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労働の自由と規制の桶狭間。

どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

ボクは労働時間なんてものに制約を受ける立場にない、フリーランス野郎という名の失業者なので、時間外労働だなんて概念自体が適応される立場にありませんが、少なくとも2020年4月から適用された時間外労働の上限規制は、その法律を享受する立場にありました。

当時から抱いていたこととして、労働者と雇用主の間で結ぶ雇用契約の問題に国が上限規制を設けるってのはいかがなものだろうなぁ…とか思っており、この考え自体は今も変わることはありません。

まぁ、ただただ「お上はダメだ!」といった具合に当事者もいない中で批判する、平成初期の居酒屋にあったような光景を体現するのも癪なので、他の国と比較するとどうなるんだろうね、なんてことを調べてみながら考えてみることにします。

日本時間外労働と上限規制が成立した背景

近年、日本では働き方改革が大きなテーマとなっていることは就労している方々であれば間違い無く耳にしたことがあるでしょう。もし、仮に耳にしたことないとか初耳だ!なんて方は、もう少し時事問題に興味を持つようにした方がいいかも知れませんよ。

そも働き方改革は、労働者の働き方を見直し、仕事とプライベートのバランスを改善し、労働者の健康と生活の質を向上させるための取り組みです。

働き方改革の一環として、労働基準法が改正され今回の話題に挙げている時間外労働の上限が政府で承認・規定されました。

これによって、雇用主である企業は労働者を過度に働かせることなく、労働時間を管理する必要があり、それを破ることで罰則を設けることとなりましたが、作物の建設事業や自動車運転業務、医業など一部の事業や業務は例外として2024年4月からの適応となりました。

じゃ、なんでこのような規制を敷かなければならないのか。

「過労死」が国際的に翻訳が不可能な独自のものとして世界中で流通しているぐらい、長時間労働が社会問題となっている日本だからってことに他なりません。

ボクも東ドイツのライプツィヒって街に2週間ほど滞在したことがあったのですが、到着初日に自転車を引いた恰幅のいいお兄ちゃんが「日本人か?日本にはどうして過労死なんてものがあるんだい?理解できないんだけど」と面を食らうような議論をふっかけられたぐらい、他の国々では理解できな事象のようです。

国としては、労働者の健康や生活の質への影響があり、過労死や過労自殺といった深刻な問題が指摘されているからこそ、導入せざるを得なかったとも言えるわけで、そんな背景があるんだなぁ...ってことをわかっていただければそれで満足です。

他国の事例を挙げてみよう

簡単にザッと調べてみただけですが、他の国で時間外労働規制がどうなってるのかをみてみました。それぞれの国の背景が透けて見えるようで少しおもしろかったので、他にもみてみようと思いました。

アメリカ

アメリカでは、週40時間を超える労働に対して1.5倍の賃金が支払われることになっているようです。これは1938年に制定されたFair Labor Standards Actにより定められたものですが、労働者が一週間に何時間働くことができるかの上限は定められておらず、また週末や祝日における時間外労働に対する追加の報酬も要求されません

なんでこうなるのかってところは「自由の国アメリカ」だからってことなんでしょうね。労働者が自由に働く時間を選択できることは労働者側の権利だからってことなんだろうと予測します。

ただ、そうなると過労ってのが問題になりそうですが、各州ごとに異なる施策をとっていることもあるでしょうから、それも影響していそうです。(調べてません)

フランス

フランスでは、35時間を超える労働に対して25%、さらにそれを超える時間に対しては50%の割増賃金が支払われてるみたい。

フランス法では、雇用者が集団協定に基づく年間上限または法律で定められた年間220時間までの時間外労働を要求することが認められているそう。これを超えると、労働者は金銭的な補償に加えて「必須休息」を受ける権利があるとのことらしいです。

イギリス

イギリスでは、週48時間以上の労働を強制することはできませんが、労働者が同意すればそれ以上の時間を働くことも可能です。

ただし、イギリスには法定の時間外労働手当がなく、時間外労働に対する賃金は雇用契約により異なるため、日本のそれとは単純に比較できなそう。

一生懸命翻訳ツールを使って読んでみると、この規制の目的は、労働者の健康と安全を保護することらしいので、日本だけでなく根本的には労働者の健康と安全を保護することは一致してますね(当然)。

ドイツ

国民生が近しいと言われるドイツでは、時間外労働は週60時間、6ヶ月間で平均して週48時間を超えてはならず、時間外労働は通常、休暇の代わりに補償されます。

ちょっと息切れしてきたので、この辺にしておきますが、それぞれの国ごとの文化や慣習等々が反映されているんだなぁ...なんて平凡な感想を抱いてしまったことは秘密です。

いろんな視点から

日本の時間外労働における上限規制について、一般的な就労者の視点から考えてみるのと同時に、ボクのようなフリーランスをやっている人たちの視点、さらに雇用主の視点から考えてみることにします。

就労者

まず、一般就労者。いわゆるカイシャインって役割を全力で取り組む人たちの視点からすると、上限を規制されていることに安心感を得ることはできるかも知れませんが、それ以上に働きたいと思う人たちの自由を束縛することにもなります。

特に、成長産業や成長過程にある事業者で働く人たちからすると、時間なんていくらあっても足りないと思っているはずで、何としてでも時間を捻出しながら事業も個人も爆速で成長してやるぜ!ヒャッハー!な状態を維持したいわけですから、そういう人たちからすると足枷になりますね。

フリーランス・個人事業主

次に、フリーランスや個人事業主の視点から考えると、時間外労働の規制は直接的には適用されませんから関係ありません。自己責任で働き方を決定することができ、時間外労働の上限や賃金の規制は存在しません。

一見すると裁量のある自由な働き方のようにも見えますが、一方で過労や健康問題を引き起こすリスクが高まることも懸念しなければなりませんし、そういう意味では健康と業務のバランスをとることが上手な人でなければ成立しない働き方だと言えるでしょうね。

雇用主

雇用主の視点から見ると、労働時間の規制は労働力の活用に制限をもたらされて困るなぁ…というのが正直なところでしょう。

特に、時間外労働に対する賃金の規制は、労働コストの増加を招く可能性がありますが、生産性を高めるための仕組みをつくることも雇用主側の責務だったりしますから、その狭間に揺れるところでしょう。

ただ、生活残業みたいにして、残業をしなくてもいいのにしている人のことを雇用するだけの力はドンドンと削がれていくことになるため、本当に仕事ができる人たち、やろうとする人たちとの間で賃金を高めつつ上限規制を掻い潜るような契約体系を模索することになるのではないでしょうか。

おわりに

軽い気持ちで考えてみたら、思いの外ボリュームがあることに気づいたのは他の国でどんな政策がされてるのかなって調べ出したところでした。

まぁ、でもおもしろかったのでよしとします。

ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)


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