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『るろうに剣心』のモデル・河上彦斎の出身地 熊本城下町🏯新町散策日記 【町中探訪編】

こんにちは。今回は以前住んでいた熊本城の旧城下町、新町界隈を久しぶりに散策しました。現在は町おこしの一環で、案内板や江戸時代の地図などが至る所に設置されており、新たな発見が沢山ありましたので、noteに散策日記をUPします。今回の散策では、住んでいた当時を懐かしく振り返りつつ、歴史ある建物を中心におすすめスポットを巡り、新町の魅力を紹介していきたいと思います❣️新町は『るろうに剣心』の主人公、緋村剣心のモデルとなった河上彦斎の出身地です。また、『るろうにほん熊本へ』で佐藤健さんが訪れた場所にも行ってきましたので、是非ご覧ください!

散策ルート紹介

今回の散策地を番号で示した地図です↓(新町の至る所に設置してある城下町時代の地図プレートを拝借🙏現在地は関係ないため無視してください。)

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今回の散策ルートは、船場橋から新町に入り、①長崎次郎書店(国登録有形文化財)→②御客屋・会輔堂跡→③吉田松花堂(熊本市景観形成建造物)→④河上彦斎顕彰碑→⑤むろや→⑥冨重写真所(国登録有形文化財)となります。(注:実際には何日かに分けて写真を撮りに行ったため、写真の天気や時刻が異なります。ご了承下さい。)では早速行ってみましょう!

まず、市役所のある熊本の中心エリアから、坪井川にかかる船場橋を渡って新町に入ります。🦐

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橋の上からは、遠く熊本城の天守閣が見えます✨
(画面中央。小さいですが😓)計算された配置

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船場橋駅から新町駅まで市電が通っていますが、線路上は歩けないので、道路を迂回して新町の中心、新町駅に到着。

レトロな雰囲気の新町駅🚉

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新町駅からの交差点の眺め✨

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新町に住んでいた時は市電で市街地に通勤しており、帰りにこの新町駅に降りて交差点を眺めると、なんともホッとした気持ちになったものでした。ではこれから、交差点の先に見えております新町のシンボル、長崎次郎書店に参りましょう!

①長崎次郎書店(国登録有形文化財 )

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存在感抜群の建造物✨昔は一般人が気軽に入れる雰囲気では無かったのですが、現在は1階はお洒落な書店、2階は喫茶室となっています。中に入る前に、長崎次郎書店さんについて説明しますね。

明治7年(1874年)創業の老舗書店で、森鴎外などの文豪も訪れていたそうです。現在の建物は大正13年(1924年)に建てられたもので、保岡勝也氏の設計によるものです。2階の喫茶室からは、目の前を走る路面電車を眺めることができます。また、2017年に熊本復興支援のために発行された『るろうにほん熊本へ』で、佐藤健さんが訪れたことでも有名になりました。それでは早速喫茶室に行ってみましょう💓

入り口からして素敵です✨

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階段を登って2階に上がると、意外にも広い店内!

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市電が良く見える席に陣取ります🚃
佐藤健さんが座ったのは女性が座っている奥の席↓

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市電が通る時を見計らってベストショットを狙う

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線路のカーブがいいですね!この時は曇り空の夕方だったので、街灯がともってるのもいい感じ。

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1階の書店は、写真を撮るのは憚られたので写真はありません。広くはない店内ですが、素敵なセレクトの本が並んでいます。私も遅ばせながら『るろうにほん熊本へ』を購入📗

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それでは次の目的地、御客屋・会輔堂跡に向かいます。新町の中心を南北に貫く電車通りを北上します。因みにこの通りは旧薩摩街道です。

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程なく、新町に住んでいた頃よくお世話になった明治六年創業の老舗そば屋、政木屋さん🍥ここから右折します。

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着きました!御客屋・会輔堂跡。今は幼稚園になっており、案内板が立っているのみです。子供達の賑やかな声が聞こえています。

②御客屋・会輔堂跡

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幕末は勝海舟と坂本龍馬が、明治になってからは西郷隆盛も宿泊したんですね。(遠い目…)建物が残ってない場合は、妄想力が頼りですね笑

因みに、旧薩摩街道は今の電車通りを過ぎた後、熊本城の敷地内を通り抜けます。西郷隆盛は、ここ会輔堂に泊まったり、参勤交代等で薩摩街道を通って熊本城下町や熊本城内をよく見ていたと思います。西南戦争で熊本城を攻めた際、どういう胸中だったんでしょうか。想像が尽きませんね。

さて、そろそろ次の目的地、吉田松花堂に移ります👟フォトジェニックで個人的にすごく好きな建物なので、テンション高めでいきます!電車通りに戻り道向かいの角に長ーい黒漆喰の壁、広大な敷地を持つ御屋敷が見えます。

③吉田松花堂(熊本市景観形成建造物)

南東の角からの写真

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北東の角の看板

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そして北西の角からの写真

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大きすぎて一つの写真には収まりきれません💦立派な佇まいですよね。吉田松花堂は1830年代から続く薬屋さんです。創業は江戸末期、文政年間。長崎でシーボルトに師事した初代・吉田順碩さんが、熊本で町医者となり生まれたのが、お店の看板にある「諸毒消丸(ショドクケシガン)」といわれています。建物は、明治10年の西南の役で消失し、その直後に建て直されたもので、製薬所が中にある屋敷は100年以上の歴史があるそうです。
諸毒消丸は、五種の和漢生薬を調合し、金粒丸薬とした健胃強心薬で、安政5年(1858年)にコレラ等の伝染病が流行った際に効果を示した事でその名が広まり、日清日露戦争の出兵時にもたくさんの人が諸毒消丸を買い求めだそうです。現在も親子代々にわたる愛飲者がおられるそうですよ。

こちらも昔は一般人が気軽に入れる雰囲気じゃなかったのですが、今は町おこしの一環でしょうか、玄関までは見学できる様です。中央のお客様用玄関?から中を覗いてみます。ドキドキ💓

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きゃー、素敵な雰囲気✨
黒しっくいと燻された衝立や襖絵が超絶にクール

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呼び鈴を押せば、ここで諸毒消丸を購入できるようです🛎包装紙もレトロでかっこいいですね!

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さて、次はいよいよ『るろうに剣心』の主人公、緋村剣心のモデルとなった河上彦斎の顕彰碑のある場所へ参りましょう❣️吉田松花堂さんの前の通り、旧・新細工町を通って現場に向かいます。

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この通りはかつて、東西の道筋に細工職人が多く住み、お城や武家屋敷に武具や調度具などを供給していたそうですよ。商売繁盛を祈願していたのでしょうね、マンションの間に恵比寿神社⛩↓

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神社の敷地を見ても分かりますが、奥に長い土地や建物が多くあります。昔は間口が狭くて奥に長い町屋が沢山建ち並んでいたんでしょうね。

そうこうしていると、旧・新馬借町通りとの交差点が見えてきます。角には小学校が建っており、子供達の賑やかな声が響いています。右折してすぐ、小学校の前に顕彰碑が控えめに立っています

④河上彦斎顕彰碑

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『るろうに剣心』の主人公、緋村剣心のモデルにもなった河上彦斎は、幕末から明治初期にかけての尊王攘夷派の熊本藩士です。佐久間象山を暗殺したことで有名で、田中新兵衛、岡田以蔵、中村半次郎と並び、「幕末の四大人斬り」の1人とされています。剣は我流で片手抜刀の達人だったとか。当時熊本藩では居合が盛んだったようなので、居合ベースの我流だったんでしょうか。

容姿は150㎝程と小柄で色白であったため、一見女性のようであったそうです。彼の肖像写真が残っていますが、本当にその通りで、人斬りの名に似合わずお綺麗な方です。(ご興味がある方は検索してみて下さい!)確かに緋村剣心にイメージ被るところありますね。

彦斎は、漢文を操り、和歌を嗜む文化人で、妻子に優しく、普段は礼儀正しい温和な性格であったそうですが、反面平気で人を斬る残忍性も併せ持っている人物だったようです。今でいうサイコパスのような人格だったのでしょうか。最期は明治新政府によって斬首に処されました。享年38歳。(37歳と書いてある資料もあります。)若くして散ったイケメン・サイコパス、河上彦斎。大変興味深い人物ですよね。作品の題材になるのもうなずけます。後で知ったんですが、碑には彦斎の辞世の句がしたためてあったようです、気づきませんでした😱写真なくてごめんなさい🙇‍♀️因みに、碑に記載されている辞世の句はこちら↓

 「君がため 死ぬる骸に 草むさば 赤き心の 花や咲くらん」

訳:「天皇のために死んだ骸に草が生えれば、我が情熱のような真っ赤な花が咲くことだろう。」

尊皇の志士らしい辞世の句ですね。

別の側面に記載してあった略歴は写真あります📸ご興味のある方は、拡大してお読みくださいませ↓

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さて、小学校前を長くうろついていると怪しまれそうなので、そろそろ次に行きます。次はうって変わって、昭和レトロな外観がかわいい人形・提灯・玩具の老舗問屋むろやさんです。旧・新細工町と交差する旧・正妙寺通りを南下して、むろやのある新鳥町商店街に向かいます。

旧・正妙寺通り。因みにここが以前私が住んでいた賃貸マンションがある通りです↓

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通りに掲示されている旧町名地図プレートには、「道の両側の青桐から、アオギリ横丁と呼ばれ、伝統と文化の薫る静かな通り」とあります。今の時期は枝が剪定されていますが、昔は通勤で毎日マンションから市電新町駅までこの通りを歩きましたが、初夏から夏にかけて、青葉が清々しかったことを思い出します🍃

思い出に浸りながら旧・正妙寺通りを南下すると、新鳥町商店街の通りに突き当たります。突き当たって右側の通りの眺め↓

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以前はこの辺りに昔ながらの銭湯があって、たまにお風呂に行っていたのですが、今は見当たりません。取り壊されたのでしょうか、残念。

そして、左側を見ると、すぐそれとわかる昭和レトロなお店があります。

⑤むろや

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むろやさんは、江戸時代から代々続く商家で、現在は人形・提灯・玩具の問屋さんです。昭和の雰囲気が漂う新鳥町の名所的存在となっています。むろやのもう一つの顔は駄菓子屋さんで、お店の奥には細い通路の両側に、背の高さまで積まれたたくさんの駄菓子や懐かしいおもちゃが所狭しと並べられていて、大人もテンションが上がる空間になっているようですよ。たくさんのblogや地元記事でも取り上げられているお店です。

外壁には、江戸時代の城下町俯瞰図が掛かけてあります。新町は地図上左側の、川と堀で囲まれた地域になります。

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駄菓子を買い食いする子供達のためでしょうか、ベンチが置いてあります。奥には井戸?

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提灯も看板ものぼり旗も、全てがレトロでかわいいですね❣️ではいよいよ最後の目的地、世界最古の写真館と言われる冨重写真所に向かいます。冨重写真所は、新町の南東の端、坪井川沿いにありますので、少し距離が有ります。途中の景色を楽しみながら向かいます。

新鳥町商店街を東に歩き、新町駅に戻ります。(新鳥町商店街は市電新町駅から東西に伸びる通りです。)電車通りと商店街が交差点する角にある八百屋さんの壁には可愛い看板💕これも以前は無かったんですよね。

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看板には新鳥町の由来が書いてあり、藩政時代は鳥類を扱う商家が軒を連ねていたそうです🦜江戸時代中期、泰平の世となり、人々の心が娯楽に向かい、動物などを飼育する事が盛んになるにつれて、大名、武士、庶民に至るまで、空前の小鳥ブームが起こったことから栄えたそうですよ。江戸時代にそんなブームがあったなんて知らなかったです。全国的な流行でしょうか、とても面白いですね!

では、新町駅から電車通りを南下します。右手にはよくお世話になった松石パンさん。休日の朝はよく歩いてここのパン買いに来てました🥐至福の休日の朝☕️

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暫く南下すると、新町の南の端を流れる坪井川にかかる明八橋に着きます。明治8年に架橋された歴史ある石橋です。この場所も城下町新町の南の守りの御門があった要所ですが、詳述は次回の記事に譲ります。

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橋を渡ると新町の外に出てしまうので、橋を右手に見ながら左折します。暫く歩くと新町の東の端、旧塩屋町裏二番丁を通る、通称明十橋通りに突き当たります。通り沿いに現在の写真館が建っていますが、分かりにくかったため、最初素通りしてしまいました💦取り敢えずそのまま堀の外に出て、一番フォトジェニックな万歳橋から臨む旧スタジオ(明治10年築)の佇まいをパチリ📸

⑥冨重写真所(国登録有形文化財)

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冨重写真所はスラントを用いた撮影室を残す、明治期の写真館の遺構として貴重な建造物です。長崎の上野彦馬の元で写真術を学んだ初代冨重利平が、1870年(明治3年)に熊本で開業以来、熊本の近代を語る写真の数々を撮影し続け、今日に至っています。夏目漱石や小泉八雲などの歴史上の人物や西南戦争で焼失する前の熊本城など、明治時代の風景、人物などの貴重な写真が残る写真館です。熊本城再建の際には、こちらに残っていた西南争前の写真が参考にされたそうです。この写真館も西南戦争で焼けた後に再建されたもので、現在は国の登録有形文化財となっています。

旧スタジオの北側の駐車場から見える木製看板

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明十橋通り沿いの現在の写真館入り口↓

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まとめ

ここまで町中の歴史ある建物や跡地を巡って来ましたが、いかがでしたでしょうか?以前住んでいた新町、今は地域おこしのために案内板や旧町名プレートなどが随所に設置されていて、歴史巡りするのにとても分かりやすくなっていました💡熊本城天守閣周辺は毎日観光客が多いですが、旧城下町を観光している人はほとんどいません。(最近ではるろうにほんを読んだ佐藤健さんのファンの方が訪れているそうです。)旧熊本城下町 新町は、江戸→幕末→明治→大正→昭和と歴史の変遷が感じられる魅力的な町です。地域の方も町おこしに力を入れておられる様ですので、熊本城の観光に来られる際は是非、旧城下町まで足をのばしてみてください!次回の記事では、少し趣向を変えて、新町の外周部を歩きます。新町は江戸時代は堀と川に囲まれた町で、東西南北に関所門がありました。現在は門自体は残っていませんが、堀沿い、川沿いの風景を楽しみながら御門跡を巡り、ブラタモリ風に昔を偲んでみたいと思います。よろしければまたご覧ください☆

佐藤健さん主演の『るろうに剣心』の映画ファンの方は、ロケ地の三角西港 簡易裁判所跡の記事もご覧いただけたら嬉しいです♪

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最後までお読み頂き、ありがとうございました😊

【参考文献・HP】
熊本県公式観光サイト
熊本市観光ガイドサイト
るろうにほん熊本へ:ワニブックス,2017
吉田松花堂公式ホームページ
Wikipedia
新鳥町商店街ホームページ
文化遺産オンライン
熊本大学公式ホームページ

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