高校生の進路選択 その4 せつかさん(中編)「母の英語教室を手伝ったとき、『日本の英語教育を変えられる』と自信が持てた」
対談記事は、「前編」「中編」「後編」の3回に分けて投稿しております。
中編では、「目標が持てたことでせつかさんがどう変化したのか?」「大学受験ではどんな基準で進路を選んだのか?」についてお聞きしました。
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せつかさん「これ私のやりたかったことだと、DECA JAPAN GTEプログラム終了した帰りの新幹線の中で雷に打たれたように気づいたのです」
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・高校生の進路選択 その4 せつかさん(前編)「母の英語教室を手伝ったとき、『日本の英語教育を変えられる』と自信が持てた」
・高校生の進路選択 その4 せつかさん(中編)「母の英語教室を手伝ったとき、『日本の英語教育を変えられる』と自信が持てた」
・高校生の進路選択 その4 せつかさん(後編)「母の英語教室を手伝ったとき、『日本の英語教育を変えられる』と自信が持てた」
目標が見つかったことで、いままで苦手だったことに興味が持て、チャレンジする自信がついた
能登: 高校1年生で GTE サマースクールに参加して自分の目標が見つかったあと、せつかさんにどんな変化がありましたか?
せつかさん: 目標に向けて勉強や課外活動に打ち込めるようになったのはもちろんですが、それ以外にも大きな変化があって。
実は、いままで興味がなかったことや、不得意だったりイヤだったりしたことに興味を持てるようになりました。なんでも情報を集めようとするようになって。
例えばいままでは、「数学なんて英語とぜんぜん関係ないでしょ。苦手だなあ、難しくてイヤだなあ」と思っていたのが、「あ、この数学の表現って英語で言うとこうだな!」とか、「これ、前に参加した英語の課外活動で言っていたことと近いな」と興味を持てたりとか。
自分が好きな英語とのつながりを意識して考えられるようになりました。情報の集め方、接し方が変わったなと思います。
能登: 目標が見つかって考え方が大きく変わったのですね。
せつかさん: はい。「これを実現したい!」という意志を持った瞬間から、ガラッと自分が変わりました。
変わるという表現では足りないくらい。いままで曇っていた脳みそがいきなりぱあーっと晴れてくる感じ(笑)。
本当に日常の小さなことでも、それが好きな英語かどうかも関係なく、なんでも前向きに考え、前向きに行動できるようになりました。
例えば、英語でも日本語でも、話したり書いたりのアウトプットは大好きだけど、読解でつまずくことがあって。うまくいかないといままでは凹むだけ。それが、自分が納得できなくても凹まずに、「でもここを工夫すれば改善できるな」と、何でも前向きに考えられるようになりました。
小さくても大きくても、目標を持つと日常が変わる。そんな経験をしました。
能登: 目標に向けて、GTE とは別の課外活動にもチャレンジしましたか?
せつかさん: それが、2020 年に入ってからは緊急事態宣言があったりして、海外で課外活動をしようと思ったのにできなくて。
GTE のあと、ディベートの世界大会に出場したのですが、海外での大会がオンラインになりました。その他の課外活動もオンラインがほとんど。
オンラインではありますが、ディベート世界大会では日本代表として出場して、日本を背負って準決勝まで進みました。その後も卒業生スタッフのアンバサダーのような立場で参加したりして。そのときは GTE での経験がすごく活きましたね。
能登: ディベート世界大会で準決勝まで進むなんてすごいですね! どんな経験が役立ったのでしょう?
せつかさん: GTE はプレゼンテーションがメインだったので、ディベートとはぜんぜんちがうと思いますよね。でも GTE で培ったプレゼン力がすごく活きて。
ディベート世界大会はレベルがとても高くて、ディベートのお題はそのときになるまで分からないんです。かつ、自分たちが賛成側としてディベートするのか、反対側としてディベートするのかも、その場で決められてすぐにどちらかの立場でディベートしなければいけない。スピードがすごく速い大会でした。
で、急に決められるのであわててメモを書くのですが、書いているときに頭の中で「あれ、メモする力が上がってる」と気づく。実際にディベートしているときも、「あれ、話す能力も上がったな」と気づいたりして。常に GTE Summer School での経験が頭の中にありました。
能登: 英語に関係するもの以外の課外活動にも取り組まれましたか?
せつかさん: そうですね、唯一英語でないものは、学校関連の模擬国連で、英語部門と日本語部門の両方に参加したことです。
私が代表として出たのは英語でしたが、学校の先生から「日本語もがんばってみましょうよ」と言われたんです。以前の私だったら、「英語なら得意だけど日本語は難しいな、止めておこうかな、どうしよう……」となったと思うんです。日本語でのディスカッションにすごく自信が無くて。
でも、難しい言語でも挑戦しようと、挑戦心がわき出てきました。それで、英語部門と日本語部門の両方で模擬国連に参加したんです。
能登: 目標が見つかったことで、目標に向けた行動ができるようになっただけでなく、苦手なことでもチャレンジする自信がついたのですね。
せつかさん: はい。でもそれだけじゃないんですよ。GTE でたくさん学んだことは授業や課外活動だけでなく、日常にも活きていて。
人に何か話をするとき、順序立てて話したり、情報を整理して人に話すことに苦手意識がいままでありました。
いままでは、どう話せばいいんだろう、ああかなこうかなと時間をかけて考えるのに、いざ話すとうわーっと整理されずに話すような感じでした。
それが、話す順番を整理整頓して、人に分かりやすくものごとを説明しようとする意識が強くなった。だんだんその能力がついていったように感じていて、GTE で学んだことは日常でもすごく活きているなと思います。
ゆるぎない基準で進路を決め、楽しんで受験を乗り越えられた
能登: 話を変えて、せつかさんの大学受験についてお聞きしたいと思います。
せつかさんが通っていた高校でもそうだと思うのですが、高1の終わりくらいに、どんな大学のどの学部に行きたいか進路を考えるよう求められますよね。せつかさんの場合はどうでした?
せつかさん: 私の場合、進路の選択肢は1つだけでした。
もちろん行ってみたい大学は複数ありましたが、「日本の英語教育を変える、という夢につながることを海外で学びたい」ということはすでに決まっていたので……
変な言い方なのですが、楽しんで受験ができました。「勉強しなきゃ」というプレッシャーもなく、あまり良い成績が出なくても「うん、よし次に行こう」と、メンタルもくじけることがなくて。イヤなことがなく受験が終わりました。
能登: それは、せつかさんの目標がクリアだから、進学先も、合格に必要なラインも明確だったからでしょうか?
せつかさん: それはあると思います。周りの友だちは、「学部をどこにしよう? 受験科目は何にしよう? 大学をどこにしよう?」と、やりたいことが決まっているようで決まっていない人がいっぱいいたんですけど。私は迷いがなかったです。
能登: うーん、せつかさんは大学受験の悩みにさらされなかった、ってことですかね?(笑)
せつかさん: ぜんぜんなかったです。周りの同級生を見ると、色々な参考書の山に囲まれて、参考書にいっぱい付箋が貼ってあって…… という光景を高校でたくさん見たのですが。
私は、「日本の大学はどんな英語の試験を出すんだろう?」というところには興味があって。友だちに頼んで、色々な大学の英語試験の過去問などを、写真に撮って送ってもらっていました。
「へー、この大学はこういう表現をするんだ! あっ、こっちの大学はこんな問題を出すんだね」とか、色々な大学の問題を見比べて楽しんでいました。
能登: すごい(笑)。でも、目標は1つでも、海外大学と言ってもそれこそ無数の大学、無数の国がありますよね。むしろ日本よりはるかに選択できる数が多い。その中で、Lakeland University(米)にした決め手はなんでしょうか?
せつかさん: そうですね、最終的に Lakeland University に決めるまでには、やはりプロセスがありました。
第一優先にした基準は、夢に一番つながる学びができるところはどこか。大学の受験難易度ではなく、自分が一番やりたいことに近い大学と学部は何かが基準です。
それで、学部で言えばやはり教育学部。でも国際関係学もありかなと選択肢を絞っていきました。
ただ、ここで一つ問題が出てしまって……
ワクチンの接種時期の関係で、本当であれば9月の入学時期に海外に行けるはずが、行けなくなってしまったんです。大学4年間の1年目は海外で学べない。困りました。
それでさらに調べたところ、Lakeland University は日本にもキャンパスがあることが分かったんです。最初の1,2年間は日本で学ぶにしても、オンラインよりもリアルで学べる方がいいなと思い、この大学に決めました。
なので、大学を決めるプロセスと言っても、細かいプロセスをたくさん経たというよりも「夢に近づけるかどうか」という大きな階段がほとんどでした。
能登: シンプルで、ゆるぎない基準で進路を選ばれたのですね。GTE サマースクールでそこまで変化したなんて、うれしいです。
せつかさん: はい。今まで自分を囲っていたものが取れた、というか。
能登: 脱皮した、というか(笑)。ヘレンケラーが水の感覚を体感して、「Water!」と言ったような変化なのかもしれませんね。
せつかさん: 「あ、自分が変わった!」と瞬間的に変化に気づくこともありますし、「あれ、いつの間にか私はこう考えられているな」と振り返ってから自分の変化に気づくことも結構多いですね。
変化した、という表現以上の単語が欲しいくらいです。
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・高校生の進路選択 その4 せつかさん(後編)「母の英語教室を手伝ったとき、『日本の英語教育を変えられる』と自信が持てた」
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