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スーダン日記4〜共同生活の日々始まるの巻〜

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いよいよ本格的にスーダンでの生活が始まった。その最初の日々の記録。
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記事一覧

スーダン日記6月15-17日 スーダン式美容あるいは夫婦生活のためのお手入れ(5)

スーダン日記6月15-17日 スーダン式美容あるいは夫婦生活のためのお手入れ(5)

3日間続くスーダンの結婚式にまつわる一連の記事を書いている。こんな意味深なタイトルになってしまったのは、今日の記事の内容を書こうと思ったからだった。前置きがだいぶ長くなったけれど、いよいよ本題。

今夜も花嫁の実家ではダンスパーティーが開かれるとのことだったが、我が家は休息の中日。女2人子供6人で台所の床に座り、大きな丸盆を囲んで夕食を食べる。引越し当初は広いサロンで食べていた私たちだったが、子供

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スーダン日記6月15-17日 スーダン式美容あるいは夫婦生活のためのお手入れ(4)

スーダン日記6月15-17日 スーダン式美容あるいは夫婦生活のためのお手入れ(4)

コフェールから帰宅後、腹ごしらえをして身支度を整え、家を出たのは夜9時過ぎだった。子供達は普段なら寝る時間だが、おでかけ用の服を着て楽しそうにしている。私はせっかく手足にヘンナを描いてもらったので、トーブを着て出かけることにした。着慣れないので身動きし辛いけれど「ご近所だし会場も薄暗いだろうからきっと何とかなる」と自分に言い聞かせた。

ヘンナの会は7時から始まると聞いていたので、2時間も経ったら

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スーダン日記6月15-17日 スーダン式美容あるいは夫婦生活のためのお手入れ(3)

スーダン日記6月15-17日 スーダン式美容あるいは夫婦生活のためのお手入れ(3)

「ヘンナ」の会の午前中はコフェール(女性の美容サロン)に行くことになるかと思っていたが、子供たちの面倒を任せる夫が朝に家を出ていったきり帰ってこない。夫は3時過ぎにやっとフルーツなどを手に帰宅。もう1人の奥さんがトーブを着て玄関に立っているので「出かけるの?」と尋ねると、案の定コフェールに行くという。

私も一緒に連れていってもらおうと急いで身支度を整えたが「ズボンを履いて何しに行くの?それじゃだ

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スーダン日記6月15-17日 スーダン式美容あるいは夫婦生活のためのお手入れ(2)

スーダン日記6月15-17日 スーダン式美容あるいは夫婦生活のためのお手入れ(2)

披露宴は週末の金曜日(イスラム圏のスーダンでは、金曜は日本の日曜日の感覚)に開かれることになっていた。

その週の月曜日、夫のもう一人の奥さんは結婚イベントで子供達に着せる服などの買い出しにスークに出かけていった。出かける前に「買ってきて欲しいものはある?」と私の代わりに買ってきてくれるつもりで聞いてくれたが、何を準備すべきか咄嗟に見当がつかず、とりあえず断ってしまった。

火曜日。もう一人の奥さ

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スーダン日記6月15-17日 スーダン式美容あるいは夫婦生活のためのお手入れ

スーダン日記6月15-17日 スーダン式美容あるいは夫婦生活のためのお手入れ

夫の家族は6月半ばにビッグイベントを予定していた。夫の姪の結婚だ。スーダンでの結婚式は昨今の日本の結婚式よりずっと大掛かりだ。お金がかかるので年頃になってもなかなか結婚できない若者が多い。

日本の結納のような親族だけでの会食や贈り物交換の儀式もあるようだが、最後のイベントは300人くらい集まる夜の披露宴とその朝に行われるニカー(婚姻契約)の儀式だ。全てこのパターンなのか不明だが、披露宴会場の手配

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スーダン日記6月-7月 ママに代わってお仕置きよ⁉︎

スーダン日記6月-7月 ママに代わってお仕置きよ⁉︎

ある日、もう1人の奥さんが急用で子供達を置いて外出しなければならなくなった。いつも睨みを効かせているママがいなくなって、子供達は大興奮。監視役はスーダンに来たばかりの新米ママ一人。ママが出かけるや否や、子供達は日頃から心に秘めていたことを「今や!」とばかり、やりたい放題遊び始めた。

冷蔵庫からマンゴーやらチョコレートやらを取り出して、戸棚から引っ張り出したミキサーで出鱈目にジュースを作って床にぶ

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スーダン日記6月-7月 もう1人のママ

スーダン日記6月-7月 もう1人のママ

アパート生活が始まってから直面した厄介なことを色々と書いてきた。しかし、そんな問題の数々より何より手強いのは子供達だ。我が子を含め、6歳の双子の男の子、3歳前後の女の子2人、2歳前後の男の子2人の計6人。朝目覚めた時から夜寝る前まで家の中を走り回り、奇声をあげて遊んでいる。女の子も腕白さといたずらぶりは男の子に全く引けを取らない。

アパートに引っ越した翌日から、もう1人の奥さんの子供4人も私のこ

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スーダン日記2022年6月-7月 強風に虫に「風の谷」のような我が家

スーダン日記2022年6月-7月 強風に虫に「風の谷」のような我が家

中庭中心の半分外にいるような明るい実家と違い、アパートは太陽光が入る窓が少ない。それなのに、2つあるトイレの両方とも電気が壊れている。換気扇を回すとわずかに光が差し込むけれど日中でも薄暗い。停電にならなくても夕方以降は毎日懐中電灯か携帯のライトを灯す生活になった。

トイレにはホースの先にジェット並みの水圧で水が噴射するビデがついていて、用を足した後は紙は使わず水で洗い流す習慣が身についた。もっと

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スーダン日記2022年6月 開かない鍵に崩壊する壁

スーダン日記2022年6月 開かない鍵に崩壊する壁

引っ越してきてすぐに修理した物がもう一つあった。玄関ドアの鍵だ。修理後2、3週間ほどは調子良く使えていたが、その後、鍵をかけると開けられない事態が頻発するようになった。

スーダンに限らず、海外旅行に行くとユースホステルなどで、部屋の鍵を回しても回してもうまく鍵がかからなかったり、開かなくなって扉の前で呆然と立ち尽くすなんてのはよくあることだ。それとまさに同じで、鍵を回そうとしてもうんともすんとも

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スーダン日記2022年6月 この蛇口はギャグなのか⁉︎

スーダン日記2022年6月 この蛇口はギャグなのか⁉︎

このアパートに初めてやってきた時、台所に入って真っ先に驚かされたのはひっくり返った蛇口だった。住めば住むほど、このアパートの手抜き工事っぷりが感じられるけれど、その最たるものがコレ。水をたくさん出そうと思って蛇口を大きく捻ると、噴水のように床に水が飛び散る。あまり水を出せないので洗い物をするのももどかしかった。幸い、冷蔵庫の修理に来たついでにこちらも正常な向きに直してくれた。

ところが、つい1週

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スーダン日記2022年6月 ハエ叩きを構えて冷蔵庫を開ける日々

スーダン日記2022年6月 ハエ叩きを構えて冷蔵庫を開ける日々

アパートでの新生活が始まった。実家の生活よりずっとずっと快適だったが、色々問題もあった。

まず、冷蔵庫がただの食料棚になっていた。フロンガスが漏れて冷却機能が全く働いていなかった。おまけに扉を開けるたびにゴキブリの赤ちゃんが3匹くらい視界に入る。これが大人になったらと思うとゾッとして、必死に大小様々なゴキベビーをハエ叩きで潰した(もう1人の奥さんの話によると、以前は私たちが使っている部屋を彼女の

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