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苦手なことが多すぎるから編集者になりました

初めまして。たまりにたまった大河ドラマの録画を消化することが毎日の楽しみの編集・小石といいます(年末の最終回には間に合うように見終えたい)。

ディスカヴァーに中途入社して2年目、書籍編集者になってからは6年目ぐらいです。担当した書籍のほとんどは、生活実用書(健康、編み物、お片付け、料理などなど)で、その前は雑誌編集に携わっていました。

仕事をしていて、いつも思うのは「なんて自分は平凡なんだろう」ということです。

平凡ですむならいい方で、だいたい人より劣っていることの方が多く、得意なことを見つけるのが困難すぎます。

勉強は苦手、手先は不器用、絵はへた、服のセンスもいまいち、料理も掃除も苦手……。いいとこなしで生きてきて、もう開き直るしかありません。

でも、私だって、頭がよくなりたいし、おいしい料理を作りたいし、上手な絵を描きたいし、きれいな部屋で過ごしたいし、おしゃれで魅力的な人になりたい

できないことだらけだからこそ、「こうなりたい!」がたくさんあって、知りたいことがあります。

そういう思いが、本を作る原動力になっているのかなと最近思えるようになりました。

いい歳になっても、な~んもできない自分だからこそ、できない人の味方になれる本を作れるんじゃないか、その思いだけで今までやってきました。

あと、これはどんな本を作っているときにも感じることですが、自分の悩みや苦手なことを、著者であるその道のプロフェッショナルに直接投げかけることができるのって、編集者の特権です。なんて贅沢でしょう。本当にありがたいと思いながら仕事をしています。


そんな「できない尽くし」の私が特に嫌いなのが、料理です。

私には5歳上の姉がいて、彼女は高校生の頃から栗原はるみさんの料理本を買って、休日にパウンドケーキを焼くのが趣味という超絶料理好きな人でした。悲しいかな、その姉と比べられ、「私は料理が下手なんだ」と小さい頃から思い込んでしまったのが、料理嫌いになった原因だろうと思います。大学生になっても、火と包丁が怖くて(原始人か……)、台所に近づくのも嫌でした。

しかし、年を重ねて子どもを産んだ私は、料理しなくてはならない状況に追いやられます。いきなり普通の料理よりも難易度高めの離乳食を作ることになって、かなり大変でした。あれからもう10年近く料理をしてきましたが、それでもあの頃の苦手な気持ちは残ったままです。

もちろんこの10年間で、少しずつ料理への向き合い方も変わってきました。
直近の料理関連の本では『病気・不調知らずのからだになれる ふるさと村の食養ごはん』という、からだにいいレシピを紹介した本を担当させていただきました。

9784799327463_帯あり

少しでもこの本の中身を見ていただけたらわかると思うのですが、どれもすごく簡単なレシピです。でも自分では思いつかない組み合わせだったり、調理法だったり。

料理って、手の込んだものが正義とか愛がこもっているとか思ってしまいがちですが、そんなことないんだなと実感します。

かぼちゃって、蒸すだけでホクホクして甘い。たまねぎだって、厚めの輪切りにしてフライパンで焼くだけでおいしいんです。

素材を「蒸すだけ」「焼くだけ」でいい。手を加えないからこそのおいしさを知ると「料理しなきゃ」という気持ちがラクになるはず。健康になるためのレシピではありますが、こんなことでいいんだと料理に対する肩の力を抜けるレシピでもあります。手の込んだものの方が、健康に悪いことだってありますよね。

特にこの季節にぴったりのレシピはこの2つです。ぜひ試してみてください。

料理嫌いさんにもおすすめ!カンタン秋冬レシピ

1.香りも美味しい!きのこの網焼き

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材料:シイタケ、もしくはヒラタケ(お好みの量)/塩

 シイタケとヒラタケは石づきをとり、七輪にカサの外側を下にして焼く。七輪がない場合は、オーブントースターや魚焼きグリルで。

 ①のシイタケとヒラタケをひっくり返して、カサの内側を焼く。キノコの表面に水滴が出てきたら食べごろ。塩少々をふって食べる。

2.ほっこりやわらか。カブのとろとろ煮

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材料:カブ(お好みの量)/だし汁(カブが浸るくらい)/水溶き片栗粉

 カブは皮をむかずに、茎の付け根を切る。
 ①を鍋に入れ、カブがひたひたに浸かる程度のだし汁を加えて弱火でゆっくり煮る
 竹串がすっと入るまで煮て、味をみながら塩少々を加えて調整する。
 水溶き片栗粉(水2:片栗粉1の割合)をまわし入れ、とろみがつくまで再度火を入れる。

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ご紹介した2品とも「焼くだけ」「煮るだけ」でとても簡単。おいしくて体に優しい一品が、こんなに簡単でいいのかと思うと、ふっと気持ちがラクになりませんか?


本来、料理ってこんな感じでいいはずですよね。毎日オムライスとかハンバーグとかシチューとか作っていたら、体も心も疲れてしまいます。外食やテイクアウトに慣れきった私たちは、そんな当たり前のことも忘れてしまいがちです。
 
本書には、素材の味を大切にすること、食べることはからだを作ること、レシピに縛られずに自由でいることの大切さが詰まっています。そして、先程紹介したように、料理が苦手だと思っている人でも本当に簡単に取り組めます。

ぜひ皆さんもお手に取って、料理の新しい扉を開いてみてください。


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