見出し画像

中学受験を突破する力だけではない「学び」の本質とは⁈ 話題の #サピ本 「はじめに」を公開します。

こんばんは、ディスカヴァー・トゥエンティワンです。

2月17日発売の新刊『10万人以上を指導した 中学受験塾 SAPIXだから知っている 頭のいい子が家でやっていること』は発売直後から好評を呼び、都心部やオンライン書店では品薄状態が続いています。ご不便をおかけしており、大変申し訳ありません。

首都圏難関中学合格者数No.1進学塾が「自ら学び続ける子に育てる」メソッドを初公開したことで話題を呼んだ本書の「はじめに」を一部編集・改稿して公開させていただきますので、ご興味のある方は是非お読みいただけますと幸いです。


すべての親の悩みの種、子どもの「勉強」

「うちの子、もう小学4年生なのに全然勉強できないし 、やる気もない! どうしたらいいんでしょう……。」

この本の企画は、編集者のこの一言でスタートしました。

子育てをしていると、たくさんの悩みの壁にぶつかりますよね。

とくに「勉強」がちらつくと、お父さんお母さんの悩みはより複雑になっていきます。きっと皆さんも、このような悩みをおもちかもしれないですね。

・毎日「宿題しなさい」と言うのに疲れた
・学校のテストの結果がいつも悪い
・子供がわからない問題を教えているとケンカになる
・そろそろ受験を考える時期なのに、勉強に興味がなさそう

私は、これまで教育ライターとして、学校の先生などの教育関係者と保護者との橋渡しをする役割を担ってきました。

教育に携わる専門家の方々は、たくさんの伝えたい言葉をもっています。私はそれを紡ぎとり一生懸命に、保護者に伝えようとしてきました。また、保護者も教育関係者にたくさん聞きたいことをもっています。

「小学受験もしくは、中学受験をさせるかどうか悩んでいるんです」
「こんなことをさせてみたいのですが専門家から見てどう思いますか?」

そんな疑問を抱えながら日々子育てに奮闘しているのではないでしょうか。

もっと、橋渡しをすることはできないだろうか

教育関係者と家庭をうまく接続することができれば、多くの子どもたちがそれぞれの育ちのペースで、ユニークな成長をしていくことができるはずなのに。

教育ライターとして両者の境界線に立つ私は、ずっとそんなことを考え続けてきました。

今回SAPIX(サピックス)小学部という中学受験進学塾を取材して、第一線で子どもたちと向き合う講師の声を届けたいと思ったのにもそうした背景があります。

SAPIX小学部とは、首都圏難関中学の麻布中学校や開成中学校、桜陰中学校などの中学受験で数多くの合格者数を誇る塾です。受験勉強だけでなく、ここでの経験を一生の財産にしてほしいという思いで教育にあたっています。

※ちなみにSAPIXには
  Science=科学する眼を育てる
  Art=豊かな感性と創造性を磨く
  Philosophy=思考力を育てる
  Identity=個性を大切にする
  X=「未知数」に挑む という意味が込められています。

「中学受験を突破する」よりずっと手前にあること

「SAPIXの本」というと、もしかしたら中学受験の攻略法がつぶさに掲載されていることを期待されるかもしれません。

しかし、この本には中学受験をいかに突破するかについては書かれていません。国語の論説文への挑み方や算数の効率的な解き方が載っているわけでもありません。どこの中学がおすすめかをランキングしているわけでもありません。

この本は、もっと、ずっと手前にある学びの本質の部分について書いています。

・子どもが勉強に興味をもつにはどうしたらいいのか?
・学びが好きになるにはどうしたらいいか?
・学び続けていくことに育てるためにはどんな習慣が必要か?

SAPIX小学部で長年子どもたちと向き合ってきた国語・算数・社会・理科それぞれの教科の専門家と、そんな疑問を紐解いていきました。

また、冒頭で紹介したお父さんお母さんの「勉強」に関する根本的な悩みの解決法についてもお伝えしています。

「中学受験についてはまだ何も考えていなくて」
「うちの子、勉強には向いていない気がする」

そういった思いを抱えている保護者にぜひ読んでいただきたい一冊です。

「子どものため」だけではなく「親子のため」に取り組む

教育ライターとして、ずっと信じ続けてきたことがあります。

それは、たくさんの選択肢を得ることが、子どもたちの可能性を広げることにつながるということ。

勉強や学びの楽しさを知ることは、子どもの選択肢を増やすことにつながります。その楽しさを胸に、中学受験をしてもいいし、しなくてもいい。

どんな道をえらんだとしても、学ぶ楽しさを知っていれば、きっと自分の居場所で心が弾むような探究ができるはずです。学ぶ楽しさが子供たちの原動力になります。

そして、子どもに学びを楽しんでもらうには、お父さんお母さん自身が学びを楽しみ、新たな世界にときめくような日々をおくることがとても大切です。

だから、この本で書かれている習慣を「子どものために」実行するのではなく、ぜひ親子両者のために実践してみてください

焦らずせかさず「待つ」子育てを

本書に書かれていることを実行したからといって、明日から子どもの学びの姿勢がガラリと変わるわけではないかもしれません。変化を感じるのは、1か月、2か月、ときには1年後かもしれない。もっというと、書かれたことを実行して本当によかったと思うのは、子どもが大人になってからかもしれません

子育てで最も難しいことの一つに、「待つ」があります。
目の前の子どもを信じて、待つこと。教育書に書かれていることをどんなに実践しても、この大前提の姿勢がなければ実を結びません。

この本には、子どもが興味関心の翼を広げるための実践法がたくさん書かれています。その取り組みとセットで、ぜひ「待つ」子育てをしてみてください。

本書の第1章は学びへの興味を育てる基本のアプローチを、第2章以降は国語、算数、社会、理科と各教科への関心を耕す具体的なメソッドをお届けします。最後の第6章では中学受験を検討するときに知っておきたいことをお伝えしています。

また、本書の購入者限定特典としてついている、SAPIX小学部卒業生の保護者アンケートによる「楽しみながら頭のいい子を育てるアイデア集」もぜひ参考にしてください。あなたのお子さんに合った活動を見つけられるかもしれません。

すべてを実践する必要は、ありません!

最後に、この本に書かれていることはどれも子供たちの学びへの関心をはぐくむ有効なアプローチです。しかし、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」とお父さんお母さんが躍起になって、眉間にシワを寄せていたら、それは逆効果。

どうぞゆったりした気持ちで、子どもとともに楽しみながら実践してください。くれぐれも自分を追い詰めてはダメですよ。

この本が、子どもとの時間を豊かにするヒントになりますように。


※本記事は『10万人以上を指導した 中学受験塾 SAPIXだから知っている 頭のいい子が家でやっていること』の「はじめに」を一部編集・改稿したものです。


この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

新生活をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?