リスキリング狂騒曲に踊らされないために
どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。
最近、リスキリングって言葉を聞かない日はないですよね。いや、あるな。たくさんあるわ。
まぁ、でも政府や企業、各種メディアで、「リスキリング!リスキリング!」って叫ばれる様子をみていると、「いったい、これは何なんだ」と疑問に思い始めてきましたよ。
正直、ぼくもついこの前まで「へぇ、なんかすごそう。」とか「大事なんだろうな」ってうすーく思ってましたよ。
ほら、こんな感じで記事を書くぐらい…思ったよりも書いてたな。
でも、ちょっと待って。ね、待って。
本当にリスキリングしたら世の中うまくいくのなんでしょうかね。 もっと言えば、我々の人生はどうなるのかを考えざるを得なくなってきましたよ。
今回は、このリスキリング狂騒曲の舞台裏を勝手に考えてみようと思うです。
「スキル」の再定義は時代に必要なものでなければならない
まず、みなさん何気なく使っていますが、リスキリングを考える前に「スキル」ってなんだってことを考えなきゃいけませんよ。
プログラミングができる、英語が話せる、AIを使いこなせる。
たしかに、これらは「スキル」でしょう。
でも、急激に変化する今の時代、VUCAね。VUCA。なんだっけ。
Volatility(変動性)
Uncertainty(不確実性)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(曖昧性)
要は、目まぐるしく変化の著しい予測困難な状況を指し示すために使われるイキった言葉。
で、上に書いたような具体的なスキルって、あっという間に陳腐化しちゃうでしょ。正直、過去のぼくは「プログラミング勉強しなきゃ」って焦ってた時期がありましたが、そもそもExcelのマクロを組めるようになっとけよって思い返すことになったことから「あれ?なんでプログラミング…やろうといしたんだっけ」ってなったことがあります。
じゃあ、本当に必要な「スキル」って何なんでしょう。
個人的に思うのは、以下の3つ。
変化に対応する力
新しいことを学び続ける姿勢
複雑な問題を構造化し、解決策を見出す能力
これらって、どんな職種でも、どんな状況でも役立つメタスキルだと思うんです。
たとえば、今日覚えたプログラミング言語が明日には古くなる可能性があります。AIが出てきてからは、より一層、その雰囲気が強くなってきましたよね。でも、新しい言語をすぐに習得できる能力があれば、それは強い武器になりますよね。
要は、新たな技術や知識に適応しやすいってことですから。
それってのは、AIやテクノロジーが発達しても、複雑な問題を整理し、創造的な解決策を見出す能力があるってことですし、人間にしかできない重要なスキルだと思うんです。
これ、案外日常的なところから鍛えられるんじゃないですか。
たとえば、月に1冊、全然違う分野の本を読むようにするってのでもいいと思うんですよね。
正直、面倒くさいとは思うのですが、意外な発見があって楽しくなってくるはずですよ。先月読んだ料理の本が、仕事の段取りを考えるのに役立った利するってことも起こり得ます。みなさんもちょっと試してみてください。
リスキリングバブルで誰が得をしているのか
さて、次に、少し意地悪な見方をしてみましょう。このリスキリングブーム、誰が一番得をしているんでしょうか。
政府は失業率対策の切り札として期待しているんでしょうし、企業は人材不足が社会問題化してきたこともあり、即戦力の人材獲得チャンスに乗っかるためにリスキリングの文脈を利用しているんじゃないですか。
あとは、教育産業は少子化の流れが止められない以上、大人とか高齢者に向けてサービスを展開しなきゃってことで「乗らなきゃ、このビッグウェーブに」って感じで乗っかってますよね。
でも、本来であれば恩恵を享受しなければならないのは我々労働者でしょう。
たしかに新しいスキルを身につけられるかもしれない。でも、その分の時間とお金は自己負担。しかも、身につけたスキルが本当に役立つかどうかは保証がない。
これって、ある意味でリスクを全部個人に押し付けてるようにも見えますよね。「自己責任でスキルアップしろよ」って。
だからといって、何もしないわけにもいかない。ここが苦しいところですよねぇ。
でも、ありがたいことに、無料で学べるところってのはたくさんあります。というか、インターネットがあるおかげで英語も翻訳すれば理解できるし、何よりも無料で情報が公開されている!
これを使わずに生きることなんてできません!さぁ!みんな、無料で学べるなにかを存分に利用しましょう!
リスキリングの本当の目的を考える
もう一歩踏み込んで考えてみます。
リスキリングの本当の目的って何なんでしょうか。
社会の要請としては、経済を回すための「使える人材」を増やすこと。これは分かります。でも、個人にとっては、もっと幸せに、充実して生きることが目的のはずです。
この2つの目的、実はけっこう乖離があるんじゃないですかね。
リスキリングを考える時、「社会の要請に応えるスキル」だけじゃなく、「自分らしく生きるためのスキル」も同じくらい大事だと思うんです。
「最近、何が楽しかったかな」とか「どんな時にやりがいを感じるかな」、もっというと「自分って何をしたら喜ぶのかな」ってことを考えるだけでいいんですよ。ほんの5分でいい。考えてみる。
スキルを身につけることも大事だけど、自分が何を食べたら喜ぶのか。何をしている時に幸福感を味わえるのか。
そんなことを把握しているだけで、スキルを身につけるって際にも「何に興味を持っているのか」、「何なら興味を持続させながら学べるのか」を明確にすることができます。
いきなり大きな変化を起こすのは怖いですよね。
でも、趣味でちょっと新しいことを始めてみるだけでも、新しい可能性が見えてくるかもしれません。
それも、自分がどんなことで喜べるのかを明らかにしているから可能なことだったりしますよね。
おわりに
結局のところ、リスキリングって、ただスキルを詰め込むことじゃないんです。
大切なのは、自分らしく、幸せに生きていく力を身につけること。それは、プログラミングや語学みたいな具体的なスキルかもしれないし、もっと抽象的な「学び続ける力」かもしれない。
でも、そのどちらにしても、大事なのは自分自身としっかり向き合うこと。
社会の要請も大事だけど、まずは「自分が何をしたいのか」「どんな人生を送りたいのか」をしっかり考える。そこから始めないと、本当の意味でのリスキリングにはなりません。
リスキリングブームに踊らされるんじゃなくて、自分らしい生き方、働き方を探る。
リスキリングって、結局のところ自分との対話なんですよね。
社会の変化に振り回されるのも嫌だけど、かといって何もしないのも不安。そんな中で、自分なりのペースで、ちょっとずつでも前に進んでいく。
そんな姿勢が、これからの時代を生きていく上で大切なんじゃないかなって思いますが、みなさんはどうでしょうか。
ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)
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