Ryo Takahashi

ディレクター/映像作家 1988年生まれ。2011年に独立。2013年 カンヌライオン…

Ryo Takahashi

ディレクター/映像作家 1988年生まれ。2011年に独立。2013年 カンヌライオンズゴールド,Spikes Asiaなど受賞/広告業界に身を置く。CM,MVなどを始めとし、シネマティックな世界観での映像表現を追求。 https://works.do-ar.net/

最近の記事

Middle-Man不要論とクリエイターのこれから

私は特殊な経歴を持った映像ディレクター/シネマトグラファーだと思う。こんな感じで生きてきた。 基本的に周りを見ても同じようなキャリアパスの人はいない。というか、サバイバルしてきた結果、このような有様なのである。本意ではない。 それぞれ適当にしてきたかというとかなり本気でやってきた。自分のキャリアの転換点は外部要因(社会の変化、大人の事情)が8割方である。 最近では、先輩方に誘われて日本映画撮影監督協会(JSC)に所属することになった。 そんな私が常に接してきた存在があ

    • 「言語関係人口」が未来を決める時代|僕たちは日本語だけで生きていけるのか?

      英語、中国語、日本語。世界にはさまざまな言語が存在する。 「いつか英語を話したいな!」「中国語って今やるといいかも!」的な話はよくあるが、自分も含めた日本人(=日本語を母国語とする人)が近い将来、結構苦労する状況になるのではないか、と思い始めた。 あくまで仮説ではあるが、今後私達の経済や社会、未来を決定づけるのは「言語関係人口」ではないか?という話である。 世界における言語別のパワーバランスなんだそれ、「言語関係人口」?は? 安心してください。これは筆者の造語である。

      • プレイリスト・パラドックス(自由選択された受動性)時代での生き方

        みなさんはSpotifyやApple Musicなどを使っているだろうか? 私はSpotifyプレミアムユーザーであるし、アーティスト活動としてのSEMIOSISでは、主にテクノ音楽をメインとした音楽を配信している。 Spotifyの中では特に「プレイリスト」がすごく重宝される。実際にリスナーを獲得する手段は、ほぼプレイリストに主眼が置かれていると言っても良い。 集中したいならDeep Focus、運動中に聞きたいならWorkoutなど、いまの聞きたい状況や心情にあわせ

        • 近未来クリエイティブは「答えなき世界に旗を立てること」がテーマ

          私は量子論と宇宙が好きだ。昔からぼんやりとスターウォーズとか宇宙についてのことが好きだった記憶がある。 2年前くらいから改めて量子や宇宙のことをかじりはじめて、気づいたことがある。ここに次のクリエイティブのテーマが隠されているのではないか、と。 きっかけは、この記事を流し見したことだ。 SFプロトタイピングなんて、こっちに傾倒した奴らにとってはよだれもののキーワードである。引用すると、 企業経営や政策立案において、進むべき方向性を見極めるための“シナリオ”づくりをSF

        Middle-Man不要論とクリエイターのこれから

        • 「言語関係人口」が未来を決める時代|僕たちは日本語だけで生きていけるのか?

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          動画広告の「UX化」を真剣に考える時代かもしれない

          コンテンツにおける動画の占める割合は、年々増加している。肌感覚でもそうだし、動画広告などはもう当たり前になっている。 伝統的なテレビ・映画などの動画に加えて、ウェブサイト上での動画コンテンツも増加して、動画業界内ではTVCM,WebCMといったような棲み分けまでされている状況だ。 そして、インターネット上の広告費は、ついにテレビ広告費を超えた。 肌感覚でもそうだろう。テレビ・新聞などのメディアはなくならないだろうが、もはやそれ自身が文化・歴史のたぐいになってきていると思

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          未来を考えることは、現在の自分にしかできない話

          小さい頃、焼き魚の食べ方を親に叩き込まれた。怒られながら。 そのときはうざかった。汚くてもいいじゃん。骨避けてるし、と思っていた。「超嫌い、焼き魚。肉が食いたい」って念じてた。 でも今は思う。これで良かったんだって。 今では食べ方がきれいだと言われるし、お店でも言われる。定食屋のおばちゃんとかに。 「ああなんだよ、本当はみんな食い方汚えのかよ。」と思ったと同時に、少し誇らしくなる。親に感謝もしている。 僕らクリエイターはそんなことを繰り返してる。 みんな気にしない

          未来を考えることは、現在の自分にしかできない話

          ”日本的自粛”による映像/広告系フリーランスのワーストケースシナリオと生存戦略

          新型コロナの流行は、どうやら何度も波がある。 Spanish Flu(スペイン風邪)のときもそうだったし、一回で終わるとは思えない。もはやパンデミックなのだから、一回で終わらないという前提に立つほうが自然。 一旦この状況を棚上げして自己中心的に考える。経済のこと、要は金のことだ。 虫の目になる。自分は30代。フリーランスで映像やクリエイティブをつくることで食っている。生活のエンジンは”発生案件による収入”であり、広告業界に足を突っ込んでいる。 案件の入金タームは、案件

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          完全遠隔ライブイベント・音楽フェスを実現する方法【実験中】「Zoom×NETDUETTO(β2)×OBS Studio」

          はじめにはじめまして。高橋遼と申します。 一人の映像クリエイターとして、一人のアーティストとしてコロナによる自粛がエンターテイメントおよびクリエイションに与える影響を肌で感じています。 「人と人が会えない・場がない=”現場”が消滅する」ことは、多くのアーティスト・クリエイターが直面していることと思います。 ※普段はこのようなことをしています。 SEMIOSIS  https://semiosis.tokyo/   音楽クリエイター 若狭真司、映像クリエイター 高橋遼の

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          タイラー・コーエン「World1.0/2.0」を自分の身近に派生させる試み:コロナ後の世界観/元経済学部・SF好き映像作家のメモ①

          コロナにより大きな被害を受けている云々という書き出しはもはや当たり前になった。私自身もCM等の撮影をメインの事業にしていることから、すべて延期および見込み案件はストップといった状況になっている。みな大変である、悲しい。吐き出し口がnoteくらいしかない。 せっかくの時間だ。何をしようと思っても何もできない。というよりも「ゴールのない長距離走」を課せられている気分だ。 高校野球で経験した、監督からの理不尽な練習以外で、こんなことはしたことはない。たしか仲間内ではエンドレス・

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