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【日記】おれは『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』を観たので思ったことを書く 【2023.7 無料記事化】

★2023年7月、もうそろそろいいかな……ということで「無料記事」にいたしました。
 当時、またはその後で購入していただいた皆様、ありがとうございました。

★2022年3月15日 記事購入の御礼特典として、「宣言してるやつ」の一部を添付しました。

★7月8日/9月2日 「二次創作」が無期延期の旨、追記しました。


 こんにちは。ゾウをやっているドントと言う者です。完結編と銘打たれた『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』は、12日(土)よりいろんな劇場にて公開です。



 テレビ放送から11年、その後も断続的に燃料が投下されていた本作。その流れと私の思いの丈などを記した文章はこちら↓↓↓




 さてこの映画、実は2月28日に先行上映(舞台挨拶つき)が行われまして、こりゃ行かにゃ、ってんで私ははるばるライブビューイングをしている映画館まで出向いて、先んじて観ていた。


「ワァ…………」となった。


 観ている間はすごい感情が飛び交い続けて「ワァ…………」となる他なく、舞台挨拶の最中も「ワァ…………」、観終わって劇場を出てからも「ワァ…………」、帰途もずっと「ワァ…………」、お布団の中でも「ワァ…………」となっていたのであるが、ようやっと自分の中で整理・総括できそうな心持ちになったので勢いまかせに書くことにした。なんせ「完結編」である。こっちの気持ちも完結させとかないと終わらないのである。


 なお私は自己紹介やアイコン他どこからどう見てもゾウであり、「ネタバレ」とか「スポイラー」とか言われる人間界の掟に従う理屈はなく、全くの無慈悲に内容を書いていく。
 またうるさ方のファンのひとりとして、「なんかこう、それは、どう?」みたいな文章も躊躇なく書いていく。そのへんは、ね! お察しください……。

 そんなわけで、うっかりスクロールして

「アンクの俳優が三浦涼介から哀川翔に代わる」
「ガメルが賢くなって『よしんば……』とか『畢竟……』とか言いはじめる」
「いろいろあるけど最後は里中くんのアッパーカットで決着、世界平和」

 などの致命的なネタバレを皆さんが見てしまわないように、「100円の有料記事」設定にし、返金可能にします。

【2023年7月追記 公開してだいぶ経ったので、有料設定は解除しました。購入してくださった皆様、ありがとうございました。】

 たぶん他のファンの皆さんと同じようなお気持ちがドァーーーッ、グァーーーッと決壊しているだけなので、「へん、こんなもんかい」と思った方はどんどん返金しちゃってください。







以下 ネタバレと感想とお知らせ







 まぁそんなわけで映画開始20秒くらいでアンクが復活するわけでありますが……えっ早い? ネタバレが? あぁ展開がね……それはそうね…………。
 たぶん観客全員が面食らいましたよね。予告ではクライマックスで山が大爆発、満を持してアンクがフワァッ……手をクロスして……エロかっこよく復活……みたいに思わせてありますので。クイックガストより早かったからね。ビックリですわ。

 それはアンクも同様で、「えっ、映司の声がしたと思ったら復活したんですけど……」「世紀末都市みたいになってんじゃん……?」「えっ古代のオーズとグリードおるやん」「ウワーッ人間が火器をぶっぱなしはじめたーッ!」と驚いてばかり。観客と同等の気持ちで逃げ惑う。


 この唐突な冒頭、「急に復活したので状況がわからない」「なので世界がどうなっているのかを他のキャラたちがアンクに説明してくれる」という導線が引かれている点でとても便利だったことは確かである。
 いわゆるVシネマなので潤沢な予算もなく時間も余裕もさほどないであろう中(3週間で撮ったそうな)、視点者をアンクに置くことで俯瞰する必要がなくなり、「世界がヤバいことになっている」「けど舞台はアンクの周囲だけなので限りなくミニマムに済ますことができる」のふたつを成立させている。まぁそれにしても、ちょいとこぢんまりしすぎてる感はあるのだけど……


 ともかくこのように、今回の主人公はアンクなのだ。映司ではない。


 テレビの最終回から前の客演までが「映司がアンクを追いかける」物語であったとするなら、本作はその裏返し、「アンクが映司を追いかける」物語なのである。

 ついでに言うと今までの反動の如くアンクは情緒を蹂躙されまくる。舞台挨拶で「台本を読んだ時……飲み込めなくって……」とアンク役の三浦涼介が泣きながら語っていた。むろん映司役の渡部秀も泣いていたし比奈役の高田里穂も声を詰まらせていた。ほうら……雲行きが怪しくなってきたろう……? まだ観てないのにこの文章を読んでいる人、今ならまだ引き返せるので早く映画館に行くかソフト/配信を待った方がよい。忠告はした。しましたよ。


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 まぁそんなこんなで、映司は死ぬ。というか冒頭でもうほぼ死んでいて、いろいろあって「延命処置されている」状態だったのが、最後の最後で死ぬことになる。
 アンクは生き返るけど映司は死んで、みんな泣いて、パンツのお墓が立って、仮面ライダーオーズ、完。


 …………いや、本当なんですよ、これ。

 予告編の映司の「おかえり、アンク」の声がなんか重くて不穏、こわい、ちゃんと手を繋いで、という上の記事の私の直感が当たっていたわけで。

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(↑ここ)

 しかしこんな当たり方はしてほしくなかった。10周年が新たな命日になってほしくなかったですよ、私は。そりゃ28日最速上映の舞台挨拶で岩永さんもスベりますわ! 笑い取れませんよ!



 で……この展開について、分割して整理しておきたい。


1.映司は、復活した古代の王=初代オーズの手から一般市民の少女を救おうとして命を落とす

2.死に際の願いとして等価交換の如くにアンクのメダル=命が復活する

3.アンクとのふたりはじめての共同作業を経て敵を倒したあと、映司はアンクと比奈に看取られつつ、救おうとした少女も無事だったことに安堵して満足して(今度は本当に)死ぬ




 1.と3.は視聴者が5回くらい見せられてる「紛争地の少女を救えなかった苦しみ」からの解放であり、2.の「アンクを生き返らせる」は、映司の悲願のひとつであったわけである。
 元より映司は「自分の身を犠牲にしてでも人を助けたい」といういささかに危うい感性を持っており、本作はその2つの大きな願いを満たす必然的帰結と言ってもよいのかもしれない。彼が心から満足できるのは、自分の命を犠牲にして人を救った時だけであったのだ、と…………




 …………いやぁ、それにしてもさ。
 それにしてもだよ?
 これテレビの最終回/MOVIE大戦MEGA MAXの時から映司くん、逆行してないッスか? とボク思うんですよ。



 テレビの最終回で映司くんはアンクに命がけで助けられて、地上で待っていたみんなに受け止められて、
「あぁ俺にはこんなに仲間がいたんだ」
「ひとりじゃなかった」
「手を繋ぐことで助け合えるんだ」
 って独白してたじゃない。
 世界各地を旅して人助けをやりながらアンクの復活の手立てを探しつつ、日本の仲間たちと連絡取り合ってたじゃない。

『MOVIE大戦MEGA MAX』では未来からやって来たアンクの姿に、比奈ちゃんと共に「いつか、アンクは復活するんだね。いつかはわからないけど、いつかの明日……」と希望を持っていたじゃない。


『復活のコアメダル』本編でもそのへん、「アンクが帰ってきたと思ったら、今度は映司くんがいないなんて……」なんて台詞でカバーされてるけれどもさ。
「楽に助かる命はないな」という映司の印象的な台詞を、本作ではアンクが言ってたりもするけどさ。
 映司がアンクを命がけで復活させるのは、アンクが映司を命がけで守ったテレビ最終回の綺麗な反転ってのもわかるけどさ。
 さっきも書いたけど、強迫観念じみた自己犠牲の帰結であり、映司はやっとこれで満足した、魂が救われたのかもしれないけどもさ。



 ちょっとね、あんまり残酷じゃあないですかこれ。
 理屈は合っとるけど心と体がついてこんのよ。



「いつかの明日」が来て、手を繋いだと思ったら、もう映司はいないんですよ。それでオーズが終わるんですよ。
 こんなことってありますか。
 ありますか!!!!!


 最終回から映画、ジオウ客演まで繋がれてきた「いつかきっと」という思いや願いがこういう形で終わりを迎えるというのはね、ボカァちょっとつらすぎるんですよ。つらい。
 っていうか死んでる映司にアンクがいつもの腕スポッ憑依をやって「二人で一人の仮面ライダー」「映司とアンク ふたりはプリキュア」という感じで終わってもよかったんじゃないんですか。それだとおざなり? 甘い? 「完結編」にならない? いや、けどさぁ。いつかの明日が来た→死!! ってのは、悲しすぎやしないかい?



 つまるところ火野映司は『ランボー』と同じだったと言うことだろうか。
 シルベスター・スタローン主演のこの映画の主人公、ジョン・ランボー。彼はベトナム戦争で負った心の傷に幾度も塩を塗り込まれ、呼び戻され、その度に抵抗や戦闘や殺戮に走る、走らざるを得なくなる。
 シリーズ5作を通して繰り返しているのはもはや「因果応報の暴力」にとり憑かれて抜け出せない男の姿だ。
 その呪いは嘆いても、戦地を離れて山奥に隠れ住んでも、故郷の家に帰っても宿命のように追いかけてくる。
『ランボー 最後の戦場』では彼はふとしたきっかけで過去の苦しみがフラッシュバックする。その中には「かつて仕えた大佐から安楽死のように射殺される」という存在しない過去も混ざっている。
 これは実は第1作目の『ランボー』の別エンディング、ありえたかもしれない世界線である。生き延びず死ぬことで完成したランボー、それが火野映司なのか……?


 にしたって、ランボーはひとりきりかもしれないけど、映司には仲間がいたじゃない。アンクちゃんがいたじゃない。おまけに俺ら(ファン)もいたじゃない。ランボーは死んでも仕方ないみたいな言い方してる気がするけどそれはともかく。
 彼ら(俺ら)を置いてひとりで満足して旅立っちゃうなんてひどくないかい。それが映司の欲望の深さと言われたらそうなのかもしれんけどさ。残された者はどんな気持ちで生きていけばいいのよ。
 っていうかひとり残されたグリードのアンクはこの世界でどう生きていくんだ。鴻上にセルメダルもらいながら細々と暮らすんか。30年後(MOVIE大戦MEGA MAXの未来世界)も生きてるから、たぶんそうかな……かなしみ……

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 と、ここまで書いたところで本作の脚本、毛利亘宏さんが書いた『小説版 仮面ライダーオーズ』を読み終えた。遅い。

 古代オーズとグリードのことを語る本編補完的な「アンク編」、奇ッ怪ながらも熱く展開するけどなんか変な「バース編」はさておき、気になったのはテレビ最終回後、世界を放浪していた映司が砂漠の国の内戦をオーズに変身して止めんとする「映司編」。

 これを読むと毛利さん、小林靖子が書いた最終回をちゃんと見て、なるほどね、と理解しておられるんですよね(ソリャソウヨ)。
 小説では映司の心に前記のような、「自分を犠牲にしてまで人助けをするという考えは間違っていた」「人と手を繋いでいけば、より遠くまで助けの手が伸ばせる」といった考えがきちんと宿っていることも書いている。
 ただしそれが宿った上で、言葉を発さない割れたアンクのメダルに問いかけてから、「部族同士の戦争にオーズに変身して介入、兵士を傷つけることなく国内の兵器を全て破壊しつくす」という無茶な行動をやっている。やっぱりやっちゃう時はガーッといっちゃうんですよね、こいつ……。そして、もしうまくいかなければ……


 そうなるとやはり相当の決意というか、やんわりとした着地を「選ばなかった」、意地悪や冷笑や逆張りじゃなく、本当にこの形で終わらせようとこれを書いたというのがわかってくる。
 こっちが「悲しくない……?」と言っても「そうだね……けれどこれが結末なのだよ……」と堂々返されるだけ。硬い。公式硬い。


 いやそれにしてもね?(4回目)
「こっちの気持ちも完結させとかないと終わらないのである」とか書きましたけども、これじゃあ終われないんですよ!
 アンクのコアメダルを握りしめて映画館の座席にいた私の気持ちの持っていきどころがない! 感情が理屈と現実を受け入れない!
 けど「つらい」「かなしい」「納得いかへん」「でも終わってもうたんや」の堂々巡りになってしまう!




 そんなわけで、続きを書くことにしました。『復活のコアメダル』の続きを。
 私が。勝手に。無料で。
 二次創作で。



 何を言ってるのかわからないと思うんですが、このままでは私の気持ちが完結しないんです。心の治療です。

 幸いなことに、小説っぽいものを拙いながらも多少やれるので、いま書いております。中編から長編になることでしょう。BLにはなりません。あしからず。
 基本的には自分を救うために書くものなので、ファンとしての自分を甘やかす方に舵を切ります。その分作者としての自分は苦しみますが……。
 つじつまと勘定を合わせて、安直にはならずに、しかし全面的にうまくやる方向で行きます。名前だけ出てきて放置されてる「ギル」さんもどうにかします。何者なんだ、ギル……! なおドクター真木は救えません。あの人バラッバラになったんで。ごめんね。キヨちゃんは出せれば出します。

 
 ほら、オーズ世界って人類が滅んだわけじゃないですし。『MEGA MAX』の「40年後」、2051年っていう未来がありますから。それをこう、アレしてね。あーいけるいける。いけるよ。これいける。たぶん。



 そんなわけで

『仮面ライダーオーズ ビヨンド ~王の帰還~』(仮)

 の連載をやっていくつもりでしたが、体力が続かず、無期延期となっています(2023.7追記)

 今月中にプロローグと第一章をアップして、
 月に1~2回は更新し、
 『復活のコアメダル』のソフト発売(8月24日)までには終わるよう


 に頑張ります。太字にしていちいち改行しているのは、自分を追い込むためです。ウグッ…


 
 いつかの明日は、俺が書く。





【非公式のいつかの明日へ 続く】


【特報】


「勇者は一度死に、そして甦る──
 すべては、すでに書かれていることだ」


オーズ完結編、その先へ


「こんなタイプのヤミーは見たことない」
「世界は真の王の下、統治される」
「つまりッ! 過去は変えられないということだよッ!」
「こりゃ大変だぞ後藤ちゃん」


「アンク、帰ってきてね」
「あぁ、わかってる」
「2人で。──2人とも、一緒にだよ」



「840年待った。もう誰にも止めさせない」
「フン……止めてみせるさ。俺たちの欲望でな」


仮面ライダーオーズ ビヨンド
~王の帰還~



「ただいま、アンク」


……………………………………………………………………


【おしらせ】

 こういうわけで執筆が滞っており、いつになるやらわかりません。すいません。
 ちなみに本作をなかったことにはしないまま「40年後」も「ギル」も全部が丸く収まるプロットは完成しています。俺は正気だ。


 なお東映特撮ファンクラブにて配信の仮面ライダーバースのスピンオフ、パラレルワールドのオーズ物語はまだ観れておりません。と言うか、どんな顔をして観たらえぇんやろか……?


🔴🟡🟢3月15日 追記

【記事購入 御礼特典】
○○○王の帰還 本編部分 先行公開○○○

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