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Jupiter Works

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木星や空を切り裂き迸る文脈について書くところ
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夕Vェ詩フィクシア(第四回阿波しらさぎ文学賞落選作品)

<祝詞>
 忌まわしき明日より這い出でる憐オド理に向け、夕Vェ詩を以下の忘却された、いにしえと渾沌の神々へ捧ぐ。
 繰り返す廃絶と夭折、すべての痙性と痙攣の最大認識にして、腐りゆく吐息をつかさどる微笑みの神、ディアヌシューに。世を巡る有形無形たちの帯状装飾にして、汚泥と神経の神、雨音を呪う朱ク驟シに。夢遊病の真実にして溶ける理性ともうひとつの虚構神、テスに。弾道が及ぼす致命的な世界への波及を身に纏

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 雷が墜ちた。
 その膨大なエネルギーは、ベランダで僕が吸っているアメリカンスピリットめがけて墜ちてくる。煙草の光が雷を灯し、その従順な自然のエネルギーはフィルターを素通りして僕の体を、打つ。
 そのシークエンスの前に、一瞬の稲光が世界を覆ったことについて考えなければならない。
 ある家では稲光に犬が怯え、吠えた。
 ある庭では父親の愛でる盆栽が波動に揺れた。
 ある街のカップルはその雷鳴をキスの

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夜Vェ啼く無け、夜ル穢リ

#Am
 あのち
   巳せてよ
      駆けるから
          すきなの
 わたし せつなの 穢クレール 衝動 

・できない
・むりだよ
・希り咲き
・いきさき

 よ
 は正当なる
 り
 ィンカーネーション

、愛さ、愛が、さ愛、ざ愛、
、ちは、咲く、火ら、また、

 ねっね?
   火ねて夜り
      裂けるから
          すきなの
 わたし 風ドゥル 是クレー

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らいしてる

 殷々とした四季の自殺は全て神のせいなのよ。あなたがいなくなった今、心の底からそう思っているわ。夜は全ての感傷を受け止めるって、星空が言っていたけど本当ね。夜に轟くのも悪くないわ。今度、お礼を言わなきゃ。

 ねえ、あなたのこと、ほんとうに、らいしてる。らいしてるわ。わたしたちはだれかのはじまりになりたいとき、じぶんの存在をかけてつたえるの。わたし、雷鳴だし、すべてを置き去りにするから寂しいし、雷

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されし雷と暴風の咲かれ足る結晶のケトラルカ

アルファからオーメガまでさぁabc殷々ГДЕdとefかghijさjkЁ四季のЖЗlたmnoなpqrはst自殺uまvwxyzやゑゐИЙКすべてαβγヮヰせいせいとしてヱらδεζわいきしちη神がθιにひみκλμνりをおこξοπそとЕЁ瓦をЖのほもЗИ落ЙよろρとすστえけせКЛМНОПてυφねへРСТめУФХやχψωれわАЮЯБВをん、そのち、見せて。雷雨、すきなの。わたし、せつなの、穢クレール。

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アスカロン

アスカロン

 しなないで,とおもう.

 彼女が私にそう言うのはずっと後の話.それで,今から話すのはアルファとオーメガで言ったら,アルファの話.
 そのとき教室では先生がいらいらしていた.
 授業に興味の無いセスジが先生に指される.彼女は答えられない.興味が無いから.先生笑う.満足.他の生徒もセスジを嘲笑する.彼女はずっと浮いていたから.

 次のシークエンスは欠損教室.バリッ,と空間を丸ごと引き剥がすよう

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