めているとこの前買ったばかりのレースシャツを着たくなったので出かける事にした。 とりあえずシャワーを浴び、レースシャツを着て、今日はまだ暖かそうだったのでテーラードを1枚羽織って自転車に乗り家を出た。 最近、意識的に自転車に乗るようにしている 自転車ってとても良いもので、季節を感じる風に吹かれながら街の中を

          「10:45 am 起床」な日

          ひとさじ分の優しさ

          最近、人間関係について考えさせられる事が良くある。友達とはなんなのか、家族とは何か。 そんなこと考えたってキリは無いんだけど、人生において人との関わりはとても大切だ。 例えば自分が落ち込んだ時や苦しい時に寄り添ってくれるのは友達であったり家族である訳だし、仕事をするにも必然的に誰かと関わりを持たなければならないものだ。 そんな時に自分の中で引いている人間関係のボーダーライン見たいなのがあってでも相手にもその線引きがある訳で、そこが上手く交じり合う事なんかそうある事ではないし合

          ひとさじ分の優しさ

          110円小世界

          都会の夜。昼間の騒がしさがまるで嘘かのように静まり返って、バターみたいに溶けていく時間と街灯の光がなんとも言えず美しくてそれに見とれていた。 深夜料金で60分110円のコインパーキングに車を停めて2人きりで川沿いを歩いては、写真を撮りあった。背景に映るオフィスビルの窓に重なった影に見蕩れながら視線を空に向けた。 お世辞にも美しいとは言えない澱んだ星の少ない空がちょっと寂しさを感じさせて何故かこのままここに残りたいと思えて、場所とかお金とか時間とか景色、大切な物はきっとそこでは

          110円小世界

          フィクション

          映画を見終わった後、卒業式の日の帰り道、旅行先で目覚めた時。そんな喪失感に苛まれる。 単純に失恋した訳なのだが、フラれた訳でもない。しかし今僕の心はそんな調子だ。こんな特別な感情を今回は書き残そうと思う。 1年半程前に好きだったが告白をする1週間前に相手に彼氏が出来て、告白まで至らなかった。そんな恋が1年半越しに戻ってきたのだ。 別れの報告を聞いてから何度か遊び、自分の気持ちにブレーキを掛けること無く忘れかけてた恋心をじっくりと巻き戻ししていたが、彼女はどこか違う所を見つめて

          フィクション

          心と匂いと記憶

          匂いって不思議でただ単に物質を認識、識別するためだけじゃなく、潜在的に自分の中にある記憶やったり空間、人を思いださせる。 それははっきりとした物じゃなくてぼんやりとしてて暖かくて楽しくてワクワクしたり、悲しくなったり懐かしさに浸ったり、、、 口で説明できひんけど自分にしか分からんくて。でもそれが良くて。 単に焼きそばの匂い、海の潮の香りがしたから夏の匂い!とかじゃなくてほんまに自分だけの感覚。 その感覚はすごく尊くて、でも直ぐに薄れていく。 そこにちょっぴり寂しさと虚しさがあ

          心と匂いと記憶