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社員インフルエンサーの課題は企業にとって"資産"となるかどうか

どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

社員インフルエンサーって呼ばれる人たちが存在するのをご存知の方もいらっしゃるでしょう。企業に所属する社員がSNSで多くのフォロワーを獲得し、相応の影響力を持つことにより「インフルエンサー」として活動し、自社の商品やサービスをPRすることを指し、社員インフルエンサーとなるわけです。

YouTuberでチャンネル登録者数の多い人や、InstagramやTikTokで多くのフォロワーを抱える社外インフルエンサーには、自社の特性や魅力、商材の利点や効用を一から説明し理解してもらった上で咀嚼してもらう工数が必要ですが、社員インフルエンサーの場合それが必要ありません。

社員ならではの視点や経験を活用することで、一般のインフルエンサーよりも信頼性の高い情報発信が可能となることから、世の中に数多いる一般的なインフルエンサーではなく社員インフルエンサーを利用しようとする取り組みが徐々に増えており、うまく活用することによって企業の知名度や評判や評価の獲得に貢献することができます。

しかしですね。

ただフォロワーが多いからいいわけでもありませんし、多くの閲覧数や反応をもらえるからいいわけではありませんよね。企業が何かしらの取り組みを行うことは経営機能なわけです。社員インフルエンサーって取り組みも、原則的には企業が持続し成長していくための資産として機能する必要があり、そこから逸脱した方向に向かっていくことは企業文脈の毀損に向かうこととなりますから注意しなければいけません。

じゃ、どうしたらいいんでしょうねってことを考えてみることにします。

課題① ブランドイメージとの整合性

社員インフルエンサーは、あくまでも企業に属しているキャラクターとしての「とある従業員A」です。そのキャラクターである社員インフルエンサーには、属する企業の評判や評価を背負っている、背負わされている自覚と品格が求められます。

ディズニーランドでジャンボリミッキーを踊るお兄さんとお姉さんは、決まりきった踊りをただ踊るだけでなく、ミッキーやミニーとの掛け合いを"ディズニーらしく"表現することができるから舞台に立つことが許されていることを忘れてはいけません。

ドラゴンボールの世界にドクタースランプアラレちゃんの主人公であるアラレちゃんが登場したこともありますが、ドラゴンボールの主人公である孫 悟空との戦闘は戦闘で決着はつけられません。アラレちゃんはギャグ漫画ですから、どうやったってギャグの掛け合いとなる中での闘いに終始してしまいます。

ドラゴンボールの世界観は、強大な敵に主人公をはじめとするキャラクターたちが絶望しながらも立ち向かい、その苦難を乗り越えながら敵を倒していく姿に勇気をもらうものです。

アラレちゃんのギャグ漫画としての魅力は、ペンギン村で発揮されるからこそ魅力があるわけで、西の都にあるカプセルコーポレーションで発揮されても魅力が完全に発揮されるわけではありません。

社員インフルエンサーも同様で、一般的なインフルエンサーは自身の抱く意見や行動に影響力の源泉となるフォロワーを抱えているわけですが、社員インフルエンサーが抱えるフォロワーは企業の信頼をベースにしているため、企業イメージと齟齬が生じることは許されるものではないのです。

社員インフルエンサーの個人的思想や行動と、企業イメージやブランドイメージが一致していないのであれば、企業は評判や評価を損なうことになっていく点は気をつけなければいけないのです。

課題② プライバシーとセキュリティ

ブランドイメージとの整合性にもつながる部分ですが、社員インフルエンサーを売り出していく上で社員が業務に関連する情報を各種SNSなどの媒体でインターネット上に露出していくことは、プライバシー侵害やセキュリティ上のリスクを引き起こす可能性があります。

たとえば、何気なく投稿した動画内に社内のパソコン画面が映っていて、そこに顧客情報が映し出されていたとしたら、それは顧客情報の漏洩につながることとなります。

また、社員インフルエンサーが企業の評判や評価を無視した発信、たとえ、どこかしらの企業や商品・サービスを否定、批判するような投稿をしてしまった場合、同じく所属する企業や商品・サービスの評判や評価を落とすことになるでしょう。

多くのフォロワーを抱え、相応の影響力を保持するようになってきたからといっても、その社員インフルエンサーは"個人"ではなく"企業所属のキャラクター"であり、企業の文脈を逸脱するような行為・行動は慎む必要があります。

また、その行動の中に企業の機密情報が漏洩するリスクがあるかないかを社内で判断できる人材も必要となりますし、引いて言えば、それを遵守できる人材が担うべきだとも言えます。

そうなってくると、即時性のある対応や双方向性が損なわれる可能性があるため、社員インフルエンサーとしての魅力が損なわれていくことも考えられます。

なんというか、諸刃の剣っぽい存在なのだろうと言わざるを得ません。

課題③ 組織内の理解と炎上リスク

インターネット上、SNS上でフォロワーを抱えることになり、それなりの影響力が出てくると会社の業績にも影響を与えることができるようになるでしょう。

会社としては、そうやって直接的に経営指標に影響を与える状況を願い、社員インフルエンサーを醸成することを決めたわけですから、純粋に企業資産へ影響が出ることは喜ぶべきことだと言えます。

そうなってくると、他の社員が嫉妬することも想定しなければいけません。

この嫉妬によって社員インフルエンサーとして活動している人と、嫉妬を抱いた人が複数人いるのであれば複数人との人間関係が拗れてしまい、根本的な事業を回すためのチームワークや生産性が低下してしまうことも想定できてしまいます。

また、拗れにこじれてしまった結果、社員インフルエンサーの揚げ足をとったり、それを内部告発のような形でインターネット上に拡散される危険性だってあるでしょう。

ここまでくると、社内における統制が効いていない状況ですから、会社の資産に悪影響を与えることになってしまうことは明白です。

社員インフルエンサーを抱えることを決めたのであれば、社員インフルエンサーの活動を公平かつ透明にすべきであり、他の社員に理解されるような配慮が必要となってきます。

これは、ある種の企業文化の醸成にもつながる話で、そもそも企業文化として社員インフルエンサーを取り組める土壌があるのかどうかが重要となってくる話なのかもしれません。

おわりに

なかなか難しいところですよね。

企業としてSNSのポリシーを作成しなければいけませんし、それを成り立たせるためのトレーニングも必要です。ガイドラインを設け、社員がブランドイメージに沿った行動や発信をしていくことを求める必要もあるでしょう。

そもそも、社員がブランドの魅力や強みを自覚できているのかどうか。それはどういった行動によって得られるものなのかを理解しているかどうかも関わってきますから、決して容易なことではありません。

ただフォロワーが多いからインフルエンサーなのではなく、企業の看板を背負っていて、それを丁寧に咀嚼し理解してもらえる存在として社員インフルエンサーなるものは存在すべきでしょう。

そこから逸脱し、ただ数字稼ぎのために活動するのなら、その企業に属している意味も意義もなくなってしまいます。

大変ですねぇ…

ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)


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