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スマホ少女は空を舞う~AI独裁を打ち砕くお気楽少女の叛逆記~ 50~Fin
50. 結果が原因を決める
宴もたけなわとなり、みんな楽しそうにバカ話で盛り上がっている。
すると、シアンが楽しそうにぶちまける。
「聞いてよ! 僕がサキュバスのコスプレしたら瑛士ったら喜んでんだよ!」
ブッ!
思わず瑛士はウーロン茶を吹いてしまった。
「よ、喜んでなんてないって!」
「真っ赤になってチラチラシッポ見てたじゃん? きゃははは!」
瑛士は渋い顔をして口を尖ら
スマホ少女は空を舞う~AI独裁を打ち砕くお気楽少女の叛逆記~ 40~49
40. 星辰のヴィーナ神殿
煌びやかな光を放ちながらどんどん近づいてくる魔法陣。その複雑に絡み合った幾何学模様は、まるで夢幻の世界から抜け出したかのように心を打つ。瑛士はその幻想的な美しさに心を奪われ、見惚れてしまった。
うわぁ……。
「ゲート接触まで十、九、八、七……」
レヴィアがカウントダウンを始めた。
「はい、ちゃんとつかまっててよ?」
シアンは後ろを振り向き、青い髪を風
スマホ少女は空を舞う~AI独裁を打ち砕くお気楽少女の叛逆記~ 30~39
30. 電話で解決
ふぅ……。
シアンは深いため息をつく。AI政府を倒したはいいが、本当に面倒くさいのはこれからなのだ。新しい社会の姿も何も決まらない今、どこから手を付けたらよい物だろうか?
「あのぅ……」
レヴィアは渋い表情をするシアンに、おずおずと声をかける。
「何? 倒しちゃまずかった?」
「いや、そうではなくてですね、アレ、いいんですか?」
レヴィアの指さす先には青白
スマホ少女は空を舞う~AI独裁を打ち砕くお気楽少女の叛逆記~ 20~29
20. 怒りのシャッター
「証明? 何? 川崎の街を吹っ飛ばして見せたら納得するわけ?」
シアンは邪悪さのにじむ笑みを浮かべながらスマホを見せつけ、ぶわっと黄金色の輝きを纏わせた。
「ス、スマホがどうしたって言うのよ!」
副長はその明らかに様子のおかしいスマホに気おされながらも、気丈に言い張った。
「これで写真撮っちゃおうかなって。くふふふ……」
「写真……?」
絶好調になった
スマホ少女は空を舞う~AI独裁を打ち砕くお気楽少女の叛逆記~ 10~19
10. 濡れたワンピース
風に流されながらふわふわと廃墟となった東京上空を飛んでいく二人――――。
今から十数年前のあの日、自衛隊と戦闘になったAIのロボットたちは、躊躇することなくハッキングで奪い取った核ミサイルを使った。市ヶ谷にある防衛省上空で炸裂した核弾頭は一瞬で東京二十三区を焼き払い、数百万人が焼け死んだ。これで日本はAIの手に落ちたのだ。
アメリカや中国がどうなったかは知らな
スマホ少女は空を舞う~AI独裁を打ち砕くお気楽少女の叛逆記~ 5~9
5. 知るは力
太陽が地平線に近づき、空は神秘的な赤に染まっていく。排気ガスのない廃墟と化した東京の夕陽は、まるで異世界のような鮮やかな赤で瑛士を圧倒し、彼はその光景にしばし見とれ、そして大きく息をつくと少し恨めしそうににらんだ。
少し離れた廃ビルに二人は今晩の居場所を確保する。瑛士は長い経験の中で、ビルの壊れ具合から居心地の良さを見抜けるまでになっていた。
焚火をおこそうと、瑛士が壁
スマホ少女は空を舞う~AI独裁を打ち砕くお気楽少女の叛逆記~ 2~4
2. はいチーズ!
「あぁっ! マジかよ……」
瑛士は混乱の中、頭を抱え込む。
ピン! チュィィィン……。
サイボストルは少女に反応し、無慈悲にも少女に照準を向けた。
猫のために危険をかえりみずに飛び出してしまった少女は、いまや恐るべき死の淵にあった。
瑛士は、父を失ったばかりで、その心の傷はまだ生々しい。これ以上命を失うことには耐えられそうになかった。
クソッ!
瑛
スマホ少女は空を舞う~AI独裁を打ち砕くお気楽少女の叛逆記~
あらすじAIに支配された未来都市東京、そこでAIに抵抗するレジスタンスの少年は瓦礫の中に楽しそうにネコと遊ぶ少女を見た。なんと、少女はスマホカメラを使って軽々とAIのロボットたちをせん滅していく。
少年は少女に人類の未来を託し、AI支配の象徴である高さ三キロのタワーを打ち倒しに風の塔を目指した……。
来たるべき未来、少年と少女が人類の未来を勝ち取るため最強AIに立ち向かう冒険ストーリーです。
異世界最速の英雄 ~転生5秒で魔王を撃破した最強幼女の冒険物語~ 60~Fin
60. 素っ裸の青年
オディールとレヴィアが駆け寄ってきて、その素っ裸で転がっている青年をまじまじと見つめた。
「誰これ? 金髪碧眼の幼女だったんじゃないの?」
オディールはレヴィアに聞いたが、レヴィアもキツネにつままれたように首をひねっている。
「おい、お前は誰だ?」
オディールは容赦なく青年のお尻をツンツンとつつく。
ん……?
霧が晴れるように徐々に明瞭さを取り戻す意識
異世界最速の英雄 ~転生5秒で魔王を撃破した最強幼女の冒険物語~ 50~59
50. 竜の子
「な、なんだ……、コレは……」
追いついてきた大天使も目の前に広がる未知の奇観に息をのんだ。
「あの実は食べられるんですかね?」
オディールの目は期待に満ちて輝いていたが、大天使は静かに首を横に振った。
「お前は余計なことをするなよ? イミグレーションで……」
そんなお小言をこぼす大天使を尻目に、オディールは好奇心に駆られてかけだした。
「おい待て!」
「きゃ
異世界最速の英雄 ~転生5秒で魔王を撃破した最強幼女の冒険物語~ 40~49
40. 禅問答の真実
「この先がサイノンの空間じゃ、入ってみろ」
レヴィアは少し疲れた様子で首を回しながら言った。
「は、入るって……」
蒼はおっかなびっくり岩の面に触れてみるが、硬い岩は到底通れそうにない。
「あー、お主らは悟りなき衆生じゃったか……。うーむ」
レヴィアは腕を組むと、深い溜息とともに煩わしげに首をひねった。
「僕ら一般人なんだよね」
蒼は無理難題に口を尖ら
異世界最速の英雄 ~転生5秒で魔王を撃破した最強幼女の冒険物語~ 30~39
30. 違う、僕じゃない
えっ!? まさか……。
二人に緊張が走る。
ムーシュを呼んだのも正体を暴くためだったのだろうか? 蒼はゲルフリックに意識の照準を合わせ、罠があるのではないかとあちこちキョロキョロと見まわす。攻撃してくるようなことがあるなら殺す以外ないのだ。
ゲルフリックは得意げに話し始める。
「Sランク冒険者さ。王国に十数年ぶりに誕生したブラウンの髪をした小娘……。コイ
異世界最速の英雄 ~転生5秒で魔王を撃破した最強幼女の冒険物語~ 20~29
20. 輝く天声の羅針盤
「はい! 無駄話はおしまい。魔導書はもってけ!」
老婆はそそくさと深緑に輝く魔石をふところにしまうと、引き出しから古びた紙を巻いたスクロールを取り出した。
「これはオマケじゃ。ほい、お嬢ちゃんどうぞ」
ニコッと嬉しそうにスクロールを蒼に差し出した。
蒼はけげんそうな顔で受け取ると鑑定をかけてみる。
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マジックスクロール【沈黙の
異世界最速の英雄 ~転生5秒で魔王を撃破した最強幼女の冒険物語~ 10~19
10. 絶望の乾杯
魔王城のボールルームで宴会が始まった――――。
「シャドウスカル殿! こたびの大魔法は画期的でしたな!」「しかりしかり。魔王軍もこれで安泰ですな!」「おいこら! ワシにもあいさつさせろ!」
今回の立役者シャドウスカルの周りには人垣ができていた。魔王城をも揺るがす大魔法、これは人間たちに使っても大成果が得られるはず。であれば魔王軍はこの世界を征服できる大いなる最終兵器を
異世界最速の英雄 ~転生5秒で魔王を撃破した最強幼女の冒険物語~ 5~9
5. 暴走する煩悩
「だったらのど乾いたんだけど、なんかちょうだい」
蒼は頬ずりするムーシュを引きはがし、可愛いモミジのような手を差し出した。転生早々怒涛の展開でのどがカラカラだったのだ。
「えっ!?」
ムーシュは突然、顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。
蒼が不思議に思っていると、ムーシュは蒼を下ろして豊満な胸を押さえ、恥ずかしそうにつぶやいた。
「申し訳ありません。この胸は見て
異世界最速の英雄 ~転生5秒で魔王を撃破した最強幼女の冒険物語~ 2~4
2. 魔王軍四天王ルシファー
蒼は再度大きくため息をつくと、うつろな目でステータスウィンドウを眺めた。
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Lv.100 アオ 三歳 女性
種族 :ヒューマン
職業 :無職
スキル:即死、鑑定
称号 :救世主、ジャイアントキリング
特記事項:原点回帰【呪い】
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いつの間にかレベルが100になっていた。レベル1がレベル999を倒せば一気