見出し画像

「日中三原則、食い違い」から

----------
三点に注目したい。
 1.部分最適化
 2.組織のトップとしての発言
 3.やりたいことを実現できる組織体制と仕組

関連代表記事 産経新聞 2018.10.29 12:03
https://www.sankei.com/politics/news/181029/plt1810290009-n1.html
----------

A 真相はわからないが、組織としてみた場合に、トップ(リーダー)としての振る舞いと部分最適化に対して、問題があるように感じてくる事例。

 

B 考えられるストーリとしては、例えば、外務省は安全保障面を主な理由として中国との一定距離をとりたいが、経産省は経済的利益を主な理由として中国需要を取り込みたい(=近づきたい)と考える。安倍首相がよりレームダック化していく中で、気まぐれ的外交に対して、それぞれの組織体としての利益を得るために協調を崩したり情報をコントロールする行動にでていく。

 

A 組織がなぜできるのか、を考えるのは面白い。わざわざ、部とか、省とか、チームとか、なぜ作らないといけないのか。民間で考えれば、例えば、営業部隊と開発部隊の仲が悪いことが多いが、あるフェーズでみればそれぞれの部隊の任務を全うしようとしている状況であり、別のフェーズでみれば個々の最適化に終始して全体の利得を小さくしている負の所業をとっているといわざるを得ない。


B 営業と開発の人財を入れ替えることで、相手の景色を実感させる方法は効果が大きい。或いは、報酬体系で整備する手もある。更には、プロジェクトマネジメントとして各組織体の使命を確認しながら全体最適になるような調整を行うリーダをしっかりと配置する、といった方法もある。重要なことは、トップのやりたいことをやれる体制や仕組になっているかどうか。

 

A 今回の争点は「三原則」という言葉にあるが、重要なのは、そのような言葉を発したかどうかではなく、中国との間でどのような認識を形成したかの部分。安倍首相が早まった可能性もあるが、中国サイドからみれば、アメリカの執拗な攻撃が続いているのは事実であり、TPPやRCEPも含めて日本との距離を詰めておきたいと考える方が自然かと思われる。 安倍首相の三原則(「競争から協調」「互いに脅威とならない」「自由で公正な貿易体制の発展」)の見方は複数存在するが、今回の動きがトリガーとなり、今後も中国との対話継続とすることがまずは重要。


B 三原則の中身が事前に協議されていたかだどうかも気になる部分。「競争から協調」「互いに脅威とならない」「自由で公正な貿易体制の発展」。言葉だけみればどれもすばらしいが、「実際にどうやるか」を考えると、安全保障面と経済利益のバランスのとり方が問題になることは目に見えている…。自分の発言が自分の組織に不和をもたらし混乱させるというのは、お粗末である。


A トップ(CEO)の発言を考えた時に、細心の注意を怠ると、すぐに政治が生まれる。どのトップも政治要素を排除したいと考えているだろうし、自分は政治とは無縁だと考えるのだろうが、現実は異なる。例えば、ある幹部にCOOを目指している…といった相談をされたときに、ここで不用意に助言してはいけない。助言すれば、その真意がどこにあろうと、それは「CEOが私(相談した幹部)をCOOに推薦している」といった解釈が直ぐに成立し、これが広まり、現COO等との不和が直ぐに生まれることになる。


B 組織のトップこそ、発言の1つ1つの本当に慎重になる必要がある。私は、そのような意味で言っていない、では済まされない。対外向けの発言であっても、個人的なメンバへの発言であっても、それが、周りに回って組織に不和・軋轢をうみ、政治要素を作り上げ、今の組織を理想の組織からどんどん遠ざけることになる。何も話すなということではない。一挙手一投足に長としての責任をもつことが、重要になる。言葉としてはいたってシンプルで当たり前だが、これは本当に難しい。

 

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?