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気遣いって難しい(休職245日目)


2022年10月5日(水)


けさは8時ごろに起きて、すぐにごはんを食べた。

ごはん、みそ汁、納豆、目玉焼きが鉄板だが、
きょうは無性に卵かけご飯を食べたかったので
目玉焼きは昼食に回した。

家を出て気付いたが、うちの実家は健康志向で
食材に結構こだわっている。

たまごもちょっといいやつだったようで、
黄身が濃くてどろっとしておいしかった。


食器を片付けていると祖母がぼやきだした。


祖母『きょうは(祖父の)機嫌が悪いみたい。

   どんぐりがいるから
   いつもよりましだけどね』


下を向いて
いつもより一回りくらい小さく見える祖母。

可哀想なおばあちゃん。


そういうのが嫌で実家に帰らなかったんだよな。

いつもなら祖父の朝食に付き合う祖母と一緒に
私も台所にいるが、その気になれない。


2階へ。

そういえば祖父にPCの使い方を教えてくれと
頼まれていたな。

いつ言われるかな。
どんなことを聞かれるのかな。

なんだかもやもやしてきた。


とりあえず寝よう。

おととい、きのうは予定があって
ゆっくりできなかったから
きょうは寝ると決めていた。

そうじゃなくても朝のことがあったから
今は一人になりたい。


何度か目が覚めた。


すると1階で話す声が聞こえた。

『魚が安かったから買ってきた。
 きょうも焼いて食べよう』


ということは、七輪で魚を焼く手伝いを
祖父に頼まれるな。

別にいい。

別にいいんだけど、
その時によっては面倒だと思うことがある。


13時半ごろまで寝ていたが、ずっと夢を見ているし
祖母が心配して何度ものぞきに来ていたことは
知っているからあまり眠れなかった。


昼食もそこそこに、
かぼちゃのパウンドケーキ作りに入る。

これは昔からクックパッドで
レシピを見つけたもので実家に帰るたびに
一度は作っていると思う。


祖母『大丈夫?無理してない?』


さっきまで寝てたのだから
何の心配もないのだけど、昨日はたこ焼きを作って
きょうも…というのが頑張りすぎてるように
目に映っているのかもしれない。


私「大丈夫。私がしたいことだから」


ホットケーキミックスを使うもので簡単にできた。

温かいうちはうまく切れないから
冷ますためにちょっと置いておく。


その間に私の卒アル&卒業文集探し。


タンス、押し入れ、倉庫、ロッカー。


実家ってなんでこんなに
収納スペースがたくさんあるのか。

ただ目当てのものは全く出てこない。


中1の時のクラス文集みたいなやつが出てきた。

担任の先生の言葉。

『愛すること!!

 友人、今まで、
 そしてこれから出会う人全てです。

 時には自分と合わないと思うことも
 あると思うけど、その人の個性だと思い、
 その人を愛してください。

 裏切られることもいい経験になります。

 人生いろいろ!!』


当時の先生は今の私より年下だと思う。

病気になって、

「合わない人と無理に付き合う必要はない」

「個性だろうが嫌なものは嫌、苦手なものは苦手」

と考えるようになった私にとっては
ちょっと達観しすぎているなと思ってしまう。


でもいつかそう思えたら。


80歳になったときに大切な人に
こんな言葉をかけられる人生を歩めたらいいな。



遠いな。


結局お目当てのものは見つからず…。

探すのをやめて1階に降りていると
魚のにおいがしてきた。


おじいちゃんが魚を焼き始めている。


祖母『じいちゃんが魚焼き始めたよ。
   エプロンつけて行く?』


行きたいか行きたくないかを
確かめないということは

きっと祖父に私を連れてくるよう
言われたのだと思う。

エプロンをつけて庭にいる祖父のもとへ。


来てみると嫌な気分がするわけでもないし、
祖父に何か言われるわけでもない。

ただ魚が焼けるのを待ってひっくり返したり
網を代えたりすればいいだけの話。


母が来た。

母『買い物行くけど、行かない?
  大丈夫?無理してない?』


祖父が耳が悪いからって
そんなに単刀直入に聞かないでくれ。

買い物にはついていきたいけど
無理をして焼くのを手伝っているわけではない。


私はその場に残った。


祖父『大変悪いのだけど、
   玄関にある踏み台を持ってきてくれないか』


祖父も気を遣っている。


いつもは「あれ持ってこい」なのに。



玄関に行くとまだ母がいた。


しれーっと踏み台を持っていこうとすると

母『何?何してるの?
  おじいちゃんに持ってこいって言われた?』


そんな怒ることじゃないよ。

別に大丈夫だよ。


何やら祖父が柿渋の染料か何かを見つけたらしく、
それを踏み台に塗ることになった。

祖父が染料を落として、私が擦りこんで。

いい色合いになった。


魚もちゃんとチェックしていないといけない。

いい感じ。おいしそう。


焼き終わって部屋に戻る。


母『どんぐり!!!これ食べなさい!!』

買い物を終えて帰ってきてすぐに焼いたのであろう
ステーキ肉。

母『毎日魚ばっかり食べさせられて、
  おじいちゃんに振り回されて。可哀想に』


何もそこまで言うことはない。

祖父が七輪で焼いてくれた魚はとてもおいしいし、
無理していると思うほど心も体も動かしてない。

ただ、とにかく実家で休んでほしい母にとっては
祖父の言うことを聞く私が不憫に見えるのだろう。


その後も、PCを教えるために
祖父の部屋に入っていた。

出てくると祖母が申し訳なさそうにしていた。


祖母『おじいちゃんはパソコン、
   おばあちゃんはスマホ。

   どんぐりに負担をかけないようにとは
   思ってるんだけど、ごめんね』


謝られる方が辛い。

できることならやりたい。



私の心と体を気遣ってくれるのは
本当にありがたい。

でも無理に今までと違う接し方をされるのは
私が求めていることではない。

私の性格的に断ったり、やらなかったりしても
逆にやってあげればよかったともやもやするのだ。


でもその境目って
他人が判断するのはすごく難しいんだと思う。

まず本人の私がよくわかっていないし。


実家に帰ってきて5日目。

残りはどんな過ごし方になるだろうか。



話は戻って小6の卒業文集。


”未来の自分へ”の欄。

「今のまま、自由に生きてください。

 今、目指していることがあるなら、
 あきらめず努力してください。」


自由に生きているという前提なのが私らしい。

努力してみるよ。

ありがとう12歳の私。

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