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益田ミリさんの本【ゆるふわタッチに油断禁物!】

益田ミリ

本屋でこの名前を見たことがある人は多いのではないでしょうか。
名前は憶えていなくても、ゆるーいタッチの表紙、丸みを帯びた線で描かれたキャラクターに見覚えのある人は多いでしょう。

今回は益田ミリさんの本(通称:ミリ本?)を2冊ご紹介します。


〇著者

益田 ミリ
・1969年大阪生まれ
・イラストレーター、漫画家、エッセイスト
・「すーちゃん」という女性キャラクターの日常を、ゆるふわタッチで描くコミックエッセイを多く出版している

〇ジャンル

コミックエッセイ

〇あらすじ

『すーちゃんの恋』

37歳になったら結婚して、子供を産んで、「お母さん」になっていると思っていたすーちゃん。
ところが、いざ37歳を迎えると、結婚どころか彼氏もいない。
そんな、すーちゃんが恋愛や結婚、子育てについて考えたり、悩んだりするお話。

『世界は終わらない』

すーちゃんがかつて働いていたカフェの隣の本屋で、書店員として働く32歳の土田君がメインのお話。(スピンオフ的な感じ)
本が好きな土田君は、色々な本に思いを馳せつつ、仕事、結婚、将来について考えを巡らせる。

※それぞれ近い時系列を、すーちゃん、土田君の2人の視点で描かれているので、2冊とも読むのがオススメ。


〇感想

・変わった出来事や大きな展開は特に起こらない。だが、そこが良い。
読者である私達の世界と地続きであるかのように感じる、等身大の日常が描かれている。

・絵のタッチがゆるふわなので読んでてほっこりするし、非常に読みやすい。

・ほんわか系のコミックエッセイと思って油断していると、突然核心を突いてくる場面がくる。
この本では登場人物のひとりごとが描かれる場面が多いが、それは多くの人が考えたり悩んだりしたことがあるけど、モヤモヤして言葉にならない思いを、彼女(彼)たちが言語化してくれている。

いいところばかりにその人らしさがあるんじゃなくて
おかしなところもあるあたし全体が
あたしなわけで
これが、味わい?
みたいなものになっているのではないか?

なーんて分析してる場合か?ハハハ

『すーちゃんの恋』より

・面白い~、サラサラ読めた、登場人物たちかわいい!という、ただのゆるふわエッセイでは全然なくて、考えさせてくれたり、こう思っていたのは自分だけではなかったんだと思わせてくれたりするからこそ、人気のあるシリーズなんだと感じる。

アイツ、もうオレのこと忘れてんだろうなぁ
で、オレのことは忘れても
オレの部屋で読んだ『スラムダンク』は一生忘れないんだろうなぁ

『世界は終わらない』より

オレの人生が誰かに読まれることが
この先、絶対にないとは言いきれないけれど
限りなく「絶対」に近いわけで…
けど、それでもいいと思っている
悲観してるんじゃないんだ
うらやましいのとも違う
ただ、ただ、オレの人生の意味ってなんなんだろうって
問いたくなる夜もある
な~んて

『世界は終わらない』より

・今、元気で特に悩みも無いという人はさらさらと読めてしまうと思うが、モワッ、モヤモヤとした気分の人が読むと心にストンと落ちてくる場面があるはず。

・ちょっと不器用な登場人物たちのクスッとなるエピソードも良き。

・時系列のあるシリーズ本ではあるが、途中から読んでも何となく「この登場人物はこういう人なのかな」と分かるので、タイトルや表紙で気になったものから読んでも問題ない。

以上です。
最近難しい本や分厚い本を読んでちょっと息抜きの本が読みたい方、普段読書はしないけど何か気軽に読みたい方はぜひ読んでみてください!

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