キミはいつか、地球(ほし)の英雄。
太陽が眠りにつく海の中へ彼女も身を沈めようとしていた。丸くちぢれた髪を潮風に流しながら、セーラー服の彼女は海に向かって立っている。そのしなやかな力強さは向日葵のようでさえあった。太陽は己の身体を海に溶かして、波打つ水面を橙に染めている。寄せては返す白波に彼女は歩を進めた。食い意地のはった波が泡立ちながら、浜についた彼女の足跡をも飲み込んでいく。逆光。濃い影に塗りたくられた彼女の背中は、まるで人の形をした深い穴かのように見えた。くるぶし、膝、腹。徐々に彼女は海に浸かっていき。