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「浮腫に利尿薬は使用しません」【浮腫治療における適切な利尿薬の使用方法を考える】
みなさん,浮腫に利尿薬は使用しますか?
「いや,使用するでしょ?」
「適応病名にも"浮腫"って書いてあるよ?」
そうですね.
利尿薬の適応病名には浮腫があります.
でも私は,滅多なことでは「浮腫に利尿薬は使用しません」.
➤浮腫に利尿薬が使用される理由
➤適切な利尿薬の使用方法
この点を解説していきます.
1.「浮腫に対して利尿薬は使用しません」タイトルとすこし変えたのわかりましたか
【意識障害を見抜く力】てんかん発作や痙攣の考え方【一過性意識障害は失神だけではない】
前回の記事で,失神と意識障害の病態の考え方を解説しました.
重要な点は,意識障害は脳の障害であり,失神は脳血流の障害であること.
失神は,脳血流のトラブルを病態に,一過性の意識障害を来します.
しかし,一過性の意識障害の鑑別は失神だけではありません.
特に重要なのが,”てんかん発作epilepsy seizure”です.
一過性の意識障害の原因検索として,失神とてんかん発作の鑑別は非常に
【血管拡張薬が心不全治療になる理由】循環動態の基礎➂【クリニカルシナリオ分類に対する私見あり】
第1回,第2回と,「循環動態の基礎」というタイトルで,フランクスターリング曲線に絡めて循環動態を考察してきました.
今回は,後負荷,すなわち,血管抵抗に関しての解説と,それに関連してクリニカルシナリオ分類に対する私見です.
1.血管抵抗とは血圧,いわゆる動脈圧は,心拍出量と体血管抵抗の積です.
動脈圧= 心拍出量 × 体血管抵抗
つまり,いくら心拍出が保たれていても,血管抵抗がなけれ
【フランクスターリングの法則】循環動態の基礎➀【心不全・補液の基本とフォレスター分類】
心臓は,全身血液を送るポンプの臓器です.
心臓は,ゴムのように伸縮する心筋のかたまりです.
心臓がポンプとして,「いかに血液を送り出せるか」は,「心筋がどの程度伸びるかに」によることがわかっています.
これを,フランクスターリングの法則と呼びます.
今回はこのフランクスターリングの法則を知ることから見えてくる,循環動態の基礎を解説します.
話が長くなるので,今日は第一部.
1.心
【代償機構のブレーキ】カルペリチド(ハンプ®)について【ARNiが流行る前に】
”ハンプ®といえば心不全の薬”
”なんか,心臓とか腎臓にやさしい利尿薬”
こんなイメージですかね?
今回は,カルペリチド(ハンプ®)の話.
これから流行るかもしれないARNi(アーニィ)(ネプリライシン阻害薬とARBの複合剤)の予習にもなるかもしれません.
■前提:心不全における体液貯留カルペリチドと言えば,利尿剤.
利尿剤ということは,体液貯留が治療ターゲットですよね?
では