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新規事業にはストーリーが必要だ

※この記事は2,973文字、約6分で読めます

たまには自分の仕事と近いことを書こうと思います。

私は普段ベンチャー企業で新規事業の立ち上げをやっています。そして副業でも他社の新規事業企画や立ち上げ、事業推進を一緒にやったりしています。

そんな、新規事業に魅せられてどっぷりと楽しんでいる私が、色んな会社で新規事業に携わった中で感じた、成功する事業にあって失敗する事業にはない要素を、自身の経験を振り返りながら考えてみます。

「誰の」「どんな悩みを」「どうやって解決し」「どんな状態にしたいのか」

まずはっきりと言えるのが、新規事業だろうが既存事業だろうが、上手くいく事業は必ず関わる人間が「誰の」「どんな悩みを」「どうやって解決し」「どんな状態にしたいのか」という質問に即答できます。

誰の=ターゲットは誰なのか
どんな悩みを=課題、ペイン(痛みや問題)
どうやって解決=方法、プロダクト、ソリューション
どんな状態にしたいのか=問題が解決されたことでどうなるのか

これを関わる人達が即答できる状態=全員が目指す方向をしっかりイメージし言語化できていると、チームとして大きな推進力が生まれます。

特に新規事業はスピードとパワーが既存事業よりも重要になります。何もないところから新しいものを作るんです。時には力業も必要になりますし、思いついたことは素早く試して素早く改善することが求められます。

そうなると、チームの推進力が高ければ高いほど少ない時間で色んなことを試し、色んな成功と失敗を経験することができるので、結果的に成功の確率を上げることができるんです。

新規事業をおこなうチームのリーダーは、必ずこの4つのポイントをチーム全体で共有することを徹底すべきだと思います。

課題に向き合うと様々な想いと出会う

そして、誰かの悩みを解決しよう!と課題と向き合い取り組みを進めると、様々なドラマと出会います。

例えば私が前職で立上げた「ランサーズアシスタント」というサービスは、オンライン上に自分のアシスタントチームを持てるサービスです。
ディレクターと呼ばれる超優秀な人材が窓口となり、色々なスキルを持ったアシスタントチームをまとめながら利用者の困りごとを解決してくれます。
(気になった方はこちらからどうぞ)

そのサービスで私は、クライアントとなる企業の雑務時間の多さを課題として捉え、雑務に時間を使う状況→コア業務へ集中できる状況を作ろうとしていました。

さらに私は、オンラインアシスタントとして一緒に働くメンバーの課題も解決しようと考えました。

日本では、家族の転勤や出産など、何かしらの事情で働いていた会社から退職し、一旦家庭に入っているとてもとても優秀な主婦の方がたくさんいます。
しかし、彼女たちは一度現場から離れて時間が経ってしまうと、「自分が再度復帰して役に立てるのだろうか?」と不安を抱えてしまう方もいます。

ランサーズアシスタントでディレクターを募集した際に出会った山本さんはまさにそんな方でした。

旦那さんの転勤でバンコクへ家族みんなで移り住み、長年働いた会社も辞めて急に異国の地で専業主婦のような状態に。
それまでバリバリ働いていた山本さんは、バンコクへ移住後、最初はとても不安だったとおっしゃっていました。

とてもバイタリティのある方なので、私が紹介を受けはじめてお話したときはまだ移住して日も浅いにも関わらず、すでに現地でボランティアのような形で企業のお手伝いをしていました。

でもそれは、慣れない状況の中でじっとしていることが不安だったんだと。

こんな優秀な人でも不安に思うものなのか、ととても驚きました。それと同時に、これは今自分がやっていることで解決できると確信しました。

他にも男女問わず、子供と一緒に過ごす時間を作る為に、あえて会社に雇用される形はとらず、フリーランスとして活動している方や、大手広告代理店で様々な業務をこなしていたが、退職後に長いことパートなどの仕事しかしていなかったので企業の実務ができるか不安、という方など、たくさんの悩みや不安を持った方と出会いました。

でも皆さん共通していたのは、「社会の中で自分の価値を発揮したい」という想いでした。

想いがストーリーに変わる

私はアシスタントチームを作る際にたくさんの人と会って話し、この事実を知りました。そして、労働人口が減っていく中で、この課題はいずれ大きな問題となるだろうと感じ、働く側の課題も同時に解決できる状態を作ろうと考えました。

そういう想いでサービスを作っていくと、不思議とアシスタントの方々がサービスを自分事化してくれるようになりました。
「もっとこうしたほうがいい」「こんなことをしたらうまくいった」など、意見や情報共有を能動的に発信してくれるのです。

こうして、アシスタントメンバーが共犯者になりました。
共犯者が増えたことで、どんどんサービスは進化していきます。

その過程を、私はクライアントや周囲の人達に話します。
「家庭の事情で退職された優秀な方がディレクターとして集まってくれています」
「優秀過ぎてメンバー間で情報共有とかしてくれるので、私たちの想定以上に改善が進んでるんですよ」
「実は昨日共有を受けたんですが、こんな事例でこんな結果が出てるんですよ」
などなど。

すると、周囲の人が興味を持ってくれます。どうやってそういう状態が作れたのか。どんな風に結果を出したのか。と。

そう。課題やその人たちと向き合ったら、共犯者ができ、色んなことができるようになった。というストーリーが生まれたんです。

ストーリーが生まれたおかげで、色んな企業さんと色んな取り組みをすることができたり、営業時に価格では無い部分で選んでもらうことができるようになりました。

新規事業はどれだけ周囲を巻き込めるかが生死を分ける

これまでいくつかの新規事業に関わってきましたが、上手くいく事業は必ず周囲の共感やサポートを得られやすい状況を作れていました。

人は自身の気持ちが動くもの、感情が動くもの、つまり「感動」したものしか興味を示しません。
その感情を動かすものこそ「ストーリー」です。

周囲の感情が動けば、共犯者、つまり仲間が増えます。
仲間が増えると、自分たちだけではできないことができるようになります。
様々な情報も集まるようになります。

もちろん戦略や事業計画、秀逸なビジネスモデル、KPIの設計なども大切です。
しかし、この仲間が増える状況を作ることこそ、新規事業には最も欠かせない要素と私は考えています。

仲間がいたほうが楽しいですしね。


私は、新しい事業を一緒に作る際、必ず「意識の共有」と「この事業のストーリー」の2点を意識します。
そして、それを中でも外でも話まくります。

そうやって、生み出した事業が羽ばたいていくひとつの人生に関わるのがすごく好きです。

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