高校生の進路選択 その6 せなさん(後編)「大学のさらに一歩先が見えたことで受験勉強の姿勢が変わった」
対談記事は、「前編」「中編」「後編」の3回に分けて投稿しております。
後編では、
「迷ったときの進路の選び方」
「仲間との交流で何を学んだのか」
についてお聞きしました。
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せなさん「高校3年の夏。受験に向けてエッセイを各段階で書くネタがないことに気づいた!成長に向けて一気に追い込んで良かった」
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・高校生の進路選択 その6 せなさん(前編)「大学のさらに一歩先が見えたことで受験勉強の姿勢が変わった」
・高校生の進路選択 その6 せなさん(中編)「大学のさらに一歩先が見えたことで受験勉強の姿勢が変わった」
・高校生の進路選択 その6 せなさん(後編)「大学のさらに一歩先が見えたことで受験勉強の姿勢が変わった」
自分では動けない、難しい分野を進路の目標にした
能登: せなさんは中編のインタビューで、「海外に日本食を発信したい」と話されていましたよね。もともと食に興味があったのでしょうか?
せなさん: はい。料理好きの親友から影響を受けたのもあって、中学生のときから料理やお菓子を作って、みんなで食べることがとても好きなんです。
能登: 今せなさんは国際教養大学でビジネスを学んでいますが、別の進路の選択肢として食に関わることもあったかもしれませんね。例えば調理を学ぶとか、栄養学を学ぶとか。
食というテーマで進路を選択しなかったのはなぜでしょう?
せなさん: そうですね…… 勉強って自分でいちから学ぶのは難しいじゃないですか。でも料理や食べ物のことなら、誰から言われなくても自分で色々研究できるんですよ。先生がいなくても、学校がなくても、自分で教科書を探して勉強できると思うんです、好きなことだから。
でも、私にとってビジネスや国際系の勉強は、大学に入って教科書を与えられて、先生から教わらないと、自分からは学べないなと思いました。
それに、食に興味がある人を見つけてその中に入っていくのは私には簡単だけれど、ビジネスや国際系に興味がある人を見つけてその人たちの場所に行くのは、気おくれしてしまう気持ちがありました。
能登: 面白いですね。「心から好きで自ら動けること、自分にとっては簡単なこと」は、自分一人でも学べるし同じ興味を持つ人の中に入っていける。だからこそ進路として選ばない。
逆に、「興味があるけど自ら動けないこと、自分にとっては難しいこと」は、自分一人では学べないし同じ興味を持つ人の中に入っていけない。だからこそ進路に選ぶ。
進路に悩んでいるとどうしても、「自分が好きな分野や、とっつきやすそうな分野を進路にできないかな?」と考えがちですが、逆のアプローチで考えると進路が見えてくる人がいるかもしれませんね。
せなさん: 正直なところ、「趣味と勉強とは自分の中で分けておきたいな」「料理は好きだけど料理そのものを仕事にしたいかというとちょっとちがうな」という気持ちもあったのですが……
GTE サマースクールが終わった後、近所の製麺工場が将来なくなるのを見て「じゃあ、せながその麵を海外に広げたらいいじゃん」とポロっと親が言ったことで、「海外に日本食を発信したい!」という目標が出来たので。この目標から逆算すると、ビジネスと国際系を学ぶ方が、将来何かやりたいことにつながるなと思いました。
能登: 目標ができると、いまやっておくべきことが明確になりますね。
せなさん: はい。実現するかどうかは分からなくても1つ目標を持っておくことで、私はアクションを起こすモチベーションにできます。
夢とか現実性とかは考えないで、とにかくやりたいと思ったこと、行きたいと思った場所は、分からないけどとりあえず声に出して、「行きたい! これやりたい!」と声に出すのが大切だと思っています。
私が国際教養大学を目指そうと決めたときも、学力ではぜんぜん足りなかった。声に出すのも恥ずかしいくらい。
能登: もしも、声に出して実現できなかった場合はどうでしょうか?
せなさん: そうですね、もし国際教養大学に入れなかったとしても目標を1つ立てて目指すことで色々なアクションにつながり、色々なことを得られます。
声に出して、もし実現できなくても、私は胸を張って「これを目指していたからこそ、こういう経験ができて、いまの自分があるんだよ!」と自信を持って言える。声に出すことで自分に緊張感を持たせられる。怖気づいても、後戻りできなくさせることができます。
だから、1つ何か、できるかどうか分からなくても「やりたい!」と声に出すことが大切なのかな。
ポーランドでは留学生活を満喫
能登: せなさんは今ポーランドに留学中ですが、留学先ではどんなことを目標にしていますか?
せなさん: 実は、私の留学の目的は、勉強のためもあるけれど留学先でしかできない生活を経験することなんです。
いまいるポーランドの大学は留学生がすごく多い。授業も留学生向けだから最低限の授業と課題だけを出す先生が多くて。意外と勉強は国際教養大学の方が厳しかったです。
周りの留学生も「留学生活 楽しみたいよね!」という友達が多くて。友達とポーランドの色々なところに遊びに行ったり、友達のところにご飯を食べに行ったり、私が友達にご飯を作ったり。
能登: 楽しそう! 色々な国の料理や文化を体験できそうですね。
せなさん: はい。将来的には海外に日本食を発信したいので、寮の共同キッチンで日本食を作って友達に食べてもらったりしています。
そこで困るのは、食べ物や味の表現を英語で伝えること。日本語の食の表現は英語よりもすごく多いと思っていて、直訳しようとすると英語がぜんぜん出てこない。だから、私が留学で身に着けたいことの一つは食の表現力を高めることなんです。
周りの留学生たちに「どんな食べ物があるの?」と聞いたり、「日本にはこんな食べ物があるんだよ」と話したり。ポーランド、海外のスーパーは日本のスーパーとはぜんぜんちがうから、どんなものが売っているか調べたり。
留学生活で色々吸収して、海外に日本食を発信したいという夢をかなえたいなと思っています。
能登: すごく楽しみ。ヨーロッパに限らず日本食はブームを通り越して日常の食になっているので、人から求められるものになりそうですね。
せなさん: はい。いま 10 月で、まだあと半年ちょっと留学期間があるのでまだまだ吸収できるなと。時期的に街がクリスマス一色になってきて、所々にライトアップがあったり装飾があったりして、やはり本場はちがうなって感じたり。
生活とのバランスを取りつつ楽しみながら授業を受けているので、本当にいまのポーランドの大学は自分にぴったりだと思っています。
同じ高校生同士の交流が、進路への意欲や自信につながった
能登: GTE サマースクールの話に戻りますが、せなさんのチームは女子5人のチームでしたよね。
いまなら言えますが、GTE のときはすごく行き詰っていたというか、ムードが重かった。みんなから笑顔がなくなっていて、メンターが付きっ切りでサポートしていましたよね?
せなさん: もう何も出ないところまでアイデアが行き詰って、みんな頭が沸騰しちゃって。「もうダメじゃん!」ってなっていました。
能登: でもそのあとムードが切り替わって、「みんなで一気にプランを立てていくぞ!」となりました。
せなさん: はい。もう時間がないし、いま立ち止まっても仕方が無いから強行突破という感じでした。
なぜ行き詰っていたかというと、「私たちのビジネスプランは現実的ではないのかな……」と、みんな頭の中で思っていて、自信が無かったんです。
でもメンターの方々から、「いや、ここはこういうテクノロジーを使えば本当に実現できるよ」と現実性を伝えてもらえて。それが、「じゃあこのまま行っていいんだ!」という一押しになったのかなと思います。
能登: 残念ながらせなさんのチームは賞を取れませんでしたが、とても良い雰囲気で終わりましたよね。
せなさん: みんながお互いを認めてくれたから、みんなが賞を取ったような達成感がありました。あの雰囲気があったからこそ、順位にこだわることなくその後の自信につながる経験を得られたのだなと思います。
だから GTE の後も、今でも関係が続いていて、ポーランドに来る前にも会ったりしています。
それと GTE で衝撃的だったのは、「東京の高校生、インターナショナルスクールや国際バカロレアの高校生ってこんなにアクティブなのか!」と分かったこと。高校は田舎の自称進学校だったので。
衝撃を受けたのと同時に、「きっと国際教養大学もこんな人たちが集まっているんだな。私はこういう人たちと一緒に学びたい! 英語で勉強するのって楽しい! やっぱりこの大学に行きたい!」と、自分の進路がより明確になったのを覚えています。
受験戦争の常識にはまっている高校生が一人でも束縛から解放されて、のびのびと自分らしい生き方を見つけて、自分にぴったりの大学に受かってくれるとうれしいですね。
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