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履歴書の空白期間に恐怖感は不可避だけど「余白」も大事にしてほしい

えとみほさん @etomiho こと江藤 美帆さんが東洋経済オンラインの『キャリアブレイク〜履歴書の空白と生きる〜』に取り上げられており、メンタルヘルスを崩したことがある身としては当然のようにページを開いてました。

ぼくはえとみほさんほどバリバリにやってきたわけでもなければ、輝かしく引っ張り凧になるような存在感を持ち得ているような人間でもありませんが、過去に履歴書の空白ができたことがあります。

前編で語られている内容は「休むことの重要性」で、後編では「余白の大切さ」について触れられており、直に面したことは一度だけしかないものの、改めてえとみほさんに魅力を感じただけでなく、挫けてしまう心に寄り添ってくれるようなやさしさを見出せる記事でした。

今回、この記事を受けて在宅フリーランスという名の引きこもり失業者で自宅警備員を担っている身として思うところがあるだけでなく、過去に履歴書に空白期間を空けたことのある経験を想起しながら履歴書の空白期間を恐れ慄いている人に向けて手紙みたいなものを書いてみようと思います。

どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

空白期間の怖いことと防ぐ方法

履歴書の空白期間を恐れる理由はいくつかあるでしょうが、大きなものとして「直近の生活」と「今後の評価」に大別されるのではないでしょうか。

直近の生活「身銭が入ってこない」

直近の生活でいうと、直接的に生活費となる身銭が入ってこないことが不安要素となる人が多いでしょう。

ぼくが20代の頃(10年前)キャリア観では転職をするなら生活費を○ヶ月分は用意しておいた方がいいなんて言われるぐらいに、転職においても金銭的な安心を担保してからすべきだと考えられていました。

いまは労働市場において求職者が有利な状況ではあるため、転職先でこれまでの年収よりも引き上げてくれようとする事業者は増えましたが、休職などの空白期間を設けてしまうとそうはいきません。

しかしですね。

たとえば、在職中の方で体調不良を理由に休職をしている場合には給与の6割程度の傷病手当金が加入している保険協会や組合から支給されますし、受給期間は1年6ヶ月と長めに設定されています。

仮に退職したとしても、医師からの診断書をもらい続けることが可能ならば傷病手当金をもらい続けることが可能なため、満額とはいかないまでも生活費を得ることは可能です。

空白期間を設けてしまうことの大半は、何かしらの疾病による体調不良からの離職となってしまうケースが多いことでしょうが、身銭がまったく入ってこないわけではないことを覚えておいてください。

ただ、えとみほさんのケースのようにフリーランスとなると話は変わってきます。

えとみほさんのようにフリーランスとなると各種社会保険による雇用保険による失業手当や出産等の産休も育児休業に対する補償対象ではありませんから受給できません。

えとみほさんのケースは稀なので生活費に対する不安の解消という点では参考になる部分はないかもしれませんが、少なくとも日銭を稼ぐために焦って休むことを怠っては得るものも得られなくなります。

今後の評価「次の職場探しでマイナスでは…」

生活費を稼ぐことを不安に思うのはフリーランスで月々の仕事をこなしてカツカツに生活をしている人以外であればさほど問題はないでしょう。

在職中から休職して離職にまで至ってしまった場合、次の転職先に向けてどう説明したらいいのか。そもそも説明すべきなのかどうか…メンタルヘルスを損なったことはマイナス評価につながってしまうのではないか。

そう心配になる人もいるでしょう。
その気持ちは痛いほどに理解できます。

ただ、この点も自らの精神的な安寧を得るために、少々ずる賢く考えてしまってもいいのではないでしょうか。

「もう戻りたくない」と思えてしまうような職場だったのであれば、休職期間中に手当をもらいながら転職活動をしてしまうことを検討していいでしょう。転職先には離職時期の関係で…と少し配属時期を待ってもらうように交渉することで一定の期間を確保することだってできます。

もしくは、休職から離職となったとして、適応障害であれば環境が一変することによって体調が即座に回復する可能性もありますから、離職してから1ヶ月ほどはしっかりと休みながら次の職場を探すのもありです。(もちろん、医師の診断を大切に聞き入れてしっかりと休むことが前提。)

また、次の職場へ自身の体調不良について述べるかどうかは体調がしっかりと回復しているのであれば無理に伝える必要はありませんが、それを汲んでくれる職場であれば所属しやすいことは間違いないので、受け入れてもらえるのかどうかを含めて伝えることで長期的には楽に働ける職場になるのではないでしょうか。

メンタルの不調は決して隠すようなことではありません。

新型コロナウィルスに感染してしまったからといって差別を受けるようなことがあってはいけないのと一緒で、メンタルヘルスを損なってしまったからといって機会を提供できない職場なのであれば、むしろ所属すべきではないでしょう。

履歴書の空白期間よりも怖いこと

履歴書の空白期間を恐れるあまり、自重せず、無理矢理にでも自身を酷使し続けることによって想定されることは、ボロボロのボロ雑巾のような精神と肉体を維持するだけの乾いた人格への悲しい変貌です。

そうなってしまってはマイナス状態から抜け出すのに相応の時間が必要となりますが、その「相応」には性格などの個体差や環境、状況等が影響してくるため、一概にどれほどだと断定できるものではありません。

下手したら取り返しのない状態にまで陥ってしまいかねないのです。

仕事ができなくなる程度ならまだしも、自らの生命を維持することすら危ぶまれるような状態に陥ってしまうことだって十分に想定できてしまいます。

ムチを打ち続けてもウマは自身が持つ走行能力以上には走れません。

ズダボロの雑巾のようになってしまうぐらいなら、たとえ身銭が稼げなかったとしても、休んでください。

現在、在宅フリーランス(引きこもり失業者)になっていて、その恐怖感を存分に理解できますし、もし、仕事をしなかったとして、自分の存在価値とは何か、そもそも存在していいのか…といったことを考えないわけではありません。

それでも、やっぱり大事にすべきは自分自身の、家族にとってのあなたという存在であり、あなたの健康や笑顔なんだってことを忘れてほしくはないのです。

なんだかクサいことを書いてしまいましたが、家族といても物悲しさと後ろめたさのような感情を抱え続けて笑顔も出なくなり、無味無臭な人生を生きているような寂しい経験をしたことからの反省と自戒でもあります。

『いのち、だいじに!』が終わって、心身ともに健康な状態を取り戻せるようになったのなら安心して「ガンガンいこうぜ!」へと切り替えればいいんです。

おわりに

自分自身が精神疾患を背負い、障害手帳を取得するところまで至った経験から言えるのは、痛みを知ることの大切さでしょうか。

うつ病は精神的に弱い人がなるのではなく、自身のあり方や生き方に現状と乖離してしまうことによって起こる、いわば人生の不一致に苦しんでいる状態だと言えます。

人生の不一致ですから、自身で取り戻す以外に方法はありません。他人の手を借りることも必要でしょうし、何かしらの補助や支援が必要なこともあるでしょうが、それもこれも根本的には自分で自分を取り戻すためにすることです。

そんなわけで、今日も和かに過ごしてくれる人が増えるよう願っています。

ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)


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