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最近よく聞く「梅流し」について調べてみた

「デトックス」「断食」「ファスティング」「宿便」「酵素」
ここ数年でよく聞くようになったワードです

みなさん、健康になりたいんですよね
「健康になりたい」と思うということは、どこかしら体調に不調を感じているということですよね

その「不調」の原因が何なのかを明らかにせず、安易に巷の健康法に手を出すと取り返しのつかない事態にもなりかねませんので、ちょっと記事にしてみようと思います

去年くらいかなぁ・・・私にもSNS上やインターネット上で「おすすめ情報」として「梅流し」が表示されました
食べ物の事なのですぐに調べました
だって、大根と梅干しだけで便が、しかも水様便が出てお腹すっきり
と謳っていましたし・・・
それって下剤じゃんって思って、どういう原理で水様便が出るの?って

なかなかコレ!!っていう情報に行き着きませんでしたが、わかったことがいくつかありました
条件を見た時に、私が予想したのは「浸透圧性の下痢」でしたが、まぁそんな感じでしたね

2010年代にAll Aboutというサイトで「ソルト・ウォーター・バッシング」というものが効果的なダイエットとして紹介されたそうです
海外セレブの中で流行っていた「レモネードダイエット」の一部を抜粋したような内容だったようですが、「塩水洗浄」ともいわれるものみたい

医療では、大腸の内視鏡検査を行う際、前日は絶食となり、前日夜や当日朝から下剤を服用し、出てくる便に濁りが無くなるまで排泄を繰り返して検査に挑みます

この時に使用される薬剤にはいくつか種類がありますが、その分類として「塩類下剤」と言われるものがあります
原理としては腸管内に水分を呼び寄せ、腸の内容物を柔らかくして排泄させるというものです

これを一見、なにも害の無さそうな「水」「塩」もしくは、今回の「大根」「梅干し」を使用して手作りしている方法が「ソルトウォーター・バッシング」であり、「梅流し」なんだと思います

2010年代に流行った「ソルトウォーター・バッシング」は、すぐにその危険性を指摘され、説明や体験などを記載したサイトや記事は次々に削除されたそうです(調べるとまだまだ出てきます)

危険性としては、大腸検査前に使用される薬剤の注意書きを見て頂けたら一目瞭然
「腸管裂孔、腸閉塞、虚血性大腸炎やマロリー・ワイス症候群を起こすことがある」
との記載があります
「まれに」とありますが、その危険性があるからこそ、それらの薬剤を服用する際は、医師や看護師の管理下での服用となります

便秘で困っている方が、このような民間療法に手を出すのだと思いますが、先にも述べましたが、今一度、その原因を探ってみて下さい
そもそも、食事の量は足りていますか?主食(穀類)はしっかりと摂取出来ていますか?便の嵩となる食物繊維はしっかりと摂取出来ていますか?
食べ物を摂取して、栄養分を吸収して残った残渣や、腸内細菌の死骸、剥がれ落ちた腸壁などが一緒になって排泄されるものが「便」です

「便」は「たより」とも読めるように、健康状態を知らせてくれるものでもあります
形状や量、臭いなどで健康状態を確認できます

排便サイクルは個人差がありますので、なにも毎日排便が無くても、本人が不調を感じなければ「便秘」ではありません
不快感や苦痛を感じる「便秘」であれば受診してください
場合によっては腸の切除や人工肛門を増設しないといけないような、重篤な疾患が隠れていることもあります
巷の情報に流されないように、自分の身は自分で守りましょう


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