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米レイクランド大学 せつかさん「日本の英語教育を変えるための進学」

GTE 公式サイト

■ この記事で分かること

高校生・中学生向け起業家教育プログラム GTE® に参加した高校生が、「なぜその大学・学部を選んだのか?」が分かります。進路選択に悩んでいる高校生と、その保護者の方はぜひご参考にしてみてください。

せつかさん(Lakeland University (米)教育学部 在学中)
【 語り手 】 せつかさん
(Lakeland University(米)教育学部)
能登 左知(DECA JAPAN 理事)
【 聞き手 】 能登 左知
(一般社団法人カピオンエデュケーションズ 理事)
【執筆・編集】柏 陽平
(GTE メンター、GTE Blog 運営者

< 動画で見たい方はこちら(YouTube) >




■ 高校時代はどんなことに力を入れた?

DECA JAPAN GTE プログラムに参加したせつかさん(写真中央)
GTE サマースクールに参加したせつかさん(写真中央)

・自分で決めた行動が成果につながり、自信が出た


せつかさん: 母が英語教室を開いているんですけど、「英語教室に来ている生徒さんに、私が手助けしたらどんな結果になるんだろう?」と考えたことがあるんですよ。中学生のときだったんですけど。
 ちょうどその頃、英検2級にライティングが導入され始めたときで、「私はライティングが得意だから助けられるな!」って気づいて。

能登: お母さんは OK を出してくれたのですか?

せつかさん: 「せつかはどうしたいの?」って母に聞かれました。

能登: せつかさん自身が行動を決めるように促されたのですね。OK ともダメとも親から言うのではなくて。

せつかさん: はい。それでやってみたら、手助けした生徒が一発で英検2級に合格できて。しかもライティングはほぼ満点だったんです。すごく自信になりました。
 それで、「日本の英語教育を変えられるんじゃないか……?」と今まで思っていたのが、「変えられる!」に変わって。
 「みんながもっと英語を好きになってほしい、そのために日本の英語教育を変えよう!」と思い立つきっかけになりました。

能登: そもそも、なぜ日本の英語教育を変えたいのでしょう?

せつかさん: 母が英語教室を運営していたからだと思いますが、私は日本語より英語の方を先に覚えたんです。ひらがなよりアルファベットの方を早く覚えたりして。
 小さい頃から英語を話していたので、学校でネイティブの先生に何か聞かれたり、外国人から道を聞かれたりしたときは、普通に英語で会話しますよね。
 そうしたらいつも必ず、周りにいる人から「なんでそんなに英語しゃべれるの……!?」という一言を言われ続けていたんです。
 でも逆に私は、「なんでみんなしゃべりたいと思わないんだろう?」と疑問に思って。これが、日本の英語教育に疑問をもったスタートです。

能登: 「しゃべれない」んじゃなくて、「しゃべりたいと思わない」。

せつかさん: それがあって、小学校4年生の頃に色々な友達の様子を見てみたり、「英語の授業ではどんなことをやっているの?」と聞いてみたりしました。
 そうしたら、「あー、英語の授業の取り組み方や考え方が、私がやりたいと思っているものとちがうんだな」と気づいて。ズレがあるなと。
 でも、このズレは修正できると思っていたんですよ。小学生だったけど。それが、中学生のときに「手助けした生徒の英検合格」という成果が出たことで、自信がわき出てきました。


・母の勧めで GTE サマースクールに参加

能登: GTE サマースクールに参加されたきっかけは何ですか?

せつかさん: 人と協力して英語で成果を出す、そんなプログラムがすごくやりたかったんです。
 あとはそうですね、「自分が今まで培ってきた能力を発揮できる場がほしいな」と思って参加しました。
 参加する日が近づくにつれて、「めっちゃ楽しみ!」とワクワクして。とにかく楽しみたい! と思っていました。

能登: GTE 2019 のときは講義も含めて全て英語でしたよね。最初のアイスブレイクからしてネイティブがマシンガントークで、生徒たちはリラックスするどころか緊張感 Max になっていましたよね。せつかさんは緊張しなかったんですか?

せつかさん: 自分の性格的に、人とコミュニケーションがとれる、英語で成果を出せる点に楽しさを感じるので、緊張や不安よりも「早くもっとやりたい!」という気持ちが勝っていました。

能登: す、すごいなあ。GTE はどこで知って参加したのですか?

せつかさん: 母に、「夏休みに英語でできることはないかな?」と相談したら、母がインターネットで探してくれて知りました。「やってみたら?」って。

能登: お母さんは、せつかさんのやりたいことを分かっていたから、せつかさんの意志を尊重したかたちで協力されたのかもしれませんね。


■ なぜ Lakeland University 教育学部に決めた?

最終プレゼン前にリハーサルするせつかさん(写真左)
当時のチームメンバーとはチーム同窓会を開くなど、今でも交流が続いている

・人に教える難しさと、人と協力する楽しさを体感し、教育学部への道が固まる


能登: GTE では初めて会う生徒同士でチームを組むので、チームビルディングが難しかったのではありませんか?

せつかさん: そうですね、私だけ最初からフレンドリーにガンガン行っていたので、他のみんなと温度差がありました。それで、ワンチームになるのに時間がかかったなとは思うのですが…… 私にとっての挑戦は、チームビルディングではありませんでした。
 私にとっては、「一人一人の特性に合わせて最適な英語表現を教える」という点が一番のチャレンジでした。
 GTE に参加するくらいだから、みんな英語ができるんですけど、他のチームメンバーから「これって英語ではなんて表現すればいいの?」と聞かれることが多かったんです。
 自分としては、これまで培ってきた英語力を発揮して人に手助けできるチャンス! ……のはずなのに、「この人にはどんなふうに教えれば、私の言いたいことが伝わるんだろう?」とすごく困ったんです。

能登: 英語表現は分かるのに、英語や日本語というよりも、「どう伝えればその人に理解されるか」という点で難しさに直面したのですね。

せつかさん: みんなそれぞれ性格も考え方もぜんぜんちがうから、一人一人への伝え方って同じではなく変わってきますよね。
 一人一人に合った伝え方を考えることが、私にとって一番苦戦したし、学びになりました。

能登: 難しさに直面したことが、むしろ、教育学部への進路につながったのかもしれませんね。

せつかさん:  今は Lakeland University(米)で、Education を major(主専攻)として学んでいます。
 教育学部といっても先生になりたいのではなくて。「日本の英語教育を変える」という大きな夢に一番つながっているのが教育学部だったので、進路を決めました。先生の指導内容に影響を与える側に回りたいなと思って。

能登: その夢は、お母さんの英語教室で成果を出した中学生のときに出来上がったのですね。

せつかさん: いや、それが。なんとなくは思っていたんですけど、「ズレがあるな、もっとこう、何かやればいいのに」とモヤモヤした感じで、ハッキリと将来の夢にできていなかったんです。
 GTE Summer School では、色々なアクティビティがありましたよね。「こういう状況で、あなたならどうしますか?」といったたくさんのアクティビティをみんなでこなしたし、何日もかけてチームでビジネスプランを作って、最後に観客の前でプレゼンテーションもして。
 GTE が終わって帰りの新幹線で振り返ったとき、「あー、楽しかった! ……ん? 待てよ、私はやりたいことを全部やったな。これ楽しくない? あ、これ将来の夢じゃん!」と突然ひらめいたんです。英語って、発信する、アウトプットするのが大事なんだって。

能登: モヤモヤしていたことが、「人と協力する難しさと楽しさ」を体験して明確になったのですね。

せつかさん: そうですね。GTE に参加した高校1年生の夏以降、夢はまったく変わっていません。それ以降はずっと「日本の英語教育を変える」ことを目標にして、すべての活動をこの目標につなげてきました。

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・実現目標が見つかったことで自分が変わった


能登: 目標が見つかったあと、せつかさんにどんな変化がありましたか?

せつかさん: 目標に向けて勉強や課外活動に打ち込めるようになったのはもちろんですが、それ以外にも大きな変化があって。
 実は、いままで興味がなかったことや、不得意だったりイヤだったりしたことに興味を持てるようになりました。なんでも情報を集めようとするようになって。
 例えば今までは、「数学なんて英語とぜんぜん関係ないでしょ。苦手だなあ、難しくてイヤだなあ」と思っていたのが、「あ、この数学の表現って英語で言うとこうだな!」とか、「これ、前に参加した英語の課外活動で言っていたことと近いな」と興味を持てたりとか。
 自分が好きな英語とのつながりを意識して考えられるようになりました。情報の集め方、接し方が変わったなと思います。

能登: 考え方が大きく変わったのですね。

せつかさん: はい。「これを実現したい!」という意志を持った瞬間から、ガラッと自分が変わりました。
 変わるという表現では足りないくらい。今まで曇っていた脳みそがいきなりぱあーっと晴れてくる感じ(笑)。
 本当に日常の小さなことでも、それが好きな英語かどうかも関係なく、なんでも前向きに考え、前向きに行動できるようになりました。
 例えば、英語でも日本語でも、話したり書いたりのアウトプットは大好きだけど、読解でつまずくことがあって。うまくいかないと今までは凹むだけ。それが、自分が納得できなくても凹まずに、「でもここを工夫すれば改善できるな」と、何でも前向きに考えられるようになりました。
 小さくても大きくても、目標を持つと日常が変わる。そんな経験をしました。

能登: 目標に向けて、GTE とは別のことにもチャレンジしましたか?

せつかさん: それが、2020 年に入ってからは緊急事態宣言があって思ったようにいかなくて。
 GTE のあと、ディベートの世界大会に出場したのですが、海外での大会がオンラインになりました。その他の課外活動もオンラインがほとんど。でもオンラインではありますが、ディベート世界大会では日本代表として出場して、日本を背負って準決勝まで進みました。その後も卒業生スタッフのアンバサダーのような立場で参加したりして。そのときは GTE での経験がすごく活きましたね。

能登: ディベート世界大会で準決勝まで進むなんてすごいですね! どんな経験が役立ったのでしょう?
(※ 現在、GTE でも日英ディベート部を定期開催中)

せつかさん: GTE はプレゼンテーションがメインだったので、ディベートとはぜんぜんちがうと思いますよね。でも GTE で培ったプレゼン力がすごく活きて。
 ディベート世界大会はレベルがとても高くて、ディベートのお題はそのときになるまで分からないんです。かつ、自分たちが賛成側としてディベートするのか、反対側としてディベートするのかもその場で決められて、すぐにどちらかの立場でディベートしなければいけない。スピードがすごく速い大会でした。
 で、急に決められるのであわててメモを書くのですが、書いているときに頭の中で「あれ、メモする力が上がってる」と気づく。実際にディベートしているときも、「あれ、話す能力も上がったな」と気づいたりして。常に GTE Summer School での経験が頭の中にありました。


■ さいごに、受験にのぞむ高校生にメッセージを!

小さい頃から超ポジティブなせつかさん(写真左)

・「無理!」と思ったことを分解すれば、チャレンジできることが見つかる


能登: さいごに、これから進路選択を控える中学生・高校生へ、自分の成長につながるようなアドバイスがあれば教えてください。

せつかさん: 自分の成長につながるアドバイスですね。3つあります。

 1) 相手の意見を待つよりも、まず自分の意見を伝える

2) 「無理!」と思ったことを「本当に無理な部分」と「できるかもしれない部分」とに分解する

3)  何度も出てきた情報は、将来必ず出て来るので覚えておく



せつかさん:
 1つ目は、まずは自分の意見を相手に伝える。
 これは別に、自分から話しかけようとか誰でも声をかけようとか、そういう意味ではないです。色々なことを学ぶとき、とくに課外活動ではそうですが、さまざまな人と関わりますよね。そのときは大なり小なり、自分の意見が求められる。自分の意見を言語化できないと、それが日本語だろうと英語だろうと自分の成長につながりにくい。
 シャイでも、話が上手くなくてもいいから、自分の意見を言語化する。そのとき、相手の意見を待つよりも自分の意見をまず伝えられれば、主体的に学びをスタートできると思います。

能登: 相手にとっても、まず自分の考えを話してくれる人とならコミュニケーションが取りやすいですものね。
 2つ目のアドバイスも詳しく教えてください。



せつかさん:
 2つ目は、自分には無理だと思ったことを分解する。
 「私には無理だな、苦手だな」と思うことってありますよね。そのときに、無理だと思ったことの中から「本当に無理な部分」と「できるかもしれない部分」とに分解する。そうすれば一見無理なことでもチャレンジできて、自分の成長につながります。
 それに、「これは私には難しいけど、この部分ならやるよ」と言葉にすれば、人との絆が深まりますよね。

能登: 無理だと思っても、全体をよーく見ると、チャレンジできる部分が見えてくる。大切なことですね。
 3つ目のアドバイスはどうでしょう?



せつかさん:
 3つ目は、興味がなくても何度も聞いた言葉は覚えておく。
 課外活動でも授業でもなんでも、何度も聞いたことのある情報ってありますよね。何度も聞いた情報は、そのときは興味がなかったり、何と関係するのか分からなかったりしても、重要な情報だから何度も出て来るんですよね。だから将来どこかでまた必ず出て来ます。
 そのときに、「あー! 確かにそれ良く聞いたわ。あのときもっと聞いておけばよかった~……」とならないのがベストで。意外とひきずっちゃうんですよ。後悔って。
 だから、そのときは興味がない、何が関係あるのか分からない情報や人の言葉も、あとから必ず何かにつながるのでインプットする力が大事ですね。

能登: 3つのアドバイス、とても役立つと思います。ありがとうございました!


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