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がん と 生きること

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2020年3月の記事一覧

安楽死って、どういうことだっけ。

安楽死って、どういうことだっけ。

自殺ではなく、安楽死とはどういうことだっけか。
自分自身の考えや疑問がめまぐるしく変わる。世の中の考えや疑問もめまぐるしく変わる。

2018年に写真家・幡野広志さんの書かれたものを読み、写真撮影をしてもらうと同時にお話する機会を得た。

クロベと。(撮影:幡野広志)

2019年にはジャーナリスト・宮下洋一さん、緩和ケア医・西智弘さんにインタビューさせていただくという機会に恵まれた。

情報や知

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病歴⑪:抗がん剤治療1クールから2クール

病歴⑪:抗がん剤治療1クールから2クール

抗がん剤治療の1クール目の1回目は入院して行ったが、2回目からは通院で行った。1クールは3回の治療からなる。
私の通院先の場合であるが、抗がん剤治療を受けるための部屋は、日当たりのよいサロンのような雰囲気だ。壁際にはベッド、窓際にはリクライニングチェアが並んでいる。
1回目の治療のための入院中に、その部屋を見学させてもらっていた。
付き添いが待つことができるスペースもあり、そこには各種がんのパンフ

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6-1:安楽死の議論はやめたほうがいい ~宮下洋一に会う (前編)

6-1:安楽死の議論はやめたほうがいい ~宮下洋一に会う (前編)

 幡野広志に会った後、僕にはもう一人どうしても会っておきたい人がいた。
 それが、高願寺で安楽死について対談した、在欧州ジャーナリストの宮下洋一だ。
 宮下は、吉田ユカがエントリーしようとして断られたスイスの自殺幇助団体・ライフサークルをはじめ、ヨーロッパやアメリカの安楽死事情を取材して『安楽死を遂げるまで』(小学館)という本にまとめて日本に紹介した方。最近は、神経難病を患った日本人がライフサーク

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私は役に立てない がんサバイバーと献血

私は役に立てない がんサバイバーと献血

新型コロナウイルス感染症の影響で、献血が不足している。

献血は、いつも不足している。さまざまなところに献血車が出向き、知恵を絞ったPRが行われている。私は輸血のお世話になったことはないのだけれど、がん経験者としても輸血用血液の重要さはとてもとても理解しているつもりだ。でも、これまで一度も献血をしたことがなかった。

高校生の頃、1年に2度ほど献血車が来ていた。文字通り血の気が盛んなお年頃だから、

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5-3:安楽死に対峙する、緩和ケアへの信頼と不信~幡野広志と会う(後編)

5-3:安楽死に対峙する、緩和ケアへの信頼と不信~幡野広志と会う(後編)

(中編から続く)

耐え難い苦痛とは何か
「先ほど話したAさんのケースの時に、医療者が悩んだことのひとつに鎮静の要件としての『耐え難い苦痛』があったんですよね」
 Aさんは「耐え難い苦痛はない」と医療者に判断された。そして、その判断が故に、彼女は傷つけられ、苦しみに耐えることを強いられようとした。
「耐え難い苦痛とは何か、ということが医療者の中でも議論になることがあって、誰が何をもって判断するのか

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#もう眠副音⑤:これから幡野さんと話したいこと

#もう眠副音⑤:これから幡野さんと話したいこと

 3週連続で公開してきた、幡野さんのインタビューが明日(3/5)で「一区切り」になる。

 中編はもう途中から有料になってしまったのだけど、前編は最後まで無料で読めるので、読めるところはぜひ読んでほしいなと思う。
 これまでの前編・中編もかなり濃い言葉たちにあふれていたけど、明日公開される「後編」は、
・「耐え難い苦痛」とは何か
・幡野さんの「フルマラソンを30kmくらい走ったところで・・・」の体

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