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くらしのともしび

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病とともに生きること
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2023年3月の記事一覧

からだと対話する

からだと対話する

体とのお付き合いのおはなし



病気が見つかってから先生に
体はどれくらいまで動かして
大丈夫ですかって聞いたらね

あとあとまで疲れが残るなら
それはやりすぎだよっていう
体からのお知らせなんだって

試してみながらちょっとずつ
体にちょうどいい動きかたを
手探りしてくってことみたい

寝こむこともあって辛いけど
体とおはなししてるみたいで
うれしい気持ちになるんだよ



体さんこれから

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生かされる理由へ

生かされる理由へ

ひとのいのちを受けとってまで

わたしは生きたいのだろうかと

いのちをのばす理由をさがして

見つけられずに立ちつくすなら



わたしが生きたいのではなくて

いのちが呼吸をもとめるのだと

呼吸をつづけるそのことにより

生かされる理由へと歩んでいく

***

そしてわたしはなによりも
まだ見ぬ理由のため生きる

呼吸のたびにその理由へと
近づいていくことを知って

(わたしの訳)

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治ることの向こう

治ることの向こう

病がなくなるのは良いことで

なくならないのはわるいこと

わたしにとっての良いことは

ほんとうに良いことか考える



もし治ったらそれは良いこと

治らなくてもそれも良いこと

どちらにしても大切なことは

いのちをしっかり生きること

プレゼントの時間

プレゼントの時間

病院に行くまえの日には
遠足のまえの日みたいに
こころがわくわくはずむ

病院のなかの広いカフェ
やわらかい白いソファー
色んなところにある植物

ベッドでまどろむひと時
看護師さんとおしゃべり
先生とのたいせつな時間

病気にもしならなければ
知ることのなかったもの
会うことのなかったひと

病気が運んできてくれた
わたしのこころを動かす
何にも代えられない宝物

おくすりの飲み方

おくすりの飲み方

まいにちお付き合いの
だいじなおくすりたち



さあ病気さんおはよう
きょう一日よろしくね

ゆっくり生きたいから
おくすりをのませてね

病気さんもいっしょに
ゆっくり生きましょね



そんなふうに思いつつ
免疫抑制剤のんでるよ

やすむということ

やすむということ

うまくうごけなくて

なにもしてないって

あせることはないよ

そうおもえなくても

じゅうぶんやってる



いまはやすむときで

やすむをやってるよ

ぜんぶがほんとうに

よいほうへとむかう

だからあんしんして

いまここのわたし

いまここのわたし

病気になるまえと
病気になったあと
それぞれのわたし
をわけて見ていた

けれどほんとうは
まえもあともなく
わたしはいつでも
このわたしだった



病気が進んでいき
だんだんできない
ことがふえていく
わたしではなくて

いまこれができる
わたしがいること
いつもその一点を
まっすぐに見つめ



病気とたたかわず
いっしょに生きる
ことを選ぶわたし
をたいせつにする

そして朝をむかえ

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