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HSPが楽に生きるためのライフスタイル入門

はじめに

HSPが楽になるライフスタイルを提案する。この記事の大まかなテーマです。

さらに楽になるだけでなく、あなたの素晴らしい価値に気付き理想の仕事をし、理想的な人間関係を築き、経済的にも豊かになり、理想の人生を選択する方法について、幅広く考えていきます。

※2章の終わりまで(約3万文字)は無料公開していますので、お気軽にお読みいただけると幸いです。


これまで世間では、内向的な人より積極的で外向的であることが良いという風潮がありました。

内向的な人は学校や会社でも、神経質、臆病、引っ込み思案、人前で無口、自己主張が下手などというレッテルを貼られてきました。


しかし1990年代半ば、心理学者のエレイン・アーロン博士によってHSP(Highly Sensitive Person:とても敏感な人々)という概念が提唱され、世の中の5分の1の人がそれに該当し、それは生まれ持った気質だということがわかりました。

民主主義の世の中では多数決が基本。 HSPは人類の5分の1とすると、元から少数派なので、多数決では少々不利です。これが世の中が、主に外向型の人を基準として出来ている単純な理由かもしれません。

学校教育、会社組織、恋愛もしかり。

5人に1人というのは、5人のうち1人がとても敏感で、残り4人が鈍感という意味ではありません。 感受性の強さの割合は正規分布しています。たとえば、2:6:2の法則のように、20%が感覚処理感受性が強い人つまりHSP、60%が平均的な感受性の人、残り20%が感覚処理感受性の弱い人というような意味です。(※2023.5.2追記・修正)

欧米社会では、外交的で、積極的で、声が大きく、自分の意見をハッキリ言い、多くの仲間がいて、スポーツにも長けており、いつも明るく振舞う人が優れているというような風潮があり、学校教育でもそういう人に育てるのが唯一正しい道だと考えられてきました。

欧米の影響を強く受けた日本も例外ではありません。

外向型の人のほうが何かにつけて有利な世の中で、内向的でとても敏感で繊細な人は五感から入る周りの多くの刺激に疲れ、人間関係で神経をすり減らし、傷つき、自尊心を失い、社会的にも不利な立場に甘んじてきました。


内向型のほうが外向型より劣っているということは決してありません。むしろ外向型の人たちだけだと、人類は急速に発展したかもしれませんが、何かトラブルが起きるとあっさり絶滅してしまったでしょう。国や会社組織なども同じです。

HSP提唱者のエレイン・アーロン博士は、非HSPを衝動的で強い戦士/王階級、HSPを思慮深い僧侶/判事/王族の助言者階級と表現されています。

男性と女性がいるから人類が成り立っているように、外向型と内向型、非HSPとHSPの双方が支え合ってこそ世の中が成り立っているのです。


1. HSPについておさらい

これを読まれているあなたは、おそらくすでにHSPについて調べられ、自分がHSPだという自覚も持たれていると思います。ただここから先、話を進めるにあたって、HSPの特徴について、簡単におさらいしておきたいと思います。


HSP提唱者のエレイン・アーロン博士の研究によると、HSPは生まれ持った気質であり、病気ではありません。

アーロン博士によると、世の中の80%の人は外向的な非HSPで、約20%の人がとても敏感な人たち、つまりHSPであり、男女でほぼ同じ割合です。

外向的か内向的かという比率だけを見ると、国や文化、性別などによっても変わってきますが、HSPは生まれ持った気質であるため、国や性別に関係なく一定数存在しているようです。

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HSPは、DOES(ダズ)という4つの特性で、非HSPと区別されます。

D(Depth)     = 処理の深さ
O(Overstimulation)= 刺激に過敏
E(Emphasis)= 情緒的反応
S(Sensitive) = 些細なことも気づく

アーロン博士の本によると、次のような解説がされています。

D(Depth)     = 処理の深さ
情報をより深く処理する傾向がある。あらゆることを過去の似たような経験と関連づけたり比較したりして、深いレベルで処理する。直感力に優れている。ものごとを「あるがまま」に見ることができる。身体の内部と感情、外部で起こっていることを統合する。脳の島皮質(意識の座とも呼ばれる)が発達している。

O(Overstimulation)= 刺激に過敏
些細なことにもすぐに気づき、外部からの刺激に敏感。騒音や乱雑さなどの刺激に長時間さらされると疲れてしまう。家庭内の混乱に影響されやすい。冷静な状態なら相手の微妙な表情の変化によく気が付く。社会的な変化にも目ざとい。人よりも休息をよくとるようにすことが勧められる。

E(Emphasis)= 情緒的反応
いい経験にも悪い経験にも人より反応しやすいが、特にポジティブな感情に強く反応する。また共感性が高く、相手と同じように人の感情を理解する。HSPの反応が人より大きいのは、好奇心や成功への期待、いい意味での欲望、満足、喜び、達成感などの肯定的な感情によるもの。いい結果をじっくり味わい、いい結果を出すための方法を見出すことに長けている。

S(Sensitive) = 些細なことも気づく
他人が見過ごしている些細なことに気がづく。感覚からの情報を慎重に深く処理している。言葉の微妙な違いも読み取れる。人生におけめシンプルな喜びを味わうことから、相手の気分や信頼性など、彼らが無自覚に発する言葉によらないサインを読み解いてこちらの反応を求めることまで些細なことに気がつく気質は無限の可能性を秘めている。

エレイン・アーロン博士の言葉を借りると、人類の20〜30%のハイリー・センシティブな人たちは、生存戦略に長けており、他の人が見逃してしまうような脅威や機会を、特に注意深く察知して処理します。

HSPは人間だけではなく、約100種類の動物にもその傾向が見られるようです。生物学者は行動に出る前に観察するという行動から、それを見分けています。

脳の働きからは、一部の研究者が「意識の座」と呼んでいる部分で深い処理が行われ、微妙な刺激に敏感になり、共感などのより強い感情的な反応が出ます。


HSPのうち70%は内向的なHSP(Highly Sensitive Person)で、これが典型的なHSPです。

残りの30%はHSPの気質を持ちながら、刺激を追求するHSS(High Sensation Seeking:刺激追求、刺激探求)型HSP、外向的なHSE(Highly Sensitive Extroversion:外向型HSP)HSS型HSE(外向型+刺激追求型HSP)に分類されます。

厳密にはHSS型HSP(刺激追求型HSP)の人は刺激を求めるものの、社交的とは限らないのですが、ここでは便宜上、内向型以外に分類しています。

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HSPはポピュラー心理学(通俗心理学)の世界などでは、4つのタイプに分けられますが、内向型、外向型、刺激追求型のいずれもDOESという4つの特性は持っています。

それぞれの特徴をまとめると次のようになります。

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ポビュラー心理学(通俗心理学)で話題となっているタイプ分け


ちなみに刺激を求めるHSS型のHSPについては、アーロン博士も言及されていますが、HSPのタイプ分けによる学術的な研究はほぼされていません。HSPの4つのタイプ分けは、学術的な裏付けは無いようです。自分を一つの型にはめ込まないほうが良いのかもしれませんね。(※2023.4.24追記)


この記事では、主に内向的なHSP(内向型HSP)のかたを想定して解説していきますが、他のタイプのかたにも参考にしていただける内容になっていると思います。


HSPについての知識が十分では無いと感じられるかたは、エレイン・アーロン博士の監修されたHSPについての動画が日本語字幕付きで公開されています。下記サイトからレンタル、またはご購入ください。

https://sensitivethemovie.com/jp/

またエレイン・アーロン博士の本も本気でHSPに取り組みたいかたにはオススメです。なお、この本の「まえがき 2020」の部分が特に大切です。最近の研究成果が書かれています。


2. 疲れすぎないライフスタイル

人生において誰もが悩むことといえば、ほとんどがお金と人間関係、そして健康に関することだと思います。

このセクションでは、まずHSPの人が心とカラダの健康を実現するにはどうしたら良いかについて解説します。

HSPは外部からの刺激にとても敏感で、人と会ったり、外に出かけると、非HSPの人より疲れやすいです。

人生において「疲れ」は大敵です。不幸のほとんどの原因は「疲れ過ぎ」にあると言っても過言ではありません。そこで、最初に疲れ過ぎないライフスタイルについて考えていきましょう。


2-1. HSPのための6つのマインドセットと習慣

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2-1-1. 自己価値観を高める
一般的にHSPの人は自尊心、自己肯定感が低い傾向にあります。

これは生まれ持った気質や体質にも要因がありますが、外向型が中心の世の中で成長するにつれ、周りから内向的な性質を否定するような言動や扱いを受けてきたことも大きく影響していると考えられます。

大勢が参加するパーティや宴会などを楽しむことができず、一人の時間を大切にするのを付き合いが悪いと捉えられたり、会議や発表の場でうまく意見を言えずに消極的と捉えられたり、細かい事を気にしすぎるとか、神経質と捉えられたりしてきました。

学校でも会社でも恋人との関係でも自尊心を傷つけられるような経験をしてきたHSPのかたは多いと思います。自尊心が傷つけられると落ち込んだり、より疲れやすくなります。


自尊心自己肯定感とは、ありのままの自分を認めること。何ができるかとか、どんな気持ちを持っているとかに関係なく、生きていていいんだという感覚です。

自己肯定感は英語ではSelf-affirmationになりますが、Self-esteemと同じ意味で使われることも多いようです。

Self-esteemとは、大人気のTVドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』でも出て来ましたが、自尊心自尊感情のことです。

自尊感情は、自己肯定感という大きなくくりの根っことも言える感情で、自分を大切にする、あるいは自分には価値があると思える感覚と言えます。つまり自己肯定感を持てるいくつかの感情のうちの一つが自尊感情なのです。


自己肯定感を持てるいくつかの感情には自尊感情(Self-esteem)のほかに自己受容感(Self-acceptance)自己効力感(Self-efficacy)自己有用感(Self-usefulness)といった5つの感情があります。

さらに自己決定感(Self-determination)を加えて6つと言っている人もいます。

・自尊感情(Self-esteem):自分は生きてるだけで価値がある
・自己受容感(Self-acceptance):ありのままの自分を受け入れられる
・自己信頼感(Self-trust):自分を信じられる
・自己効力感(Self-efficacy):自分にはできる
・自己有用感(Self-usefulness):自分は役に立っている
・自己決定感(Self-determination):自分で決められる


特にHSPの人が低下させてしまいがちなのは、自尊感情自己受容感自己効力感自己有用感などです。

自尊感情は、自己価値観とも言えますが、HSPの価値についての理解することが、HSPの自尊感情、自己価値観を高めることになります。前のセクションを読んで、HSPの優れた価値をよく理解してください。

ダメな自分が受け入れられないという時は、自己受容感が下がっています。しかしHSPの優れた点、価値に気づくことによって、周りから何を言われようが気にならなくなるハズです。

また自分は周りの人と同じようなことができないという時は、自己効力感が下がっています。


しかし、そもそも外向的な人と同じことが出来なくて当たり前ですし、無理に合わせる必要もありません。逆に非HSPの人は、HSPの人が得意な物事を深く見たりすることが苦手です。

何ができるかにかかわらず、自分は生きている価値があるんだという自己肯定感の根っこの自尊感情がしっかりしていれば、人の気持ちを深く理解したり、共感したり、芸術的な才能など、自分の持ち味をうまく活かしていけると思います。そうすれば自己有用感も上がります。

日頃から常にHSPの価値や優れたところについて、意識するようにしましょう。


 2-1-2. 自分の機嫌は自分でとる
自分の機嫌は自分でとる! この姿勢は HSPの人には特に勧めたい習慣です。

HSPは、周りの環境からの刺激に敏感です。ただでさえ疲れやすいのですから、周りの影響から機嫌良くなろうと期待せずに、自分から自分の機嫌を良くするように工夫してみましょう!

そのためには、自分のお気に入りを増やすことがオススメです。お気に入りの服、お気に入りのハーブティー、お気に入りの音楽、お気に入りの文具、お気に入りの写真など。


人は、1日に6万回思考すると言われています。しかしその8割がたはネガティブな思考と言われています。

それは周りの危険から自分を守るために身についた脳の働き方であり、また省エネで動こうとする脳の特性によるものだと考えられます。

脳は体重の僅か2%の臓器でありながら、20〜50%のエネルギーを消費します。このため、脳はできるだけ省エネで働こうとします。


幸せについて考えるのと、不幸について考えるのとでは、どちらがエネルギーを使うでしょうか?

苦しみや不幸、ネガティブなことは、お釈迦さんが説いた生老病死の四苦、それに愛離別苦、怨憎会苦、求不得苦、五陰盛苦も加えた四苦八苦の計8つのパターンしかありません。

これに対して幸せのパターンは千差万別、星の数。人類が70億人いるとしたら、厳密には70億パターンの幸せがあると言えます。

劇作家も喜劇より悲劇のほうが書きやすいと言います。不幸や悲劇のほうが考えやすい、一から考えるエネルギーが少ないからです。

悲劇は限られたパターンで話を展開出来ます。これに対して、お笑い芸人の笑いのパターンは千差万別で、また時流によってウケが変わるのでネタを考えるのが大変だそうです。


本来は、嬉しくて楽しいほうが自然です。そのためには、常日頃から周りからネガティブな影響を受けないように、自分でご機嫌になるお気に入りを用意しておきましょう。

また私は、自分の中に「ごきげんさま」という架空の神さまをイメージするようにもしています。「ごきげんさま」は他人に影響されず、いつもニコニコ、愛と感謝に満ち溢れた神さま。

誰かに嫌なことを言われたら、すぐ「ごきげんさま!」とこの神さま呼びましょう。たちまち不機嫌が吹き飛びます。ネガティブになりがちな内向型HSPさんにオススメの気分転換方法です。


2-1-3. 一つのことに集中する
複数の家事やプロジェクトを同時にやったほうが自分のパフォーマンスが上がると言う人もいますし、音楽を聴きながらのほうが仕事の効率が上がるという人がいます。

しかし最近では、一度に複数のことを行うマルチタスクではなく、シングルタスクのほうが効率が良いということが、さまざまな研究から明らかになってきました。


物事の細かいところに気が付くHSPの人は、特に一つのことに集中したほうが良いです。いくつものことを同時にやろうとすると、神経が疲れるだけで効率は上がりません。

一見、複数の仕事を同時にこなしているように見える人も、実は一度には一つのことに集中しています。

料理の上手な人は、味噌汁を作りながら、炒め物をし、さらに使い終わった料理器具を洗ったりとまるで千手観音のように複数のことを同時にやっているように見えますが、よく見ると無意識のうちに手際よくやっているだけで、十数秒単位では一つの作業に集中しています。

HSPのかたは特にシングルタスクで、一つのことに集中するようにしましょう!

なお「無理なく同時にできること」は同時にやることによって、時間が節約できます。たとえばルームランナーで走りながら、新しいプロジェクトについて考えるとかです。いろいろと自分で工夫してください。


また人間の脳には、長期記憶と短期記憶がありますが、もう一つ一時的に記憶を貯めておくワーキングメモリがあります。

パソコンにもアプリやデータを記録するためのハードディスクやSSDがありますが、それとは別にRAMメモリがあり、ここが小さ過ぎると一つのファイルを開いたり、Webサイトを表示するのに時間がかかったりします。

もう少しわかりやすい例えをするなら、その日のやることリストみたいなものです。

人間の脳は、このワーキングメモリに平均7つの事を記憶しておけるそうです。しかし7つ以上になると、そこに追加で記憶できなくなるので、前にあった記憶を消す必要があります。

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ここが一杯いっぱいだと、新しいチャンスが目の前に出てきても、それを記憶しておく余裕がなく、すぐに忘れてしまうことになります。

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また何か新しいことを頼まれてもそれをする余裕がなく、オロオロしてしまいます。HSPの人は急に何か言われたりすると動揺しやすいので、特にここには余裕を持っておいたほうが良いです。

脳のワーキングメモリは、多くても常に5つ以内ぐらいという状態にしておいたほうが良いそうです。

投資で莫大な富を築いたウォーレン・バフェットもある人に対して、まず25個の目標を書き出したら、その中から5つを選び、あとの20個は一旦忘れるようにアドバイスしたそうです。


脳のワーキングメモリをスッキリさせておく方法としては、備忘録、やる事リストを作っておくのがオススメです。

常にメモを取るように習慣をつけ、常にそれをチェックするようにしていると、やらないといけないことを忘れる心配はありませんし、常に思い出す必要もありません。

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さらに常に意識する優先事項は、3つぐらいに絞っておいたほうが良いかもしれません。備忘録、やる事リストから特に重要なものを3つに絞り、そのうちの一つのことに集中しましょう。

あるいは、できることはサッサとやるのもリストの項目を減らせるので効果的です。たとえばその日のメールのチェックとか、5分で送れるメールの返事とか、日用品の買い物リストの作成とかです。

ただしずっとその調子だとどうでも良いことばかり先にやってしまいがちになるので、10分とか20分と時間を決めて、その間にすぐにできる簡単なことを片付けるようにしましょう。


また思考や行動パターンをある程度自動化し、効率よくするには「if〜thenプランニング」もオススメです。if〜thenプランニングは、先延ばしを克服するメソッドとも呼ばれています。

これは「もしも◯◯したら、⬜︎⬜︎をする」といったもので、誰もが毎日の生活でもやっていることです。たとえば「もしも朝食を食べたら、歯を磨く」といったことです。

考えられる条件ごとに意図的に行動をパターン化しておくと、条件→行動というのが、悩まずに実行できます。

HSPは、行動する前にじっくり考えるタイプですが、日頃のやることリストのなかには、あれこれ考えなくてもすぐに片付けられることも多々あります。

やることが一杯溜まって、アタマの中まで混乱する前に小さな目標から、if〜thenプランニングも活用してサッサと実行していきましょう。


2-1-4. あきらめてアホになる
いくら緻密な人生設計をしていても人生では予想外の出来事に出くわします。病気や事故、大切な人との別れ、信頼していた人からの裏切りなど。

でもショックなことに出会っても大丈夫です。生きている限りなんとかなります

私は幼い頃に両親の離婚、大学卒業する年に腎臓の難病、次の年に母親の死、25歳で親兄弟のいない孤独、その後の借金まみれ、後輩や先輩、親友たちの死、42歳の時にガンで大手術、ブラックで過酷な仕事からのウツ状態、信頼していた人の裏切りなどさまざまな辛い体験をしましたが、そこそこ楽しく元気に生きてます。


どんな辛い目に合っても「なんで私がこんな目に?」とか「なんで私だけこんな経験をするの?」とか考えないほうが良いです。自分だけが不幸な目に遭っているように感じると、落ち込んでしまいます。

そんなことをいくら考えても本当の原因は誰にもわかりません。人生で予想外の出来事に遭遇するのは、何もあなただけではなく、誰にでも起こりうることです。

なかなか答えの出ないことに時間を使い過ぎないようにしましょう。HSPは特に一人で考え過ぎてしまうことがあるので注意が必要です。


考え過ぎて、悩み過ぎて、ボロボロになるぐらいだったら、とりあえず「大丈夫」と自分に言い聞かせながら、セルフハグをしてみましょう。

考えようによっては、自然災害以外の逆境とかトラブルが起こるということは、自分が人生でちゃんとチャレンジした結果とも言えます。たとえば結婚もある意味かなりのチャレンジ。チャレンジすれば、試練やそこからの学びも必ずあります。

いくら考えても答えが出ないこともあります。すると辛いことが余計に辛くなります。困難な状況から抜けるには、諦めではなく、明らめの境地になる必要があります。

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明らめの境地を一言で言うなら、まず「アホになる」ということです。今どんなに辛い目に合っていても、私には幸せな未来が約束されていると勝手に思い込み、自分の理想の人生を選択しましょう!

この世は思い込んだもの勝ちです。今見えている現実や過去の出来事に振り回されないようにしましょう。HSPにもそれぐらいの強さが必要です。

ある意味、自分には幸せな未来が約束されている、自分が不幸な人生に終わるハズがない、と根拠のない自信を持つようにしましょう。



HSPの人は、真面目で聡明な人が多いと思います。しかし、時には真面目さや聡明さを横に置いて、アホになることも生きていく上では必要なのです。

漫画家の赤塚不二夫さんの代表作に「天才バカボン」がありますが、バカボンのパパの名セリフ「これでいいのだ」を思い出してください。

嬉しいことも辛いことも一旦肯定してしまったら、そこから新たに歩き始めれば良いのです。良い意味で、アホになりましょう!


2-1-5. 感謝する習慣
感謝したからといって、それだけで幸せになるわけでは、ありません。ただ「ありがとう」と何回も言っているうちに気持ちがスッキリするなら、言ったほうが良いかもしれません。

感謝の効用について、具体的に知っておくと、感謝したほうが良いということがわかります。感謝すると、次のような流れが出来ます。

1.感謝しているうちに気持ちがポジティブになる
2.認知力が向上して、良いチャンスやアイデアに気づきやすくなる
3.感謝されたり、感謝するような出来事に遭遇しやすくなる

根拠のない自信を意識して持つようにしていると、自然とポジティブな思考になりますが、同じように意識的に感謝するようにしていると、ポジティブな思考になります。


そもそも感謝すると言う気持ちは、物事や人の良いところを観ることから生まれます。今あることに感謝する。過去にあったことに感謝する。

物事や人の良いところを観ることが習慣になってくると、ますますポジティブな事を認知するようになります。すると新しいチャンスやアイデアにも気付きやすくなるのです。

そしてそのチャンスや良いアイデアをすぐに活かすように行動をしていると、そこから成功したりますます良い出来事や人に巡り合い、さらに感謝することが増えるという好循環が生まれます。


あなたが、もし会社の給料に不満を持っていたとしましょう。でも不満ばかり考えたり、文句ばかり言っていても給料は上がりません。

不満や文句ばかり言っていると、ネガティブな事柄に意識が向くようになり、ますますネガティブな事柄を引き寄せます。人生には、意識をフォーカスした現実が引き寄せられるのです。

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だからといって、不平不満やグチを自分一人でため込む必要はありません。信頼できる友達などに思いっきりブチまけて、話を聞いてもらいましょう。

ただ、一度吐き出したら、その気持ちに囚われることなく、気持ちを切り替えましょう。


即座にポジティブな気分になる秘訣として、オススメの方法は、とりあえず思っていなくても良いので次のように心の中で言ってみることです。

「◯◯に感謝!ありがとうございます!」

人が見ていなかったら手を合わせて祈るポーズで言ってみるのも効果的です。

 例:いつも上から目線の⬜︎⬜︎さんに感謝!ありがとうございます!


感謝したほうが良いということについて、アメリカで人気俳優で司会者兼プロデューサーのオプラ・ウィンフリーは、次のように言っています。

人生に何が起こったとしても感謝の心を持つことを学んだ時、チャンスや人間関係、そしてお金さえもが、私のもとに流れてきました。Oprah Winfrey Quotes

あなたが持っているものに感謝してください。 そうすれば、あなたはより多くを持つことになります。 もし持っていないものに集中するなら、決して満足は得られないでしょう。Be thankful Oprah Winfrey

オプラ・ウィンフリーは、貧しい子供時代を過ごし、過酷な人生を歩んできましたが、俳優や司会者として全米で人気者になり、今や最も裕福なアフリカ系アメリカ人と言われるほどのお金持ちになっています。

身の周りのたとえ小さなことからでも感謝する習慣を身につけると、あなたにもきっといいことがあります。ちょっとしたことでも毎日感謝することから、始めてみましょう!


さて、突然話が飛びますが、仏教の仏様に愛染明王という明王がおられます。真っ赤な体に憤怒の形相で、愛欲などの煩悩を打ち払い、悟りを求める心に導いてくれる仏様として、多くの信仰を集めています。

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愛のキューピットのような弓と矢も持ち、愛染明王に祈れば、良縁に恵まれ、恋愛が成就し、結婚が成就するなど愛に関すること全般のご利益があるとされています。

では良縁、恋愛、結婚など愛に関する願いはどうやったら叶えられるのか。愛染明王のご真言を30万回となえると成就するとも言われていますが、そもそも愛染明王ってどういうことを教えているのかを考えてみました。

すると、全てを愛に染めなさいと言われているような気がしたのです。そうすれば愛に関する願いは叶えられると。


具体的にどうするかというと、今の現実、今の人間関係、今の仕事、自分の身体、住まい、環境など、それら全てを愛すると心の中で言ってみるのです。

決して無理に思わなくてもいいです。心の中で言ってみるだけでも効果があります。先に感謝することの効用について書きましたが、さらに進んで今の現実の全てを愛に染めてみましょう。

今の現実、人間関係など全てに対して、「私は◯◯を愛しています」と心の中で言うと、自分の選択した望まない現実も含めた全てを一旦受け入れることになります。すると、そこから自分の望む現実にシフトできるようになるのです。


2-1-6. ネガティブな思考にうまく対処する
人間誰しも常にポジティブな気分でいることはできません。先に人は、1日に6万回思考し、その8割がたはネガティブな思考と書きました。

これは生命の進化の過程で危険を避けるために身につけたネガティビティ・バイアスが働いるためと考えられます。

このため人はポジティブなものよりネガティブな情報に注意を向けやすく、記憶にも残る傾向があります。HSPさんは、特に注意が必要です。

つまりネガティブな思考は絶対ダメとか、珍しいことではないです。人間ネガティブなのがフツーなのです。


ただ、ジャンクフードや油物を毎食食べたりしていると体をこわすように、ネガティブな思考に染まってしまうと、けっして幸せになることはできません。疲れるだけです。

ネガティブな思考のうち、HSPの人が陥りやすいのは、不安や恐怖です。考えすぎるあまり不安になってしまう、常に最悪の事態を想定してから行動する。

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慎重さという意味で、その気質が良い方向に働けば価値があるのですが、不安や恐怖や焦りでパフォーマンスが落ちてしまうと元も子もありません。

ではどうすれば良いか? 


まず不安な気持ちに陥った時は、深呼吸して、冷静になって考えてみてください。これまでの人生で不安に感じた出来事は100%実現しましたか?

おそらく心配事のほとんどは、実現しなかったと思います。心配ばかりして無駄な時間を過ごさないようにしましょう。

また不安や恐怖、怒りや悲しみをもたらすような否定的な現象が起きた時、その対象と決して闘ってはいけません。闘争は否定的なエネルギー、否定的な結果を生みます。

20年以上前、進行性の危険なガンに罹った私は、試しにひたすらガン細胞に感謝してみました。なぜならガン細胞も元々は自分の細胞だからです。ガン細胞を攻撃することは自分を傷つけるのと同じでは?と考えたからです。

また否定的な感情より肯定的な感情を持ったほうが、体の免疫力を高めると知っていたからです。

同時期にガンと闘った友人や知人、恩師や親戚たちは、5〜6人全員死んでしまいましたが、私は今も生きています。感謝だけで生き残ったわけではないですが、全てがより良い方向に動いたのは確かです。


もしどうしても怒りの感情が出てきた時は、ここでも一呼吸おいて、気持ちを切り替えましょう。

怒りをコントロールする手法は、アンガーマネジメントと呼ばれています。

もともと怒りというのは、生命の自然な感情で、動物でも怒りの感情を持っています。普段大人しそうなウサギでも怒ります。

しかし、必要以上の怒りは、相手だけでなく、自分自身も傷つけてしまいます。HSPの人は怒りの感情に囚われてしまうと、非HSPの人より自分を傷つけてしまうように思います。

怒りという漢字は、奴隷の奴の心と書きます。大切な心が何かに囚われてしまうと、怒りによって、自分を見失ってしまいます。

ただし立腹と怒りは、少し違います。白隠禅師が怒ったところを見たことが無いと感じたある人が、禅師に質問した時、白隠禅師はこう答えたそうです。

「バカいうな、わたしは土の人形ではない。生きているのだ。一日のうち、何度でも腹が立つことがある。わたしは腹は立てるが、あなたのように怒らないだけだ!」白隠禅師

禅師ならではの達観した答えです。

腹の立つことがあっても、怒りに囚われないようにしましょう。

アンガーマネジメントでは、まず怒りによる反射的な行動を抑えるために、怒りを感じたら6秒間待つという「6秒ルール」を提唱しています。

怒りなどのマイナス感情が起きた時、脳がカラダを守ろうとして全身を緊張させたり、ホルモンを分泌して臨戦態勢になるのですが、それがピークになるのが6秒後だそうです。

5秒〜6秒後からは、興奮状態がゆるやかに収束するので、衝突を避けられるのです。一呼吸間を置くと、多くの人は理性で考えるようになります。

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まず焦って不適切なことを言ったり、間違った行動をしないように少し間を置いて、冷静になって考えてから、行動しましょう。


この6秒間を耐えるためには、とりあえずその場を離れて感情を鎮める「タイムアウト」「コーピング・マントラ」というテクニックを使います。コーピングは対処、マントラは呪文の意味です。

厳密には本来マントラは、意味のない音を使うので、このネーミングはおかしいのですが、欧米では広い意味で解釈されているし、おまじないのようなものなので、良しとしましょう。

コーピング・マントラとは、あらかじめ自分がイラっとしたことがあった時のために、自分の気持ちを落ち着かせる言葉です。

「般若心経入門」で有名な僧侶の松原泰道さんの場合は、先輩僧侶に次のような真言ぽい言葉を教えてもらったそうです。

「おん にこにこ はらたつまいぞや そわか」

一般的な言葉では次のようなものも良いかもしれません。

「大丈夫 大丈夫」
「気にしない 気にしない」
「まぁ、いいか」
「人それぞれ」
「それがどうした」

皆さんも自分だけのとっておきのコーピング・マントラを用意しておいて、怒りにうまく対処できるようにしてください。


心構えやマインドセットについて書いてきたので、次はHSPとカラダに関する話をしていきます。目に見えない心の悩みもカラダを整えることでアッサリ解決することもあります。


2-2 . 健康のための5つのポイント

HSPの人が大切にして欲しい健康のためのポイントは次の5つです。

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 2-2-1. 腸の調子を整える
カラダの中でもHSPが特に大切にして欲しいのは「腸」です。腸は「第二の脳」とも言われるほど重要な器官です。腸が健康だと心もカラダも健康になります。

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これまで腸は、食べ物を消化・吸収して、余分なものを排泄するという以外、詳しいことはわからない謎の臓器でした。しかし昔の人は体験的に腸の大切さを知っていました。

言葉にも「腹が立つ」「腹に据えかねる」「腹に一物ある」「腹黒い」「腹を決める」「腹が据わっている」「腹を探られる」など、心や感情とお腹に関係するものが多くあります。


中国の抱朴子という書では、「長生を得んと欲すれば当に腸中を清くすべし、不死を得んと欲せば、腸中滓(かす)なかるべし」と言っています。

つまり長生きしたかったら、腸を綺麗にしなさいということです。


最近は、内視鏡技術やDNA検査など、検査技術も進歩し、腸がカラダ全体の健康に関わるだけでなく、心の健康にも影響していることがわかってきました。

動脈硬化やガンなどのカラダの病気だけではなく、認知症やHSPが陥りやすいウツにも腸は大きく関係しています。

またウツの人には便秘や下痢の人が多いというデータもあります。

腸にはカラダ全体の約6割の免疫細胞が存在しているだけでなく、腸内細菌があらゆる臓器に影響を与えて、脳までコントロールしている可能性があるそうです。


腸について詳しく解説しだすと膨大な情報になってしまうので、ここでは次の3つのポイントだけ抑えておきましょう。

①朝起きたら白湯を飲む
②腸に良い食品を摂る
③腸に効くマッサージ

まず最初に腸の調子を整えるのにオススメなのは、インドのアーユルヴェーダでも古代から勧めていますが、朝の「白湯飲み」です。

白湯とは湯冷ましのこと。熱湯を40〜50°Cぐらいに冷まして飲むのです。特に朝の白湯はお勧めです。中華のパイタンスープではありませんよ。(笑)

毎朝、起きたら朝食前にマグカップにたっぷりの白湯をゆっくりと、一口ずつ飲むことを習慣にすると、便通がとてもよくなります。

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便通が良くなると、ダイエットにも繋がります。白湯飲みダイエットを勧めているかたもおられるぐらいです。

白湯には何も余分な物は入っていませんが、火(加熱)、風(蒸気)、水の三つの要素が入っています。

私は、42歳のときに大腸ガンが見つかって大手術してから、毎朝、朝食前に白湯を飲むことを習慣にしたところ、とても便通が良くなり、今も健康で体型もスラッとしています。

朝の白湯飲み、強くオススメします!


次に腸に良い食事ですが、主に次の4つの成分を含む食品が良いとされています。

水溶性食物繊維:水分を含んで便を柔らかくする
発酵食品   :悪玉菌の増殖を抑える
オリゴ糖   :乳酸菌を増やして腸を整える
EPA・DHA      :抗酸化作用

水溶性食物繊維を多く含んだ食品は、ワカメなどの海藻類、もち米、ゴボウなど。ゴボウにはオリゴ糖も含まれています。ブロッコリーも水溶性食物繊維を含んだ食村の中で特に腸に良いとされています。ほかにアボガド、かぼちゃ、オクラ、モロヘイヤ、キウイなど。

善玉菌のエサになるだけでなく、悪玉菌の増えるのを抑える発酵食品は、味噌、納豆、ヨーグルト、ぬか漬け、キムチ、甘酒、チーズ、さらにかつおぶし、調味料では醤油、酢、塩麹など。

ビフィズス菌などの乳酸菌のエサになって善玉菌を増やすオリゴ糖は、バナナ、玉ねぎ、はちみつなどに含まれています。なお、はちみつは、少し高価ですが非加熱のものをオススメします。

腸の中の炎症を鎮め、腸内環境を整える必須脂肪酸のEPA・DHAは、体内では生産できないので食べ物から摂る必要があります。脂の乗った青魚、鮭、アマニ油などに含まれています。なお魚の皮にEPA・DHAが多く含まれるので、皮ごとがオススメです。

なお、これらをサプリメントで摂るかたもおられますが、腸の内視鏡検査をしている医師によると、化学的に合成されたサプリメントばかり摂っている人は腸壁に副作用の反応が出ることがあるので、できるだけ食品で摂るようにとのことです。


3つ目に腸に良いマッサージを紹介します。

白湯飲みだけでも便通には効果がありますが、もっと通りを良くしたい場合は、「の」の字の形に腸をマッサージする「のの字マッサージ」と「Jの字マッサージ」をやってみてください。

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あまり難しく考えずに、息を吐きながら、まっすぐ下へ、右から回って左下に「の」の字の形などに腸をマッサージすると、腸の働きが良くなります。


 2-2-2. セロトニンを増やす
日本人は欧米の人と比べると、幸せホルモンと言われる「セロトニン」の分泌が少ないようです。これは遺伝子的な理由です。

幸せホルモン「セロトニン」は、脳には2%程度しかありません。後は血小板に8%ありますが、実は体内のセロトニンの90%は腸にあります。セロトニンの90%は腸で作られているのです。

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脳のセロトニンは夜は休んでいますが、腸では夜の間も分泌されています。したがって腸の働きもとても大切なのです。

セロトニンの生成には、セロトニントランスポーターというタンパク質が働いています。セロトニントランスポーターは、脳の中に分泌されて余ったセロトニンをリサイクルして再利用する働きがあります。

セロトニントランスポーターには、より多く作るように命令する遺伝子Lと少なく作るように命令する遺伝子Sがありますが、この二つの組み合わせ(LL型、SL型、SS型)によってセロトニントランスポーターの数も変わってきます。


日本は、地震や津波、台風や水害など、世界の自然災害の20%が起こっているというぐらい、災害の多い国です。

そのような場所での生活も影響しているためか、日本人はセロトニントランスポーターを少なく作るように命令する遺伝子Sが二つのSS型が多いようです。

欧米人はLL型が30%以上、SS型は20%以下ですが、日本人は70%近くがSS型でLL型は2%以下しかいません。

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このため楽観的な欧米人より、不安を感じやすい、緊張しやすい、焦りやすい人が多いのです。これにHSPという気質が加わると、さらにその傾向は大きくなります。


セロトニンは、幸福感をもたらし、情緒に大きな影響を与えます。内向型やHSPの人にとって、特にセロトニンは大切です。

また男性と女性ではセロトニン合成能力が1.5倍ぐらい異なり(女性のほうが少ない)、女性のほうが不安を感じやすいとも言われています。また女性は生理の時にはホルモン分泌が下がるため、さらにイライラや不安を感じやすくなります。


セロトニンは、腸のぜん動運動を活発にしたり、自律神経のバランスを整え、興奮物質であるノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑える働きがあります。

セロトニンが欠乏すると緊張したり、イライラしたり、不安を感じやすくなり、欠乏がひどくなると記憶障害になったり、ウツになったりします。

つまりセロトニンは、気分に大きく関係しているのです。セロトニン不足でウツなどにならないためには、次の3つのポイントがあります。

①トリプトファンを多く含む食べ物を摂る
②腸の調子を整える
③太陽の光を浴びる

セロトニンの原料は、トリプトファンという物質です。男性ではトリプトファンが欠乏してもそれなりにセロトニンが合成されるそうです。

しかし女性の場合は、トリプトファンが欠乏すると、特に脳内のセロトニンは大きく減少し、ゼロに近くなってしまいます。ダイエット目的でも無理な摂食には注意してください。

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トリプトファンを多く含む食べ物には、肉、赤身の魚(かつお、まぐろ)、さんまなど。


ベジタリアンの人にも勧められるのは、大豆を使った豆腐、チーズ、落花生、バスタもトリプトファンの含有量が多いようです。


2番目に大切な「腸の調子を整える」については、2-2-1の項で説明したので、ここでは3つ目の「太陽の光を浴びる」効果についてお話しします。

私は、かれこれ30年以上、朝日を浴びるのを習慣にしています。腎臓系の難病が完治したときからです。


元々、人間の体内時計は個人差はありますが、24時間より少し長くセットされている場合もあると言われています。毎日、朝日を浴びることによって体内時計をリセットすることができます。

また朝の太陽の光を浴びることによって、セロトニンや、副腎などからのホルモン分泌も正常に行われるようになります。

そして身体の調子が良くなるだけではなく、セロトニンが増えることによって、より幸せを感じることが出来るようになります。

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江戸時代の観相家、水野南北は「特に木喰いせず、五穀酒肉を食べていても毎朝、朝日を拝めば、寿を保つこと疑いなし」と言っています。

仙人みたいな食事をしなくても、肉でも何でも食べ、お酒を飲んでいても、毎朝朝日を浴びていれば、長生きすると言っているのです。

質素倹約、粗食を勧めていた水野南北が、ここまで言い切るというのは、実は凄いことです。


日拝といえば、幕末の神人、黒住宗忠が有名ですが、江戸時代の言霊学の大家、山口志道(杉庵志道)の秘伝にも呼吸法と合わせた『神風伯(かみかぜのいき)神伝』という日拝の方法があります。

インドのヨーガにもスーリヤ・ナマスカーラという太陽礼拝のポーズと呼吸法の組み合わせがあります。

ファッション・デザイナーの山本寛斎さんも朝に近所の公園で、両手を大きく拡げて朝日を浴び「今日も元気だ、ありがとう!」とやっておられるのをTVで視たことがあります。山本寛斎さん70歳すぎてもとてもお元気でした。

皆さんも少しだけ早起きして、毎朝ほんの数分でいいから、朝日を浴びる(直視はしないでください)ことを習慣にしてみたら、いかがでしょう。レースのカーテン越しでもオッケーですよ。

インドのアーユルヴェーダなどでは、一番良いのは、日の出から40分以内の太陽の光と言われていますが、あまり気にし過ぎず、朝日を浴びないより浴びたほうが効果的です。



 2-2-3. カラダを冷やさない
カラダを冷やさないというのは、どういうことか。それは結果的にはカラダ全体の血液やリンパ液の循環を良くするということです。

お腹が減っている時とカラダが冷えている時は、人間ロクなことを考えません。寒い冬に外でお腹が減っている時を思い出してみてください。とてもブルーな気分になりますよね。

寒い時に家で暖かいスープでも飲むと、ホッとしますよね。

冷えは万病のもとと言われますが、ただでさえネガティブになりがちなHSPさんにとって、冷えは大敵です。

しかし寒い冬だけではなく、暑い夏でも電車やオフィスでクーラーが効き過ぎてカラダが冷えてしまうことがあります。

夏でもハイソックスを履き、昔よりお洒落になった腹巻をしても良いと思います。

それはちょっと、というかたは、クーラーのきいたオフィスで仕事する時は、膝掛けなどをして足元が冷えないように注意しましょう。

また腸のところでもオススメしましたが、ポットに白湯を持ち歩いて、時々飲むのもオススメです。

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さて、いきなり古い話(かなり古い?)になりますが、平安時代の医学書の一つ『神遺方』(文政5年復刻版宇津木義郎編)の冒頭には次のように書かれています。

原文は漢字だらけで珍文漢文、チンプンカンプンなので私のつたない現代語訳で書かせていただきます。

武内宿禰の言い伝えるところによると、この身体は元気の元となるエネルギー、栄養分やミネラル、水分、味を五臓六腑、つまり体内に入れたり、出したりという循環が滞りなく行われるのが正常な状態です。(神遺方)

体内にまとわりつくものがあって正常な循環が滞ってしまい、禍がもたらされた状態を病と言います。(神遺方

元気の元となるエネルギー、栄養分やミネラル、水分、味を体内に入れたり、出したりという循環が滞りなく行われるのが正常な状態、つまり健康だと定義しているのです。

古今東西、同じようなことが言われています。

インドのアーユルヴェーダでは、ドーシャと呼ばれる体質のバランスの乱れから、シュロータスと呼ばれる身体のあらゆる管(血管、腸管、汗管、リンパ管等)にアーマ(未消化物)が付着し、流れと循環が阻害されるのを病気の元とし、アーマを取り除くことが最重要課題だと言っています。


循環とは具体的にどういうことでしょうか? カラダの循環とは、血液、リンパ液の循環、氣の巡りです。

循環を良くするためには『神遺方』にもあるように「入れたり、出したり」というのが鍵となります。つまり、入り口と出口、入るモノと出るモノに注目すれば良いのです。

カラダの入り口と出口は、入り口が口、目、耳、鼻、触覚などです。カラダに入るモノは食事、味、視覚情報、音、言葉、匂い、吸気、触感、。

出口は、口、鼻、尿道、肛門、身体全体などで、そこから出るモノは呼気、言葉、鼻水、涙、尿、便、行動となります。


私たちのカラダの7割は、水分だと言われています。カラダに入るモノで特に大切なのが水です。

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綺麗な水を身体に取り入れれば、身体の中も綺麗になります。

日本語で清めるという漢字は、さんずい偏、水に青と書きます。青というのは、浄化の色です。

ハワイの癒しのテクニック、ホ・オポノポノでは、ブルー・ソーラー・ウォーターというのが紹介されました。いろいろなことを浄化すると言われています。


なお、お医者さんも含めて水を飲むことを勧めているかたは多いのですが、水を冷たいまま飲むのは、身体の循環から考えると間違いです。

冷たい水を一気に飲むと、身体を冷やし、かえって体内の循環が悪くなり、病気の原因になることがありますので、身体を冷やさないように気をつけましょう。


なお、いくら綺麗な水が身体に良いといっても飲み過ぎはよくないです。

目安としては1日に2リットル程度、カラダを綺麗に健康にするには、できれば白湯を少しずつ飲むのが良いです。


ミネラルウォーターには、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が含まれています。この割合によって硬水と軟水に分類されます。

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ダイエット目的でコントレックスという硬水を飲む人がいますが、硬水は基本的に消化不良を起こすだけで、日本人にはあまり向いていません。

日本人にはヨーロッパのミネラルウォーターに多い硬水ではなく、軟水のほうが体質的に合うようです。

ただし、料理をするなど目的によって、たとえば肉料理やエスプレッソのような濃いコーヒーには硬水のほうが向いている、和食や日本茶、ご飯を炊くには軟水のほうが向いている、といった使い分けをうまく活用すると良いと思います。


また夏の暑いときにまで、白湯ばっかり飲んでいられない、と思われるかたも多いと思います。

その場合は、出来るだけ氷を入れないジュースなどを飲むと良いです。

モデルや女優のかたもカラダを冷やさないために喫茶店で冷たい飲み物を注文するときは、氷抜きで頼まれるかたも多いと聞いています。


ジュースは、特に活性酸素吸収能力ORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity)という指標の高い果実ジュースがお勧めです。

ORACはアンチ・エージング、抗酸化力、または活性酸素を中和する指標の一つです。

果実ジュースのなかでもORACの数値が高いのは、葡萄ジュースです。

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もし入手可能であればブラックチェリーブルーベリーは、さらに高いORAC値を持っています。

もちろん、ジュースを飲む場合にも、ゴクゴクと一気には飲まず、身体を冷やさないよう、一口ずつ飲んでくださいね。


また、特に足元を冷やすのは一番カラダに良くないです。先に腸は第二の脳と呼ばれていると書きましたが、足は第二の心臓とも呼ばれています。

特にふくらはぎは、心臓に血液を送るポンプの役割もしているので、ここは冷やさないように。夏場でもハイソックスを履いたり、足の膝から下をほぐして血行を良くしましょう。

足の膝から下をほぐすことによって、全身の血流が良くなります。


夜寝る前には、私も毎晩していますが、足の裏に保湿クリームなどを塗りながら、ありがとう〜、と心の中で言いつつマッサージすると、とても効果的です。

足の親指を念入りにマッサージするとよく眠れますし、かかとは未来を表しているとも言われますので、ここはガサガサにならないように保湿クリームなどでツルツルにしておきましょう。

ニベアの青い缶も良いですが、かかとがガサガサのかたは、尿素入りの保湿クリームか、尿素系が苦手なかたにはアロエベラ配合のジェルやフットクリームなどが特にオススメです。

何より足裏には全身のツボが集まっています。良質な眠りと全身の健康にも繋がりますので、寝る前の足裏マッサージ、お勧めです。


 2-2-4. 軽い運動と筋トレ
内向的なHSPさんは、いろいろと不安な気持ちになったり、焦ったりすることも多いと思いますが、その時は、カラダを動かすと気分もリフレッシュします。

簡単な体操、手を前後に数十回振ったり、手を地面と並行に上げてカラダを左右に力を抜いてブラブラ回してみたり、スクワットしたりすると効果的です。


また内向的なHSPさんは、特にインドのヨーガで言われる第一チャクラと第二チャクラを活性化する必要があります。

チャクラというのはエネルギーのセンターで目には見えませんが、第一チャクラは基底チャクラとも言われ、会陰、つまり肛門と性器の間、生命エネルギーの根本に関係します。

第二チャクラはおへそと性器の間の仙骨のあたりです。日本では下丹田と言われるとても大切な場所。性的なエネルギーや情緒の安定に影響します。


第一チャクラと第二チャクラを直接活性化させるのは、素人には難しいですが、カラダ的には腰やお腹から下を鍛えるのが効果的です。つまり下半身を鍛えるのが良いと考えられます。

たとえば、腰を回す運動、素早く下腹を膨らませる運動を1日に300回以上。またはスクワットを20〜30回など。

ヨーガ行者や仙道の修行をしている人は、まず1日に1000回〜2000回、肛門を締める運動をすると良いと言っています。朝、昼、晩に330回ずつぐらいやれば、1000回も可能です。1秒間に2回ぐらいの速さで行います。


やってみるとわかると思いますが、肛門周辺の筋肉だけを使って肛門を締めるのって、結構難しいです。

ただ、これをやると体だけではなく、心も含めたエネルギーがアップします。肛門の少し手前には、第一チャクラがあり、生命エネルギーの源でもあるからです。


さらにHSPさんは、特に自己肯定感を上げるために軽い筋トレをすることをオススメします。無理のない筋トレをすると、自己肯定感は自然と上がります。

筋トレといっても、いきなりジムでベンチプレスなどしなくても、腕立て伏せと腹筋だけでも一日に30回ずつやれば、かなり違います。30回が厳しかったら、最初は10回ずつから、少しずつ数を増やします。とにかく毎日続けることが大切です。

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私は毎朝、朝食前に腕立て伏せと腹筋、ふくらはぎストレッチを行い、週に何回かはこれにプラスして、スクワットや気功の馬歩站椿功(ばほたんとうこう)、気を循環させる小周天などを行なっています。

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この項のまとめとして、短時間で体全体のリンパの流れを良くする「おしり体操」を紹介しておきます。


この体操の考案者は、MBA(経営学修士)俳優でボディーケアセンターの院長としてリンパケアの専門家でもある吉良浩一氏です。吉良氏は、バンドでライブに出る音楽仲間でもあります。

【おしり体操】親子でおどるリンパエクササイズ

一回たったの1分程度、面白く楽しい「おしり体操」オススメです。


 2-2-5. リズム感と規則正しい生活
HSPの人は、カラダがだるくて朝起きられないとか、夜眠れないということに悩まされがちですが、心とカラダを健康に保つには、リズム感と規則正しい生活が大切です。

インドの生命科学、アーユルヴェーダでは、特にヴァータ(風)の質が乱れると心やカラダの不調が大きくなると言われています。


女性の場合、ちょうど生理で月経のある時がヴァータの時期にあたります。自然のリズムでは満月の時です。

月経期間中は心と身体が乱れやすい時期です。ストレスや不規則な生活によって、ヴァータが乱れます。

ヴァータが乱れると、カラダの面では生理不順生理痛がひどくなったりします。また便秘腰痛になったりします。

メンタルの面では、イライラしたり、不安や恐怖を感じることが多くなり、気持ちが落ち着かなくて、なかなか寝付けなくなったりします。また衝動的な行動をしたり、集中力に欠けたりします。


ヴァータの乱れを解消し、月経期間中も快適に過ごすには、次のようなことが有効です。

①白湯を飲む
②規則正しい生活
③ゆっくり行動する
④深呼吸する
⑤瞑想する

最初の「白湯を飲む」ことに関しては、2-2-1. 腸の調子を整えるのところで説明しました。アーユルヴェーダでも白湯のみは強くススメています。ヴァータには冷たい質があるので、それを鎮めるために暖めるのです。


2番目の「規則正しい生活」、これは生活のリズムを乱さないということです。特に早寝早起きが一番オススメです。

HSPの人で、朝起きられないとか、夜眠れないと悩んでいる人も多いかもしれませんが、まず早起きの習慣を身につけてみましょう。

私は、夜どんなに遅く寝ても毎朝5時半には起きるようにしています。多くの人は朝の時間のほうがパフォーマンスが上がる傾向にあります。

人によっては、特に若い人には夜型の人もおられるので、一概に早起きが良いとは言えませんが、2-2-2. セロトニンを増やすのところでも紹介したように、朝日を浴びるとセロトニン増加の効果も期待できます。


朝早く起きると、夜も早く眠くなりますので、そのタイミングでうまく就寝できれば、シメたものです。

ホルモンの関係からも朝早く起きて、夜は早めに寝たほうがカラダにも良いです。また睡眠時間は、できれば7時間ぐらい、しっかり取るようにしましょう。

3番目の「ゆっくり行動する」というのもヴァータを鎮めるのに有効です。セカセカしないように意識的に行動してみましょう。


4番目の「深呼吸する」、これも2-1-6. ネガティブな思考にうまく対処するのところで紹介しましたが、不安な気持ちを鎮める効果があります。

そして5番目の「瞑想する」、瞑想ついては外部からの刺激に敏感すぎて、神経が疲れやすいHSPの人には特にオススメです。こちらは別のnote記事に書いていますので、参考にしてください。

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HSP提唱者のエレイン・N・アーロン博士は、50年以上、超越瞑想(TM)を続けておられ、瞑想歴30年の私の遥かに大先輩でもあります。

さて、心とカラダから、疲れ過ぎないライフスタイルを実現する方法を書いてきましたので、このセクションの締めとして、次は環境について説明します。


2-3. 自分の環境を整える

 2-3-1. 服装を整える
私たちを取り巻く環境の中でも、まず最初に注目していただきたいのは、服装です。内向型のHSPは、外に出かけるより家にいるほうが多いかもしれませんが、何を着るかは、私たちに大きな影響を与えます。

HSPは触覚も敏感なので、心地よい服を着るほうが気分が良くなると思います。


まず服の色ですが、特に肌に一番近い下着については、HSPの人は特に「赤」がオススメです。というのも赤は、2-2-4. 軽い運動と筋トレのところでも紹介した、第一チャクラの色だからです。

いきなり赤い服を着るのは抵抗があるかもしれませんが、赤い下着を着るのは家族以外の誰にも知られずに始められます。


人間の皮膚には色を識別する能力があります。したがって赤い色を身につけるとその色のチャクラ、第一チャクラも活性化されて元気になります。生命エネルギーが強くなると考えられます。

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私も何年も前から赤いブリーフを履いています。女性の場合、普通はパンティーとブラを同じ色にされると思いますが、この辺りは好みで調整してください。

前に会社に来ていた派遣の女性が「今日は寒いから、赤いパンティーをはいてきました!」と報告してくれたことがありましたが、そんなことまで一々報告しなくていいですから、こっそり履いてくださいね。


経済評論家によると、景気が悪くなると、黒い下着とかモノトーンの下着を着る人が増えるそうです。

なお、もし試してみようと思われるかたには、男性に限らず女性にもふんどし(褌)、その中でも特に赤ふんどしがオススメです。

最近は、有名下着メーカーも女性用にモッコふんどしや、女性用ふんどしパンツふんどしショーツTバックのセクシーなものまで開発しています。


最初は少し抵抗があるかもしれませんが、実際にコットンや、麻や絹のふんどしを身につけてみると、ゴムで締め付けないので、大切な場所にも優しく、とても自然で気持ちいいです。

実を言うと、私もここぞというときは、麻や絹の赤ふんどしを装着しています。赤ふんどしを締めるとテンションが上がります。


下着だけではなく、着る服装でも特に色は大切です。

マーケティングの専門家や心理学者によると、脳に入る情報の80%以上は視覚からで、人間は無意識のうちに最初に目に入ってから90秒以内に対象物を判断し、その60〜90%は色だけに基づいて行われているそうです。

色を意識して変えることによって、ブランド認知度は最大80%向上し、色の使用によって、雑誌などの読者数を40%増やし、テキストなどの学習効果を55〜78%、理解度を73%向上できるという調査結果まであります。

それほど色というのは、人に与える印象のなかでも重要なのです。


極端な話、皆によく覚えてもらったり、注目されたかったら、明るい暖色系の服を着るのが良いのです。私がお会いしたかたには、あえて赤系の色を中心に選んで着ているビジネス・ウーマンもおられました。

HSPは、落ち着いたブルーやグリーン、アースカラーの服を好む人が多いかもしれませんが、たまには自分を華やかに魅せることも大切です。


次に下着や服の素材ですが、HSPの人に一番気をつけてほしいのは、静電気の発生の少ない服を着るということです。

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できれば自然素材の綿や麻、絹がオススメです。


私たちのカラダには微弱な電流が流れており、脳や神経も微弱な電気信号で情報のやり取りをしています。

冬場など空気が乾燥している時期は静電気も起こりやすいのですが、静電気が起こると私たちのカラダの中の信号のやり取りにも少なからず影響を与えます。


静電気の発生しやすい化学繊維などの服を着ていると、イライラしたりすることも多くなります。HSPは特に注意が必要です。

もし化学繊維の服を着たい場合は、静電気の発生を抑える機能をもった素材を選んでください。


服装を整えるだけで人生変わります。

アメリカには、ドレス・フォー・サクセスという言葉があるほど、ビジネスの世界でも服装は大きく影響すると考えている人が多いようです。


かの皇帝ナポレオンも「人は着ている服装のようになる」と言っています。自分に合った、効果的な服を着ることによって、セルフイメージが上がります。


自己肯定感低めのHSPの人も着る服によって、セルフイメージを上げることができます。

だからといって、どんな服を着たらいいのかわからないかもしれません。

そんな場合は、その道のプロにまかせるのが一番間違いないです。自分にわからないことは、プロにまかせるのです。

服装を変えるというのは、今までの自分の思考パターンを超える必要があるからです。専門家からのアドバイスが効果的です。


たとえば、自分の気に入ったブランドやお店があったら、勇気を出して、店員さんにアドバイスを求めてみましょう。

ファーストリテイリングのお店では難しいかもしれませんが、高級なお店ほど親切で的確なアドバイスをしてくれます。

私も昔、あるブランドの専門店で店長さんに上から下までコーディネートしてもらっていた時期があります。高級店ほどどんな顧客にも真摯に対応してくれるはずです。


少々お金はかかりましたが、何度もお店でコーディネートしてもらううちに上得意ということで、お店に行くとコーヒーまで出してくれるようになりました。

いきなりここまでしなくても良いかもしれませんが、着る服によって、自分のセルフイメージは大きく変わり、自己肯定感も劇的に上がりました。

昔の歌で「ボロは〜、着てても〜、心は錦〜」といった歌詞がありましたが、これはある程度悟りを得た人のことで、一般の人にはこれは全く当てはまりません。


セルフイメージを上げるには、ある程度費用をかけてでも質の良い服を着ることをお勧めします。人生が大きく変わります。

あまり多くのお金をかけたくない場合は、下着靴下ハンカチなど小物から高級なものにしてみるだけで、自分はそれを身につけるのにふさわしいと潜在意識にすり込まれるので、セルフイメージは上がります。

HSPさんも気持ちの上で自己肯定感を上げようともがくより、服装を工夫してみるのも近道の一つですよ。


 2-3-2. 住まいの環境を整える
次に住まいの環境について、解説します。あなたが住んでいる家というのは、ある意味、あなたにとっての最高のパワースポットです。

住んでいる家の環境を整えるには、家のエネルギーの流れ、循環が大切です。家のエネルギーの流れが家族の健康、運気にも影響します。

先に2-2-3. カラダを冷やさないのところで、循環を良くするためには入り口と出口、入るモノと出るモノに注目すれば良いと書きました。


家の入り口と出口は、入り口玄関出口玄関水場風呂トイレなど。

風水では、金運を上げるには玄関とトイレを綺麗にすると良いとか、換気すると良いと言っていますが、それは家のエネルギー、氣の流れを良くするためではないでしょうか。

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ただし金運を上げようと思って、ギラギラした気持ちでトイレ掃除をしたり、玄関を綺麗にしても効果は有りません。


ポイントは、玄関やトイレが綺麗になると「気分がいい!」、玄関やトイレが綺麗だと「気持ちいい!」という気持ちで、楽しく掃除することです。

玄関が綺麗だと外に出る時、気分がいい。外から帰ってきた時も気分がいい。リラックスできるトイレも綺麗なほうが気持ちいい。

気分が悪いより、気分がいいほうが運気は上がります。結果的に金運も上がるかもしれません。

ですから、金運を上げようとして玄関掃除やトイレ掃除をするのではなく、綺麗なほうが気持ちいい!という単純な動機で、掃除しましょう。


余談になりますが、トイレの神さまは密教では元々、烏枢沙摩(ウスサマ)明王という恐い顔した神さまでした。ウスサマ明王はアグニ(消化のエネルギー)を司る神さまです。

一説には、烏枢沙摩(ウスサマ)明王というのは、実は目の見えない絶世の美女でまたの名を金勝要神(キンカツカナメノカミ)ともいう女神さまで、金運をアップさせてくれるとも言われています。


我が家では、玄関やトイレを綺麗にしていたら、2週間後ぐらいに年賀状で2等が当選したことがあります。

ちょうど、その時、家族が圧力鍋が欲しいと言っていたのですが、2等の商品に有名メーカーの圧力鍋セットが有り、希望はすぐに叶えられた次第です。

玄関やトイレ掃除と年賀状で2等が当選したことに因果関係が有るのか無いのか。この時は、玄関とトイレを綺麗にしたら、何かいいことあるかな程度で気楽に取り組んでいたのが良かったのかもしれません。

後日郵便局に受け取りに行くと、こんな大きな商品は初めて見ましたと局員が驚いていました。圧力鍋だけではなくて、各種フライパンや頑丈な鍋も入っていました。


玄関やトイレを綺麗にしたら、気持ちいい!という気楽な気持ちで、家のエネルギーの循環を良くしてみてください。

なお、玄関掃除は、風水では後で述べる家族関係にも影響するようです。


 2-3-3. 入ってくる情報を選ぶ
アタマとカラダのパフォーマンスを上げるには、自分に入ってくる情報と行動を見直す必要があります。

特にHSPは、五感からの刺激に敏感で疲れやすいので、疲れにくいライフスタイルを送るには、単純に入ってくる情報を選別する、少なくするのも効果的です。

・本や服、家具の断捨離
・目に入る情報を少なくする
・情報の断捨離
・テレビやラジオから離れる
・1日の時間を見直す


前の項で家のエネルギーの循環を良くするには、入り口と出口に注目すると書きました。しかし、そもそも家の中にモノが多すぎると、せっかく良いエネルギーが入ってきてもうまく循環できません。

お金持ちの家にはモノが少なく、スッキリしているという話もよく聞きます。テレビドラマでお金持ちの家を再現する際、モデルルームのようにモノを少なくするのが鉄則だそうです。


家の中にモノが多いと目に入ってくる情報も多くなります。特にHSPは、入ってくる情報が多過ぎると、イライラしたり、焦ったり、不安になったりするので致命的です。

とりあえず家の中にあるモノを減らしてみましょう。


しかし家族の協力が無いと、「人生がときめく片付けの魔法」のコンマリこと近藤麻理恵さんや、断捨離という言葉を広めた、やましたひでこさんのようにモノを処分できません。

そこで、オススメなのが「一日一捨」という方法です。とりあえず毎日一つずつモノを減らしていくのです。

やってみると、これが結構気持ちいい!


はかない靴下、穴の開いたTシャツ、いらない下着、何年も着てないシャツなど、洋服関係から手を付けると始めやすいです。毎日何か一つずつ、ありがとうと感謝してからゴミ袋へ。

またコレクションや本も本当に残しておきたいモノだけに厳選し、あとはオークションに出したりして、少しずつ減らしていきましょう。メルカリなどで出品すると、予想外によく売れたりします。

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毎日少しずつなので、ほとんどモノは減ってないみたいに見えますが、確実にスッキリしてきてます。

皆さんもこの時期から少しずつ手を付けてみては、いかがでしょう。一年経つと365品の不用品が捨てられますよ。

モノが減ると部屋もスッキリ、気持ちもスッキリしてきます。おススメです。

目指せ、ロボット掃除機ルンバが動き回れるリビング!
ルンバの上に猫が乗っているのも可。(笑)


次に入ってくる情報を選択し、減らす大切さについて。

特にテレビは一番気をつけないといけないメディアです。テレビやラジオ、ネットのニュースは、ネガティブなもの、意図的なものが多いです。さらには、真実ではない間違った情報も多いです。

そもそも、記者やニュースキャスターは、文章を書いたり、話すことについてはプロですが、何かの専門家ではありません。そういう人が又聞きしたものを記事にしたりしているので、根本的に間違っているものも多いのです。


テレビやラジオ、ネットのニュースは、基本的に人が注目する内容しか紹介していません。このため、どうしてもネガティブな情報が多くなってしまいます。

また大袈裟に言うと、大衆をコントロールしたい人たちや、広告主が消費者に何かを買わすためのマインドコントロールの道具にもなっています。

テレビのつけっぱなしは、一番避けた方が良いです。

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テレビを全く見るなとは言いませんが、料理番組や旅行情報、お気に入りの映画やドラマ以外は、できるだけ見ないようにして、スイッチを切っておきましょう。

人生で大きな成功を収めているかたには、家にテレビを持っていない人も多いです。私の友人でも何人かおられます。


またテレビやラジオで語られる恋人との出会いや家族のストーリーは、広告代理店の作った現実とはほど遠い虚構の世界です。

それと自分の現実を比べて焦ったり、落ち込む必要は全くありません。特にHSP さんは、毎日テレビを見たりして洗脳されないように気をつけましょう!


テレビで国内や世界の事件のニュースばかり見ていると、世界の片隅で起こっていることをさも自分の人生に起こっていると勘違いしてしまうことも多くなります。

困っている人たちに共感して思いやりを持つことは大切ですが、彼らの状況に共鳴し過ぎてはいけません。共に解決策を考えるのは良いですが、まず自分が幸せで満たされていないと、彼らを手助けすることなど出来ません。


それよりあなたの身の回りの小さな幸せ、良い出来事やニュースに目を向けてみては、いかがでしょうか。

ネットでも良いニュースばかり集めたサイトがあるので、たまに覗いてみると良いかもしれません。

https://www.goodnewsnetwork.org/

英語のサイトですが、Google クロームのブラウザで開くと右上の選択ボタンで瞬時に日本語に翻訳してくれます。


さて、ここから先は、人生において多くの人が悩むお金と人間関係について、さらにその先のスピリチュアルなテーマについて考えていきます。

HSPの人は非HSPの人よりお金と人間関係について悩むことが多いと思いますので、参考にしていただけると幸いです。


ここから先は

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