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曇戸晴維@Daily Narratives Writer
2023年2月4日 12:50
リモートワークが増えたのは私にとって僥倖だった。 なにせ、乗車率が百パーセントを超える電車に乗る必要がない。 電車通勤のときの出勤は大変だった。 片道三十分以上の道のりを電車内でなにをするでもなく、ただただ無心で前の人の頭頂部、を見られればまだ良かったのだろうが、あいにく私の身長ではせいぜい後頭部をうらめしそうに見つめるしかできない。 同じ苦境を共にする仲間の後頭部を睨むのは、いささか
2023年1月31日 03:51
お義姉さんと、観光の予定の調整をしていく。 二人とも史跡にはあまり興味ないみたいだから、食べ歩き中心に、思い出に残るように写真映えするようなスポットを多めにした。「ここ、行ったことある?」 友達から勧められて行ってみたいと見せられたのは、最近、若い子に流行っている通販のアンテナショップみたいなものだった。 わたしは若い子向けなのかなあって思い込んでたから、ちょっとだけ気後れして使った
2023年1月31日 03:49
一人っ子のわたしは、兄弟姉妹というものに憧れを抱いていた。 だって、周りの仲の良い友人たちにはみんな、兄弟姉妹がいて、甘えたり甘えられたり、ケンカしたり。 私の両親は共働きで忙しい人たちだったから、物心ついた時には、ひとりでお風呂、ひとりでごはん、ひとりでテレビ。 まあ、慣れっこだったけど。 そんなだから、私は友人たちの話に、いいなあ、と思っていたものだ。 わたしの夫にはお姉さんがい