【考える】大人ってなに?:様々な観点で考える大人と子ども
まいど!曇戸晴維です。
今回のテーマは「大人ってなに?」です。
私は今までに人と真面目な話をする機会に多く恵まれてきました。
その中で、若者であればあるほどこの議題について悩んでいました。
そして、それを問われた大人たちも答えに悩んでいました。
もちろん、私自身も学生時代から大人になってからも考え続けたものです。
私の結論を統括して一言で表すとこうなります。
「大人であろうとすることが大人である」
この言葉だけでもなんとなく伝わると思います。
ただ、なんとなくですよね。
私がこれに至るまで、きちんとした論理的考察があります。
そこで私は自身の考えをまとめ、ここに専門的観点から見た「大人」というもの考察を記そうと思います。
肉体と精神、法律と社会
複数観点からそれぞれの「大人の定義」について考えます。
大人と子どもの差として思いつくのはまず「肉体」、肉体に伴い「精神」、そして「法律」は成人年齢と責任と権利を定めています。
そして求められるであろう「社会性」。
起用する観点
生物学的観点
心理学的観点
社会学・法学的観点
哲学的観点
そして、大人の在り方は文化的関連性から切り離せません。
文化的観点
この5つをそれぞれ深堀りしていきます。
生物学的「大人」
まず生物学的観点から「大人とは何か」を現代日本を基準に詳細に掘り下げて考えます。
成長と発達
思春期に人の肉体は成長と変化が伴う。
脳の発達
肉体の成長は身体のみならず脳の成熟を含む。
性成熟
成熟に伴い生殖能力を獲得する。
身体的な健康と老化
成人期に入ると健康管理が変わります。老化に伴いまた変化します。
基礎代謝の変化: 成人期には基礎代謝率が変動し、体重管理が重要になります。適切な食生活と運動習慣が健康維持に必要です。
老化の始まり: 30代後半から40代にかけて、身体の老化が徐々に始まります。例えば、肌の弾力が減少し、筋肉量が減少することがあります。これに対処するために、定期的な運動や栄養管理が推奨されます。
生物学的「大人」とは
生物学的観点から見ると、「大人」とは身体的・性的に成熟し、脳が発達して意思決定能力や感情のコントロールが向上した個体を指します。
社会的・法的「大人」
社会的・法的観点から「大人とは何か」を現代日本を基準に詳細に掘り下げて考えてみましょう。
法的定義
成年年齢(いわゆる成人)は18歳である。
選挙権と公民権
選挙権と公民権の獲得も18歳と定まっている。
社会的期待と責任
権利の獲得に伴い、また責任と期待も持つことになる。
家庭と職場での役割
社会的に家庭や職場で様々な役割を果たすことが期待される。
社会的な通過儀礼と文化
通過儀礼として成人式というものがある。
働き始めることの重要性
社会に参加する。
社会的・法的「大人」とは
社会的・法的観点から見ると、「大人」とは法的に成年年齢に達し、多くの権利と義務を持つ個人であり、社会の中で責任を持って行動し、役割を果たすことが求められる存在です。
心理学的「大人」
心理学的観点から「大人とは何か」を現代日本を基準に詳細に掘り下げて考えてみましょう。
精神的な成熟
自己認識と自己統制ができるようになる。
社会的スキルと対人関係
共感能力の発達と協力という社会的スキルの獲得。
人生の目標と価値観の確立
人生の目的を見出し、自己実現に向かう。
レジリエンス(心理的回復力)
困難に対処する力を持ち、支援システムを的確に利用できる。
心理学的「大人」とは
心理学的観点から見ると、「大人」とは自己認識と自己統制が発達し、共感や協力といった社会的スキルを持ち、自己実現や価値観の確立を目指し、困難に対処する力を持ち、的確に支援を利用することを判断できる存在です。
哲学的「大人」
哲学的観点から「大人とは何か」を現代日本を基準に詳細に掘り下げて考えてみましょう。
自我と自己認識
自我の発展により個の確立がなされる。自己と他者の境界を認知できる。
意味と目的の追求
人生の目的を見出す。探求と実現を図る。
倫理と道徳
社会的倫理を意識する。
存在論と時間性
自己の存在の意義を探求する。時間性を理解し、自己成長を図る。
哲学的「大人」とは
哲学的観点から見ると、「大人」とは自己認識と他者認識を深め、人生の意味と目的を追求し、倫理的に行動し、時間の流れの中で自己の存在を統合する存在です。
文化的観点
文化的観点から「大人とは何か」を現代日本を基準に詳細に掘り下げて考えてみましょう。
社会的観点と被る部分が多くあります。
これは日本文化がいかに社会に溶け込んでいるかということでもあります。
成人式
家庭内の役割
親としての役割はなにも親だけではありません。年齢的の上であるものがその役割を担うのが文化的特徴です。
結婚という儀礼を通じて配偶者としての役割も持ちます。
職場での役割
働くことの意味と働き方を見出すことも期待されます。
仕事を通して人生のキャリアを発展させることを期待されます。
社会的期待と責任
地域社会での役割を与えられます。
文化的伝統の継承を期待されます。
文化的「大人」とは
文化的観点から見ると、「大人」とは社会や家庭、職場において重要な役割を果たし、地域社会や文化的伝統を継承する存在です。
大人って結局なんなの?
各観点の要点をまとめてみましょう。
生物学的観点: 大人は身体的、性的に成熟し、脳の発達により高次の意思決定や感情のコントロールが可能になります。
社会的・法的観点: 大人は法的に権利と義務を持ち、経済的自立と社会的役割を果たすことが求められます。日本では18歳が成人年齢とされ、選挙権などの権利を持ちます。
心理学的観点: 大人は自己認識と自己統制を持ち、共感や協力といった社会的スキルを備え、自己実現や価値観の確立を目指します。困難に対処するレジリエンスも重要です。
哲学的観点: 大人は自己のアイデンティティを確立し、人生の意味と目的を追求し、倫理的に行動し、時間の流れの中で自己の存在意義を見出します。
文化的観点: 大人は家庭や職場、地域社会での役割を果たし、文化的伝統を継承します。成人式などの通過儀礼を通じて大人としての自覚が促されます。
これらを統合すると大人とは
身体的および精神的に成熟し、法的および社会的な責任を持ち、文化的・哲学的な価値観に基づいて行動する存在
であると言えます。
で、あれば逆説的になりますが子どもとは
身体的および精神的に未熟であり、法的および社会的な責任を持たず、文化的・哲学的な価値観に基づいた行動ができない存在
であると言えます。
子どもと大人
しかしながら、子ども・大人、どちらも変わらない要素がひとつだけあります。
それは「常に成長することを期待される」ということです。
子どもには、大人と同じレベルの責任を負うことが求められていません。なぜなら、子どもはまだ理性や社会性が十分に発達しておらず、これらに基づいて一貫した行動をとることが難しいからです。しかし、成長とともに理性と社会性が発達し、それに応じた行動が期待されるようになります。
大人とは、これらの能力が十分に発達し、責任を持ち、社会的な義務を果たすことが期待される存在です。そして、この責任には、それを遂行するための権利も伴います。
ただし、法的に成人年齢に達したからといって、即座に完全な大人としての責任が求められるわけではありません。
大人として期待されるのは、共存共栄する社会の一員としての役割を果たすことであり、常に成長し続けることも含まれます。
つまり、大人であることは、単に権利と義務を持つことだけでなく、自己の成長と社会への貢献を継続的に追求することを意味します。
「大人であろうとすることが大人」
これらを実現させようとする意思と権利、責任が伴う存在、即ち
「大人であろうとする」
ということが「大人」である条件と言えるのではないのでしょうか。
参考・推奨書籍
各観点をさらに詳細に深めたいという方のために参考・推奨書籍を4冊紹介します。
『父が息子に語る壮大かつ圧倒的に面白い哲学の書』スコット・ハーショヴィッツ
哲学的観点から大人になることを探るのに適した書籍です。
ハーショヴィッツは、実の息子たちとの日常の出来事をおもしろおかしくエピソードとして起用し、簡単な問いから深い哲学的洞察を引き出し、読者に考える力を養うことを目指しています。
本書は教育書としてもとても価値が高いです。
『子どもから大人が生まれるとき――発達科学が解き明かす子どもの心の世界』森口 佑介
発達科学の観点から、子どもが大人になる過程を探る一冊です。
心理学的な発達について詳細に解説しています。
子どもは単に未熟な存在なのではなく、大人と質的に異なる世界を生きているということを発達科学の知見から説明されています。
これも育児書として良書です。
『大人への手順』伊集院 静
週刊文春の人気連載「悩むが花」 初のジャンル別傑作選ですが人生の壁を乗り越えるための具体的な手順とアドバイスを提供するエッセイでもあります。
社会的・文化的な観点から大人としての役割を考えることに適しています。
『大人のための生物学の教科書 最新の知識を本質的に理解する 』石川 香, 岩瀬 哲, 相馬 融
生物学的な観点から大人になることを理解するための書籍です。最新の知見をもとに、生物学的な発達について学べます。
本書は学習としての生物学の側面が強いですが、それ故忌憚なく生物学的観点からの成長と成熟を学べます。
筆者について
曇戸晴維(どんと はれい)
エッセイ、便利情報、考察、小説を通して「生きる」ための発信をしている生活密着型物書きです。
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