続けるデザイナー@シニアデザイン

デザイナー歴35年超グラフィックデザイナーです。基本はDTP時々WEB。みなさん同じで…

続けるデザイナー@シニアデザイン

デザイナー歴35年超グラフィックデザイナーです。基本はDTP時々WEB。みなさん同じでしょうが、先行き不安を克服するため、50代の今もあがいております。ただ、その中でも光明はありました!今は、水彩画を描きつつ暮らせる余裕のある生活を射程圏内にしつつあります。

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最近の記事

40年前の美大生が考えてた事

私が美大に入った頃は、 グラフィックデザイナー?何それ? 卒業したら何になるの? …が周囲のおおかたの反応だった。 うちの親父なんぞは、 「将来は看板屋か?」と真剣に聞いてきた なのでそのころ美大へ行くのは、 学歴社会からドロップアウトした連中で 社会的不適合格者の一員となる事だった。 親戚のおばちゃんなんかに伝えると 「あ、そう美大でデザインをね…。」 言外に(あ〜逃げたのね。社会から…)と 言われているような気がしていた。 そのせいかだろうか、 偏差値が中等以上の大学

    • 「エヴァでね…」「はっ!?」

      その打ち合わせは、 結構込み入った内容だったのだけれど、 なんとかこちらに有利に引っ張り込んで 終えられた。 ひとしきり雑談も終わり、さあ意気揚々と 引き上げようかというその時だった 「エヴァでね…」 「はっ!?」 (エヴァ…あ、エヴァンゲリオンか/0.5秒) 「死海文書の話が出てくるんだけどね…」 (え〜シカイブンショ…なんだか予言が 書かれているやつだったかな?/0.8秒) 「あれはね、%>@,2〜R^v=a…」 と担当者が、トートツに喋りだすのである。 デザイナ

      • 命をかける仕事

        以前いた会社の同僚が亡くなったと聞いた。 私よりいくつか下だから、50になったか どうかという年齢のはずだ。 心筋梗塞だったという。 会わなくなって10年近く経つので、 私は細かいことは知らず、 最近はフリーだったとしか聞いていない。 なぜ亡くなったのか?詳しい話も聞いてない。 ただ仕事がらみであろう事は想像に難くない。 ストレスが溜まってたのだろうか、 過重労働だったのだろうか… いつも思うのだけど、 「何も死なんでもええやん…」と本当に思う。 命をかける仕事なんぞこの

        • それは、仕事?

          仕事の内容は大きく分けて 「創造」と「作業」がある。という事。 なので、今やっている事はどちらなのか? という事をはっきり自覚しながら 行動した方がいい。 もちろん、 デザイナーの本業は「創造」なので、 そちら側の仕事に力を入れる。 でも現実は落とし穴がいっぱい待っている。 コンピューターで制作する今よりずっと昔、 手作業で細い罫線を描く作業があった。 ぶっちゃけこれは版下制作であって 正確さは求められるが全く創造的ではない。 たいがい新人の仕事で、ほぼ全員が 他人より

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        • Designers Wonderland
          16本
        • Designer's Past and Future
          0本

        記事

          あるアートディレクターさんのつぶやき

          いや結局ねアートディレクターだ、 デザイナーだってもね、 芸者さんと変わらへんのね。実は。 営業がたいこもちで、制作会社が置屋で、 クライアントさんはもちろん旦那さんです。 そやから、 旦那に気に入ってもらえてお座敷が増えて、 たまにそのまま水揚げされて、 囲われる人もいはる。 まあ、その会社に移籍するか ハウスエージェントになるということ なんやけどね。 でもそれがアガリでもないんやけどね。 最近フリーランスや言うて、 一人立ちする人たちが多いみたいやね。

          あるアートディレクターさんのつぶやき

          10年後の君へ…

          注)これは今から10年前の文章です。 最近、年代のギャップについてよく考える。
 「年の差を意識するから年を取るんだ。
 年齢なんか意識しちゃいけない!」 
…と言うご意見を聞くのだけれど、 「年齢を意識しない」ことを 
「意識的にする」というのは、 ただの無駄なあがきでしか
ない気がする。

 などと愚痴っても仕方ないので 意識して自分と20〜30代のデザイナーとの
 「年齢的ギャップ」を眺めてみた…。
 すると気づくことがある。
 若い頃の苦労はきっと未来の糧にな

          デザイナーの勉強会は必要か?

          勤務先のチーム内で半年続けていた、 デザイナーのための勉強会を 止めることにした。 上からやってくれとか頼まれた訳でもなく、 個人的に始めたので、止めるにあたって 何のしがらみもない。 ただ、潮時かなと思ったので 止めることにしたのだ。 ネタが尽きた訳じゃない。 ネタなぞ、noteに書くほどあるのだ(笑) 受講者、つまりチームのメンバー (といっても二人だけ)の 反応の薄さが主たる原因だ。 客(金を払ってくれてる訳じゃないけど) にケチつける演者は、ロクな奴じゃない そ

          デザイナーの勉強会は必要か?

          良い仕事、悪い仕事は最初から決まっている話

          どう見ても普通の仕事なのに、 
着手当初から小さなつまづきがある。
 打合わせの時、いつもの手帳を忘れたとか。
 それも、頻発する。。 

そんな時その仕事はよく気をつけましょう。 
進行するうちに必ず「なんでこんなに!」と 思うほどトラブルがいっぱいでてきます。 

ホラー映画を思い出してみてください。
 いきなりクライマックスから始まるような 
演出のホラーはないでしょう。
 最初は静かな日常の風景だったりします。
 でも言いしれぬ怖さが滲んでたりします。
 そして

          良い仕事、悪い仕事は最初から決まっている話

          フリーランスデザイナーで失敗した話

          もう何年も前になりますが、 
私は一時フリーランスデザイナーとして 身を立てる
つもりでいました。 結果的にそれは失敗したのですが…

 でもフリーランスが失敗に至るまで ちょっとした…いえ大事な学びを得ました。 

実は‥
もうデザイナーは辞めよう… と考えたことが一時ありました。 
そこで他の職種であれはどうか? これはおもしろそうか?と 様々考えていたのです。 今考えたら、逃避だったと思います。
 でも当時は本気で考えていました。
 様々な理由もあり、ともかくその

          フリーランスデザイナーで失敗した話

          まぼろしのスーパーマリオ

          任天堂の名作スーパーマリオブラザースは、 発売してからもう35年以上経つという。 それと同じ35年前の秋、私は大学の就職課の求人一覧を眺めていた。その頃の就職活動と言えば、夏が過ぎて涼しくなってからやるモノだった。 しかも涼しい秋といっていっても、三回生じゃなく四回生だ。今の人たちから見れば、この時点ですでに落伍者だろう(笑) だが周りだってそんなもんだった。 特に美大などに通うと決めた時点で、落伍者とまでは言わないまでも「社会の枠から外れた奴」扱いを受けていた。それんな

          まぼろしのスーパーマリオ

          ありそうでないインパクトの話

          よくインパクトのあるデザインを…とか、 もっとインパクトが欲しいなあ…とか。。。 言われませんか? 私はあります。 さるお役所のデザインコンテスト募集リーフ作成の案件。ビジュアル的に迫力のあるタイポ案とモノクロ写真を活かした渋めの案の2案を出した。 意図としては応募者に対して、 応募作品を脅かさない…でも最低このラインはやれよといったところだった。 そしてそれらに対して、お役所担当者の最初の評価は、タイポ案については「どっかで見たことある!」 (知らんがな~。あんたが見た

          ありそうでないインパクトの話

          1995年ごろの最先端な話

          その時私は大阪の郊外にある、さるスタジオにいた。目の前には真新しい最新のMacが鎮座している。 スペックは、 power pc 604e 200MHz メモリは256MBも積んでいる。 モニターもソニーのトリニトロン17インチだ。 スキャナも接続されて、これもエプソンの新製品。 わざわざ工事して引いた回線は今最速のISDN128kbpsだ。 装備は充実していて、私は満足だった。 1995年ごろの話である。 インターネットも毛が生えた程度の時代‥ デジタルカメ

          ダイハードなクリスマス

          もう来週はクリスマスだというその日の朝、急に常務から指示が下された。 「今日午後イチでM不動産へ行ってくれんか?」 「は?なんでまた?」 M不動産といえば、クライアントの中ではごく普通のところだった。問題も少ないかわり、取り扱いはそれほどでもなかったはずだけど。 「いやな、うちのM不動産担当営業が忘年会の席で…M不動産の担当者をシメてしまいよったんや。」 「‥?」 「何があったか知らんけど、シメたらしいねん。」 「でな、今日な年始のチラシの打ち合わせがあるらしく

          網タイツの思い出

          広告代理店やデザイン関連の職には、 たまに勘違いした奴が迷い込んでくる。 こんな風に書くと「私?」「僕?」と思われる方がいるかもしれないけれど、それは大丈夫です。 そう思う人は必ずそんな奴ではない。 まず勘違いしている奴は、自分が勘違野郎だとは絶対思わないから。 ともかく、反省とか深く考えるとかいう行為とは無縁の生き物なのだ。 ある日… 「Aさんの過去の作品を見せて欲しいんです。」 同じ社内の営業女子が、突然私をつかまえて言うのである。 「?」 「今度の私担

          呪文

          ある晴れた日の午後、数ヶ月に終ったチラシデータをクライアントにPDFで送って欲しいと営業より連絡がきた。 「次回も頼むとか言ってたくせに連絡無かったな」 こんな状況で前回のPDFを要求された場合、理由は明快だ。 クライアントは他社へ発注するつもりなのだ PDFファイルを渡すと言う事は、ロゴから写真から色指定から全ての情報を他社へ手渡すということだ。デザイナーなら誰でも危険極まりないと思っていること。 営業はそんな事を知っているのか、いないのか…いつもの脳天気な声で、早

          真赤なバラ

          そろそろ春めいてきた外の風景。 すぐ裏を走る電車の音も、カタコトといつもより リズミカルに聞こえる。 そんな風景とは別に小さな事務所の一室は、 膠着状態に入っていた。 「ん〜なんかちゃうんやなあ。。」 「…」 初めての取引先で、社員もいない社長ひとりの会社だった。 とりあえずラフを提出(この行為自体どうなのだが)したもののお気に召さないようである。 「あ、前に一発で売れた物件のチラシがあるんや!それを見てや。」 ガラッパチ、べらんめえ調という言葉がぴったりの社長