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製造業は日本のどこでも一定以上の水準で生産性を発揮してるが、サービス業が発展してないって論文がでた。

どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

どうしても心根が折れてしまうことってあるじゃないですか。仕事がうまくいかないとか家族との関係がうまくいかなかったりして、「あー、なんでこんな気分にならなきゃいけないんだろう…」なんて鬱々とした気分になること。

鬱屈した感情は人の行動を歪めてしまうこともあれば、何も気力が起きない状態にまで落ち込ませる力を抱かせますから、可能なことならば、そんな思考や感情を捨て去れるような状態になる、スーパーマリオでいうところのスターを獲得したような全能感のある状態を体験したいものです。

でも、思うんですよ。

マリオもスターを獲得して無敵状態に陥った後に、薬の離脱症状みたいなものに悩まされるんじゃないかって。

だって、あれだけの全能感を持って動けることなんておかしいじゃないですか。体感速度で走る速度は150%以上は確保できていますし、スターを確保した彼にあたる有機物はすべて排除されていくんですから。明らかに納得がいかない状態になっているわけで、あの瞬間、彼は間違いなく"ハイ"になってるはずです。

それが終わった瞬間、明らかに反動による疲労感と無能感に蝕まれるのではないでしょうか。そうでなければ不公平です。

すいません。雑談が過ぎました。

まぁ、何はともあれ、国内外を問わず「何かおもしろい研究とかないかなぁ…」と調べることがあるんですよ。そういった研究を目にすると、まだまだ世の中捨てたもんじゃないなって希望を抱くことになったりしますから。鬱屈する気分になった時には試してみてください。

横浜市立大学国際商学部の大塚章弘准教授が行った研究で、2023年12月10日にSpringer Natureが発行するAsia-Pacific Journal of Regional Scienceに掲載された『生産性の地域間格差の動向を解明 —日本産業における確率的収束モデル分析—』がおもしろかったので紹介します。

研究の概要と

この研究を論文内の説明に準じながら説明すると、日本の産業における全要素生産性(TFP)の地域間格差に関するものです。

特に製造業の生産性が地域固有の水準に収束している(差が小さい)ことが明らかになり、モノづくり産業を中心とした近年の産業立地政策が効果的であった可能性が示唆されました。

簡単に書くと、日本は東京一極集中な構造で、そういった場合には東京のように集積する都市の生産性は高まるけれど、他の地域は生産性が低くなるって現象が起こることが予想されるのが常なんですが、モノづくり産業を中心とした製造業においては日本のあらゆる地域において一定以上の水準を確保することができていますよ、と。

それはすごいことだね、がんばってるねってところから、反面、サービス産業の生産性が成長していないうえ製造業と違って地域間格差は開く一方だから、日本が経済的に成長していくためにはサービス業をがんばらなきゃいけないねってのが今回の研究概要です。

間違ってたらすいません。

製造業は日本のどの地域でも一定以上の水準を達成している

日本の製造業が地域による格差が生じていないってのは素晴らしいことですよね。でも、割とイメージがつきやすいところもあります。

ぼくが生まれ育った燕って街は洋食器の製造が盛んな地域ってことで社会の教科書にも載っていますし、最近ではなくなった数も多いでしょうが、僕の少年期から青年期に入るまでの間、街中には町工場というか自宅兼作業するスペースといった世帯があり、そこで洋食器を製造していたのを目にしたのを覚えています。

また、過去には燕でiPadの製造を請け負っていた時期もあるぐらいですから、地方だとか田舎だとか関係なく、そういった技術面ですばらしいと経済面から評価をされることもあるのだってことを考えると、あながち肌感覚的にも理解できそうです。

これってなんでなんだろうって考えると、まずはインフラとして交通や物流が整っているってのが大きいんでしょうね。電車は時刻通りに動くし、トラックは日夜を通して走り続けてくれます。納品等に大きな遅れが生じることも少なく、見込み通りに工程を進捗させることができる点は地域間格差を狭める要因として大きく貢献してくれていることでしょう。

何より、製造業は日に日に働き手がいなくなっていく業界だといえ、経済産業省の出したものづくり白書によると高齢就業者数は20年間で32万人増加し、女性就業者は91万人減少と、高齢化が課題になっていて若手の人材確保が困難になっていることが伺えます。

出典:2023年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告) https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2023/index.html

こうなったら機械化して効率的に生産できるようにする他に生き残る術はありません。また高齢者が多くなっているからといって悲観的に見ることはなくて、そういったベテラン技術者のスキルやノウハウを機械に落とし込むことができればいいわけです。

もちろん簡単ではないでしょうが、それを実装し続けてきたから日本の製造業はどこの地域でも一定以上の水準を確保できる状態にまで押し上げることができていると言えます。

サービス産業は生産性が向上していないようだ

がんばっている製造業に比べ、生産性が低いよ!地域間格差が大きいよ!って結果となってしまったサービス業。そもそもサービス業って一口にいってもいろんなものがありますよね。

コンビニやスーパー、専門店などの小売事業もあれば、銀行や保険などの金融もあります。子どもたちに限らず学びたい意欲のある人たちに提供する教育サービスだってありますし、心身の不調を治すための支援機関として医療機関があります。

他にも、観光やインターネットを利用した情報技術も加わってきますし、誰かの何かしらを助けるための産業すべてがサービス業だといえます。

一括りにサービス業だといっても細かく見れば多くの業種や職種があるわけですが、そういった産業において生産性が向上してない、貢献してない、地域格差が大きい!って指摘されると、たしかに集積している東京の方が効率的にビジネスができそうですし、新潟みたいな地方都市と東京の税収に差ができてしまうのも仕方がないように感じます。

じゃ、なんでそんなことになってしまうのかって言えば、機械化が進んでいないことがいえるでしょう。これは5年や10年も経過すれば現在の人が行っていて、誰でもいい仕事は機械に代替することで解決できそうです。

反面、逆を言えばそこが課題だともいえるわけで。

多くのサービス業は人を介在した労働集約型で運営されていて、人的要素が大きいんですよね。結果として、機械に代替するよりも人を雇った方が安いって形になりがち。

日夜、いろんなサービスが生まれてきますし、それによって便利になり、業務が捗りやすくなっているのも間違いありませんが、これまでの業界慣習やビジネスモデルが新たな技術を受け入れがたいといったことも考えられるでしょう。

小学校で遠隔授業が進まない点や紙で管理するような体制が崩れないのも、そういった業界慣習やビジネスモデルによる機械化の弊害だといえるかもしれません。

いずれにしても、論文によると、サービス業が成長していかないことには日本の成長はないって結論になっていますってことだけ伝えておきますね。

おわりに

と、まぁ、ここまでダラダラと書き殴ってきたわけですが、ぼくの理解した範疇の話でしかありませんので、存分に間違っている可能性があることは否定しません。仮に間違っているのだとしたら、どの部分が間違っているのかを指摘してもらえると嬉しいです。

ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)


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